2022年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 海洋, 減災・防災, 気候変動, エネルギー, 環境, 文化多様性, 国際理解, 平和, 人権, ジェンダー平等, 福祉, 持続可能な生産と消費, 健康, 食育, 貧困, グローバル・シチズンシップ教育(GCED)

新渡戸文化小学校は、「しあわせをつくる人になろう」を学校理念として、ユネスコスクールが重点的に取り組む3つの分野を通して以下の例の活動を展開した。これらは全て本校独自の教科「プロジェクト科」で展開したものであり、その他にも様々な活動が行われている。

①Human Library Project(6年生)分野③と関連

18組の様々なバディ(障害を持つ方・セクシャルマイノリティ・国籍の違う方など)と少人数のチームを組み、4ヶ月に渡って交流や対話を行った。出会いの場ではバディに自分の編成を語ってもらうHuman Libraryの手法を取り入れた。最終的にはバディと共にバディについて語る「本」を制作し、一般の観客に向けて読み聞かせるアウトプットを行った。

②COETEプロジェクト(3年生)分野①と関連

ウクライナでの軍事問題によって苦しんでいる人々を助けたいという子どもたちの想いから、自分たちは何ができるのかを話し合い、実行した。自分たちの得意なものづくりを「平和」をテーマに行い、一般観客に対して販売し、その売上を寄付する活動を行った。寄付に際しても各チームの売上を自分たちでどこに寄付するか検討し、主体的な市民意識を醸成した。

③てんでんco.PROJECT(6年生)分野②と関連

「あなたにとっての幸せとは?」と問いとして、東日本大震災をテーマに探究的な学びを展開した。事前に震災の被害などを調査し、6月に岩手県大槌町を訪問、現地の人々と対話した。なぜまた津波が来るかもしれない町に生き続けるのか、そこでどのように暮らしているのかを対話しつつ、様々な活動を子どもたちが自分で選択して経験することを通して「それぞれの地・人にはそれぞれの幸せがある」ということを体感的に学んだ。

※1【ユネスコスクールが重点的に取り組む3つの分野】
①地球市民および平和と非暴力の文化
②持続可能な開発および持続可能なライフスタイル
③異文化学習および文化の多様性と文化遺産の尊重

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新渡戸文化中学・高等学校は、「HAPPINESS CREATOR(自律型学習者)」を学校理念として、ユネスコスクールが重点的に取り組む3つの分野を通して以下の活動を展開した。これらは全て本校独自の「選択式スタディツアー(探究型修学旅行) 」と「クロスカリキュラム (プロジェクト型教育プログラム」で展開したものであり、その他、一般の授業においても教科と社会の接続や、社会への発信・発表について、学校全体で取り組んでいる。

① 戦争と平和に向き合うプロジェクト(中1〜高3) 分野①と関連

軍艦のプラモデル製作を趣味にしていた高校生が、プロジェクト型教育プロジェクトの中で、3年間をかけて続けてきたプロジェクト。3年目となる本年(2022年6月)は、太平洋戦争の経験者、在日ウクライナの方、戦争カメラマン、平和教育を研究する卒業生、議員、そして本人による戦争をテーマにしたシンポジウムを企画。全校生徒及び、一般参加者も交えて協議し、参加者全員が平和への責任と自分にできる行動があることを確認した。

② 選択制スタディツアー(中1〜高2) 分野②と関連

高齢化が進み、人口流出と文化の維持が困難となっている全国約15のエリアから、選択制で、一人の生徒が年間で2回参加できるスタディツアー を実施した。各地では林業、農業、酪農、漁業、繊維など、衣食住の自然資本にあふれ、その地域ごとに文化も存在するが継承が困難になっている。各地で自分たちにできることを考え、文化祭や地域のフェスなどで、発信を続けている。写真は定置網漁を体験している様子。

③ 多文化交流プロジェクト 分野③と関連

本校が所属する中野区は、外国人比率5.48%で日本の平均値の2.5倍であることを生かし、大学生、高校生、海外の同世代、大人の交流会を継続的に実施している。毎回テーマを決め、平和、食、教育、学校、町つくりなど、様々なテーマで協議をしたり、参加者の特徴的な国の料理を共有することで、多文化理解を体験的に深めている。今まではコロナ禍でオンラインでの実施であったが、次回(2023年3月の予定)はリアル開催に向けて、協働団体と連携を続けている。写真は、交流会を主催する一般社団法人の代表と本校の生徒が打ち合わせをしている様子。

※1【ユネスコスクールが重点的に取り組む3つの分野】

①地球市民および平和と非暴力の文化

②持続可能な開発および持続可能なライフスタイル

③異文化学習および文化の多様性と文化遺産の尊重

来年度の活動計画

<小学校>

2022年度同様に「プロジェクト科」を中心に様々な活動を展開する予定である。子どもたちの意志や選択を重視するため、具体的なプロジェクト内容は確定することは難しいが、様々な活動が展開予定である。なお、以下の活動については継続予定、または新規実施予定である。

【継続予定】

・てんでんco.PROJECT:6年生
・Human Library Project:6年生

【新規実施予定】

・エシカル消費について実践的に学び、行動するプロジェクト(5年生)
・Minecraftを活用して多様な人々が共存する町をデザインするプロジェクト(4年生)
・他県の農業を体験しながら持続可能な生活と幸せを探求するプロジェクト(5年生)

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<中学・高等学校>

2022年度同様に「選択式スタディツアー(探究型修学旅行) 」と「クロスカリキュラム (プロジェクト型教育プログラム」を中心に多分野にわたるプロジェクト型活動を展開する予定である。2022年度の実績は年間で約40のプロジェクト(以下に一部を紹介)が立ち上がった。このプロジェクトを継続・深化させつつ、新入生の興味関心から新規のプロジェクトを50以上を目指し、生徒主体で立ち上がっていくことを全職員でフォローしていく。スタディツアー については現在の15エリアに加え、新規で酪農、沖縄戦などのテーマで5エリアを追加する。さらには生徒主体で企画する東京スタディツアー なども予定している。

・アイヌ文化プロジェクト(スタディツアー としても計画中)
・戦争対話プロジェクト
・里山再生(植林、道の整備、耕作放置地の開墾)プロジェクト
・海獣問題プロジェクト
・食品ロス改善プロジェクト
・未流通魚商品開発プロジェクト
・規格外果実のメニュー開発プロジェクト
・エシカル消費を伝える販売プロジェクト
・古着から卒業証書を制作するプロジェクト
・都市型農業デザインプロジェクト
など、40を超えるプロジェクトが誕生した