2020年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

エネルギー, 環境, 文化多様性, 国際理解, 平和, 人権, 福祉, 持続可能な生産と消費

本校は、「新島襄の教育理念(キリスト教主義、自由主義、国際主義)」を学校理念として、ESDをキリスト教の伝統に基づく視点、地域及び日常生活からの視点、国際的な視点から捉え、ESDの実践を通して自分の生活能力の向上をはかりながら、世界の様々な価値観を理解し協調する力の育成を目標とした。

今年度はコロナウイルス感染拡大の影響で、いつもの活動ができなかった面は否めない。しかし、昨年度に引き続き、エネルギー問題、環境問題、国際理解を柱に、①地域奉仕に係わる活動、②エネルギー・環境問題に係わる教育、③国際理解に係わる学習 ④食に関する学習を行った。

① 地域奉仕に係わる活動

キリスト教主義の「隣人愛」の思想に基づき、様々なボランティアを計画していたが、コロナウイルス感染拡大の影響でその機会が激減した。例年行っている群馬にあるキリスト教系高齢者福祉施設でのボランティアキャンプ参加、栃木県にあるアジア学院(アジア、アフリカの農村指導者を招いて持続可能な農業を指導する学校)でのボランティアキャンプへの参加が中止となった。また、近隣の福祉施設への出入りも出来ず、地域のイベントもほとんど中止となり、頻繁に行っていたボランティアが出来ないことが多かった。近隣の清掃活動については可能であったので、実施できた。

② エネルギー・環境問題に係わる教育

理科と社会を中心に、エネルギー・環境問題に関わる教育を行っている。特に中学では総合的な学習の時間にて、理科の教員を中心に環境問題に関する調べ学習、発表を行っている。また、校内に水力発電機、ソーラーパネルを設置し、再生可能エネルギーでの発電を毎日行っている。その電気で毎朝、スピーカーを鳴らし校歌を流し、再生可能エネルギーの可能性を示している。

③ 国際理解に係わる学習

私たちの建学の精神である「新島襄」の留学先であるボストンへの短期語学研修、フィリピン・セブ島における短期集中英語教室など、海外での短期留学プログラムを多数実施していたが、2020年はコロナウイルス感染拡大によりすべて中止となった。これも例年実施していたロータリークラブの支援による交換留学、オーストラリアの姉妹校であるウエストボーン高校との短期交換留学なども実施できなかった。その中でも国内の留学生を招いて、他文化理解と自己表現をトレーニングする「エンパワーメントプログラム」を感染対策しながら実施することができた。中学の授業の中では「国際理解」の時間を設定し、他文化の学習を行い、多様性の理解を目指した。

④ 食に係わる学習

新島農園で中学1年生の農業体験としてサツマイモの育成、インターアクト部員が大豆を育てて醤油造りを行って来たが、農園が地主の方の都合で移転することとなった。そのため、長らく休耕地だった畑を耕し、現在農地への転換を数年がかりで計画している。2020年は生徒達の協力で、土起こしを行い、また、多くの菜種を植え、再び農地として作物の栽培ができるように努力している。

来年度の活動計画

新島襄は江戸時代末期にアメリカへ留学した国際派の草分け的存在である。新島襄の教育理念を基本とする学園では、英語教育及び国際理解教育を進め、現代における国際派の有意な人物を養成せんと来年も活動を行う。その際、欧米中心に偏らず、アジア・アフリカに向けた視点を持ちながら、「持続可能な経済発展」とはいかなるものか、生徒と共に探究をしていく。

2020年はコロナウイルス感染拡大のために多くの計画が実施できなかった。コロナウイルスとの共存はしばらく続くと思われ、そうした中でも実施できるプログラム、感染防止を行いながらできるプログラムを模索し、活動を実施していきたい。また、「総合的な探究の時間」を中心にSDG’sを学び、考える機会を増やしていきたい。