• ようほれんけいがたにんていこどもえんあんぼうほいくえん
  • 幼保連携型認定こども園安房保育園〔キャンディデート校〕

  • Nursery&Certified Child Garden Admission Anbo Nursery School
  • 種別, 地区
  • 主な活動分野生物多様性, 環境, 文化多様性, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 福祉, 食育

所在地 〒891-4311 熊毛郡屋久島町安房2359-14
電話番号 0997-46-3139
ホームページ https://myojokai.or.jp/
加盟年 -

2023年度活動報告

活動分野

海洋, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 持続可能な生産と消費, 食育

~海洋~

★ねらい

屋久島の海や魚の事を知ろう。

【うおはく】

NPO法人うお泊屋久島の方が来園し、屋久島の海や魚についての話を聞き、地元で釣ったカンパチに触れたり、さばいたりする様子を見せてもらう。さばいたカンパチは給食で提供し、どのように魚が獲れどのように食卓へ出てくるのかなどについて知る機会となった。生き物の命をいただく…ということで、「ありがとうございます。いただきます!」とおいしく食べる子ども達だった。

   

【コロコロ海岸ぴかぴか隊】

私たちの住む屋久島は四方を海に囲まれ、漁業が盛んなだけでなく、毎年数千頭のウミガメが産卵に訪れ、海を身近に感じられる環境にある。自園の掲げる保育理念のもと、海にかかわることを知る機会が多くあり、海の生き物たちが直面している海洋ごみの問題について考える機会があった。保育の中で島内にある「うみがめ館」へ行き、カメや海の生き物について様々なことを学び感じた子ども達・・・「カメさんがごみを食べちゃわないように海でぴかぴか隊しなくちゃね!」という声が聞かれた。自園では毎月ぴかぴか隊(地域のごみ拾い)の活動を行っている。その中で近くの海岸へぴかぴか隊に行くことになった。海岸清掃を行いながら、釣り糸やペットボトル、レジ袋などたくさんのプラスチックごみが落ちていたことに驚く子ども達。「こんなものが海に流れていったら、カメさんや魚が間違えて食べてしまうかもしれない。死んじゃったら、海の生き物がいなくなっちゃう。」と、危機感を持った子どもが多くいた。

  

★活動の成果

海の生き物、みんなの海を守るために日頃からごみを捨てないようにしようと感じ、道端に落ちているごみでも「雨が降ると川や海に流されていく。生き物が食べてしまうかも!?」と考えるようになり、ぴかぴか隊だけでなく出かけた時にはごみを見つけては自主的に拾い、園へと持ち帰る姿が多く見られるようになった。そして家庭でも保護者を巻き込みながら、ぴかぴか隊が広がってきている。

★今後の課題

毎月のぴかぴか隊や海の事だけでなく、自分たちに何ができるのか子ども達と共に考え、行動を起こしていきたいと思う。

 

~世界遺産・地域の文化財等~

★ねらい

世界遺産である屋久島の自然を感じ、動植物に出会い、生まれ育つ島の素晴らしさにふれる。

【屋久島巡り】
ESD活動の中で、屋久島環境文化研修センターの方々にご協力頂き、屋久島巡り(西部林道、滝、海岸等)を行った。西部林道で野生の猿や鹿を見つけ、松ぼっくりの皮を食べていたり、親子で毛づくろいしていたりなど生活の様子や生態等を知ることが出来た。また猿に歯を見せると威嚇していると思われて襲いかかってくる可能性があるという習性も教えてもらい口を押さえて見学を行なった。大川の滝では水の多い屋久島ならではの迫力を目の当たりにし、海岸では様々な種類の貝殻を集めたり海で泳ぐ魚を覗いたり、シーグラス拾いをしたりして楽しんだ。

       

【冬のヤクスギランド】
ESD活動の中で、屋久島環境文化研修センターの方々にご協力頂き、冬のヤクスギランドの山歩きを行った。活動を通して、屋久杉の木々を眺めたり、苔むす森を歩いたりと緑に触れたことで自然をより身近に感じる事が出来た。また、雪道を歩くことで普段、島では目にすることが殆どない冷たい雪の感触をあじわう事が出来た。

     

★活動の成果

野生の動植物をより身近に感じられたことにより自然を守ろうとする気持ちが芽生えていた。自分たちの住む島を綺麗にしたいと自らゴミ拾いを行い、むやみにゴミを落とさないようにしたりする姿が見られるようになった。最近では猿や鹿が餌を探しに山から降りてきて民家の近くや道路でも頻繁に見られ、園外保育中でも出くわすことがある。もし猿を見つけても食べ物は絶対に与えない、むやみに近づかない等の約束をし、共存することの大切さを理解することが出来ていた。

