2021年度活動報告

本年度の活動内容

「ふるさとから世界へ」の活動テーマの下，教科や総合的な学習の時間での経験的な活動を通して，郷土の自然や文化に親しみ，将来に亘ってそれらとどうかかわっていくかを主体的に考え，判断し，表現できる生徒の育成を目標として活動している。

地域の自然と文化を尊重し，持続可能なライフスタイルを構築させることは，ＥＳＤの観点からも今日的な課題の解決につながるものと考えている。主な活動は以下のとおりである。

（１）郷土の自然にかかわる学習活動

１年生では，白石ユネスコ協会理事の海藤節生氏の指導の下，地域の自然にかかわる学習活動に継続的に取り組んでいる。今年度は「土」をテーマに，地域の水田周りの土壌調査および水棲生物の観察を５月，７月，１０月に行った。本校は山間部の自然が豊かな地域にあるが，やや汚れた水質に生息する水棲昆虫が多数見られ，調査を通して地域の現状への認識を新たにした。地域の恵まれた自然環境を将来につないでいくために自分たちがすべきことを考える機会となった。

（２）郷土の伝統工芸にかかわる学習活動

白石市で古くから作られている「白石和紙」を使った創作活動に，全校生徒で取り組んでいる。郷土の伝統工芸品に親しみ，日々の生活の中で使用して，そのよさを体感させることをねらいとして「団扇」「ペーパーウエイト」を作った。また，２年生は来年の卒業式に向けて，卒業証書に使う紙を，伝統的な製法で自ら手すきで製作した。生徒はどの作品にも愛着をもって使用するとともに，これからも白石和紙が末長く継承されていくために必要なことは何かを考えるきっかけとなった。

（３）郷土の文化の継承にかわる活動

①神事の継承と弓道

小原地区の神社で古くから行われてきた「百矢納め」という神事が行なわれていることから，保健体育科の武道の一環として，全校生徒が弓道に取り組んでいる。講師には，この神事を執り行っている地域の方々を迎え，弓道の技能の他，礼法や所作を学んでいる。３年間を通して弓道に取り組むことで，心身の鍛錬はもとより，地域の伝統文化を継承しよういう使命感を持つようになり，進んで神事への参加に協力している。

②和太鼓演奏の継承

かつて地域で使われていた和太鼓を使用して，本校で和太鼓の演奏活動を行うようになって１０年が経過した。市内在住の和太鼓奏者を講師に迎え，地域の担い手としての自覚をもって，熱心に練習に取り組んでいる。コロナ禍でもあり，発表の場は限られているが，全校生徒で行う迫力ある演奏を楽しみにしてくれている。

（４）国際交流活動

今年度新たな取組として，シンガポール日本人学校とのオンライン交流を令和４年２月に実施する予定である。上記に示した取組や学校・地域を紹介したり，意見交換をしたりしながら，国際理解を深めていきたいと考えている。

来年度の活動計画

次年度も「ふるさとから世界へ」を継続テーマとし，ユネスコスクールとしての活動に取り組んでいく。今年度の反省や生徒数，新指導要領の内容とも照らし合わせ，時数や内容の見直しをしていかなければならないと考えている。地域の自然と文化を尊重し，持続可能なライフスタイルを構築させることの教育的意義を再確認しながら，本校の特色ある教育活動としての位置づけを図っていきたい。