2018年度活動報告
本年度の活動内容
環境, 国際理解, 平和, 人権, 世界遺産・地域の文化財等, 貧困
当校は、「輝け個性、社会のために~考える力を育み、地域を支える人づくり~」を学校理念として、ESDを持続発展可能な地域づくりと捉え、SDGsを踏まえたESDの実践を通して、持続可能な開発に関する価値観、体系的な思考力、コミュニケーション能力の育成を目標としている。
具体的には、文化を基礎に、社会・環境・経済の3つを柱に、①世界遺産や地域の文化財等に係る学習活動、②環境に係る学習活動、③国際理解に係る学習活動、④貧困に関わる学習活動を行った。
① 世界遺産や地域の文化財等に係る活動
四国屈指の工業都市である新居浜の基礎づくりに大きく貢献した別子銅山。その別子銅山の近代化産業遺産を教育資源と捉え、小中学校への出前授業、生涯学習講座や地域イベントでの講師、観光ボランティアガイド、ガイドブックの制作など、さまざまな情報発信活動を行った。
また、長崎県長崎市端島(軍艦島)や池島等を実際に訪れ、それぞれの地域が誇る文化財や世界文化遺産について学びを広げた。
② 環境に係る教育
別子銅山の銅山峰に自生するツガザクラ(愛媛県天然記念物・絶滅危惧種)の保護活動を愛媛県山岳協会・憧山会と協働で、定点観測、保護柵の補修や整備などを行った。
また、①の活動時において、ツガザクラの希少性や保護の大切さについて呼びかけた。
特筆すべきは、平成30年11月16日の文化審議会で、国の天然記念物に指定するよう文部科学大臣に答申されたことである。
③ 国際理解に係る学習
地域に在住の外国人とのイベント「グローバルパーティー」(同楽しむ会主催)のスタッフとして、観光ボランティアガイドを英語で務めるなど、別子銅山の魅力をアピールするとともに、日頃の学習成果を発揮できる絶好の場ともなった。
④ 貧困に係る活動
地域のボランティア団体が主催する「にいはま子ども食堂」について、生徒会のユネスコ委員会が中心となり、ボランティアとして参加するなど、毎月1回の活動に年間を通じて係り、メディアで紹介されたことで、多くの賛同者を得て活動がより深まった。
地域の現状を肌で学ぶとともに、高校生が地域へ関わることの大切さを学ぶことができた。また、地域からの期待や大きな信頼を得た。
来年度の活動計画
それぞれの項目について、更なる広がりと深化を持たせていきたいと考える。
特に、国指定天然記念物となるツガザクラは、その貴重さを広く市民に周知すべく、出前授業をさらに活発化し、地域や行政と協働した紹介冊子などの作成を通して保護活動への協力を呼びかけたい。
校内においては、地域共創系列が完成年度となるに当たり、カリキュラムの実践を通した構築、ノウハウの蓄積を図る。
また、SDGsを各教科・科目に位置付けられるよう、教職員への研修にも力を注いでいきたい。