★今後の課題

園での活動や取り組みをより地域の方々に知ってもらい、みんなで協力しながら世界遺産の島の自然を守る意識が高められるように様々なところで発信していきたい。

 

~持続可能な生産と消費~

★ねらい

ゴミの分別や食の循環を知ろう。

【地力センター見学】

年長児がこの2年間、ESD活動の中で屋久島環境文化研修センターのスタッフからリサイクルや循環について教わってきた。そこでさらに子ども達に食の循環に興味を持ってもらおうと、生ゴミで堆肥が作られている地力センター見学に行った。昔ながらの生きた土づくりをしている地力センターには生ゴミを発酵させるプールがいくつもあり、•プールの中では良い菌が働いて分解すること•発酵熱が90度くらいまであがることなどを知り、できた堆肥が袋に入れられて製品になる工程を実際見たり、触ったり、臭いを嗅いだりすることで、食の循環を知ることができた。

   

【コンポスト作り】

地力センターで頂いた土と保育園で出た生ごみを段ボールに入れて、コンポスト作りを行った。段ボール箱の中に土とかぼちゃの種や大根・人参の皮などの生ゴミを手で小さくちぎった物を入れ、よく混ぜ完成。卒園するまでコンポストに霧吹きで水をかけたり、日光に当てたり、土を混ぜたりしながらコンポストに入れた生ゴミの観察を行った。

     

★活動の成果

集められた生ゴミの中には、生ゴミ以外の物(スプーンや皿、貝、入れ歯など)が多く入っていることを知り、ゴミの分別の仕方や大切さなどを自宅で保護者に教える子どもがいた。園でコンポスト作りを継続していったことで、小さい生ゴミからどんどん土(堆肥)になったり、生ゴミのかぼちゃの種からは芽が出てきたりと、さまざまな自然現象を発見し地力センターで学んだ事を実際に体験することができた。さらに作った堆肥でミニトマトやなす、オクラなどの野菜を栽培し、食の循環について考える機会となった。

★今後の課題

地力センター見学、コンポスト作り共に保育士自身も初めての経験で、子ども達と一緒に学んだことが多かった。その体験を園から家庭、そして地域へ発信し、地球に優しい環境活動がよりたくさんの人に広がっていくように、身近な事から取り組んでいきたい。

 

~食育~

★ねらい

食の大切さを知ろう。

【米作り】

・田植え:手植えの仕方を教わり、泥遊び感覚で楽しみながら田植えを行なった。

・田んぼの草とり:稲は子どもたちの腰のあたりまで育っていて、その生長に感動する姿が見られた。稲と草の見分けが難しい子もいたが、特徴を教えてもらってからは間違えずにとることができていた。草をとるだけでなく、稲と稲の間を歩いて草を踏みつぶしていく作業がお米の生長につながることも知り、積極的に取り組んでいた。

・稲刈り:年長児親子で稲刈りを行った。台風明けだったが稲も無事で、鎌を使い1株ずつ丁寧に刈っていった。真夏の作業だったため熱中症対策も十分にしながら半日かけて脱穀まで行い、収穫を喜んでいた。

      

★活動の成果

手植え6回分程でお茶碗一杯のご飯ができることや、お米を作り食べられるようになるまでの過程の大変さなどについて体験し、知ることができた。稲刈りをしたことのない子や保護者も多く、いい経験ができたと喜んでいる家庭が多かった。また、収穫した米俵を見て、自分たちで頑張った成果が分かり喜ぶ姿が見られた。その後、精米したお米を飯盒で炊いて食べ感動していた。さらに【ふかもこまい】と名付けて、保護者や一般の方にも販売し、他の活動にもつながった。自分の食べるものを自分で作っていく大変さや大切さ、喜びなどを感じているようだった。米作りを経験したことで、給食の際にも意識してご飯粒を集めたり残さず食べようとしたりなど、食に対する意識が少しずつ高まっているように感じる。

★今後の課題

地域の方々と関わりながら幅広い食育活動を継続していきたい。苦手な食材への抵抗をなくし、感謝しながら日々の食事ができるよう、食への関心を高めていきたい。

来年度の活動計画

1.年間のESD活動を通して、子どもたちが感じたこと、疑問に思ったこと、興味を持ったことなどを更に探求する活動。

2.日常生活や遊びの中から生まれるつぶやきをピックアップして、いってみたい、やってみたいを実現していきながら、子ども達が主体的に参加できるような活動。

3.屋久島にしかない自然に触れながら、県の機関である屋久島環境文化研修センター、保護者、地域の方と共に、ここで生まれ、育つことを誇らしく思える活動。

4.たくさんの人と関わり、愛される経験の中で自己肯定感を高め、人・モノ・自分に思いやりのある心を育む活動。

過去の活動報告