• なごやしりつなるみしょうがっこう
  • 名古屋市立鳴海小学校

  • Nagoya Municipal Narumi Elementary School
  • 種別 地区
  • 主な活動分野登録なし

所在地 〒458−0801 名古屋市緑区鳴海町字矢切98番地
電話番号 052-623-0070
ホームページ https://www.nagoya-c.ed.jp/school/narumi-e/
加盟年 2015

2023年度活動報告

活動分野

人権

実践例「拉致問題の解決に向けて」

まず、DVD教材「めぐみ」完全版を視聴し、拉致問題についての概要確認を全体で行った。その際、蓮池薫さんの「悪いのは北朝鮮当局で、一般国民に罪はない」という言葉を紹介した。次に、6年生に実施した「奪われたくないものランキング」の結果を紹介し、家族、友人、住んでいる家、自由な時間など、ランキングにある全てをめぐみさんは奪われたこと、拉致という行為が人権を侵害する行為であることに気付かせた。その後、拉致問題をめぐる政府間交渉の経緯について年表を使って確認した。最後に、拉致被害者の親世代は二人しか生存していないことを伝え、めぐみさん本人と家族の思い、拉致問題についての思いをワークシートに記述後、共有させた。

その後、拉致被害者の蓮池薫さんをお招きし、講演会を行った。そこでは、拉致の目的、拉致されたときの状況、北朝鮮での生活の様子、脱北を試みた他の拉致被害者の様子、拉致が夢を奪い、家族との絆を引き裂く行為であることなどをお話しいただいた。お話の中では、拉致問題は時間に猶予のない問題であること、在日朝鮮人への差別心を生んではいけないこと、家族との絆を大切にしてほしいということが強調された。質疑では、北朝鮮での暮らしぶり、拉致されたときや帰国できたときの心情など10項目程度の児童からの質問にご回答いただいた。

結果と考察

講演前の授業に、児童は真剣な面持ちで取り組んだ。つぶやきや発言から、拉致問題の理不尽さを感じ取っていることが分かった。中には、DVD教材「めぐみ」を視聴しながら涙を浮かべる児童もいた。授業後には「人権を奪う拉致を絶対に許せない」「奪われたくないものを全て奪われためぐみさんは絶望したはず」「解決のために拉致問題を知らない人に伝えたい」「人権は大切にしなければならないものだと分かった」などの記述が見られた。

蓮池薫さんの講演会では、メモ用ワークシートが足りない児童が続出するほど、児童は熱心に耳を傾けていた。講演会後、児童から「日本の政府に拉致問題を早く解決するように伝えたい」という声が多く寄せられたため、拉致問題対策本部に向けて手紙を書くことになった。そこでは、「めぐみさんのお母さんは87歳です。めぐみさんのお母さんが、神様にあと2年くださいと言ってみえたように、時間がありません」「難しいと思いますが、何とか早く解決していただくようお願いします」などの記述が見られた。

以上のことから、人権が守られることの大切さを理解し、拉致問題を通して人権侵害行為を自分事として捉え、解決に向けて主体的に行動する態度を育てることができたと考える。

来年度の活動計画

令和5年度同様、人権教育に力を入れていく。拉致問題以外にも、LGBTや貧困、児童労働等の問題を扱い、児童の人権感覚を養っていく。

過去の活動報告