2022年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 海洋, 気候変動, エネルギー, 環境, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 持続可能な生産と消費, 健康, 食育

本校では、全ての教育活動にESDの視点を持ち、自然や人・地域との「かかわり」や「つながり」を学校の理念として、ユネスコスクールが重点的に取り組む3つの分野を通して「心もからだも健康で、進んで学ぶ、心豊かな児童を育てる」ことを目標としている。ESDの実践では、①生き物と環境のつながりに係わる学習、②食と環境のつながりに係わる学習、③  生活と環境のつながりに係わる学習、④自分たちが住む町の文化や人のつながりに係わる学習を行った。

➀生き物と環境のつながりに係わる学習

1年生は、内水面総合センター(九頭竜川とその流域の環境保全と一般に理解を広めるための振興事業を目的とした施設)への校外学習をきっかけに、九頭竜川に生息し、厳しい環境に適応し、懸命に生きていくサクラマスの一生を劇やクイズにして、2年生や保護者に発表した。一連の学習で、身近に生息するサクラマスのこと、九頭竜川の環境のこと、また命のつながりの尊さなどを子どもたちは学ぶことができた。また、サクラマスの卵を分けていただいて、ふ化させて、稚魚を九頭竜川に放流する活動を引き続き行っている。

6年生は鳴鹿SDGs大作戦のテーマのもと、ホタルを呼び戻すプロジェクトを行った。ホタルを呼び戻すプロジェクトでは、学校のホタル池でここ数年ホタルが観測できていないことから、ビオトープの再生やホタル学習などの活動を行った。実際に専門家に生態や飼育についての講義をしていただいた。また、自分たちでホタルを育て、成虫から卵、幼虫と観察を行い、ビオトープに放す予定である。

②食と環境のつながりに係わる学習

2年生は、生活科の学習でトマトやキュウリなどの夏野菜を育てた。また、学校栄養士による食育の授業で、給食によく出てくる野菜の栄養について学び、体を守る力、体を強くする力、体を回復させる力があることを知った。そのことをきっかけに育てた野菜にはどの力があるのかを調べ、それを取り入れるためにはどんな調理方法が良いかを考えることにした。一連の学習は、1年生と保護者に、キュウリ、オクラ、ズッキーニ、ナス、ブロッコリー、それぞれのチームがメニューを選んだ理由と経緯を発表し、実際に調理した感想と反省を述べることができた。一人一人が思いを述べることができ、音楽の時間に作った『野菜大好き』の替え歌も披露することができて、充実した発表会となった。一貫して、子どもたちは学校栄養士とのやりとりの中で意欲を高めていったところがこの活動の良かったところだと思う。

5年生は、社会科で米づくりについて学習し、その中で米づくりに適している条件が示されているが、その条件に鳴鹿地区が当てはまるかについて、自分たちで調べたり、出前授業を依頼したりして学習した。また、現在、日本の農業が抱える問題(農業従事者の高齢化、農業従事者の減少、米の消費量の減少など)について、解決策や対策などを考えた。具体的には、鳴鹿コミュニティセンターやJAのご協力をいただいて、米づくり体験を行った。田植えをしたり、稲刈りをしたりして、米づくりの大変さについて実感した。また、近年、発展が目覚ましいICTを使えないかについても新聞記事を元に調べた。これらの活動を通して、未来の農業について考えた。最後に保護者や地域の方にこれまでの取り組みをまとめ、発表会を行った。

③生活と環境のつながりに係わる学習

4年生は、地球に起こっている環境問題を一つ取り上げ、チームのテーマの基、各自で調べ学習を行った。そして、各自で調べた地球の問題を少しでも解決・回避するために、自分ができることを実践した。また、坂井市の4年生とその家族全員で取り組む「プラごみ0宣言」に参加し、自分ができるプラごみを減らす取組を行った。最後に、テーマ毎にグループを組み、問題の原因や対策を調べたり考えたりしたことを、保護者や3年生に発表し、エコ活動への呼びかけを行った。

④自分たちが住む町の文化や人のつながりに係わる学習

3年生は、自分たちが住んでいる鳴鹿地区の自慢できるものを、自分で探したり家族に聴いたりして、見つけてきた「鳴鹿のじまん」を発表し合った。その後、クラスで話し合い、詳しく調べたいものを4つ「水資源」「自然や植物」「地区の歴史」「町づくり」に絞り、それぞれチームに分かれて、実際に調べに行ったり、詳しい方に話を聞いたりして調べた。 調べたことをもとに、ペープサートや紙芝居、タブレットでプレゼンテーションを作成して、楽しくわかりやすく伝わるように工夫しながら4年生と保護者に発表することができた。自分たちの目線で調べまとめ直したことで、興味が深まったり自分たちの故郷にすばらしい財産があることに気付いたりでき、これからも大切にしていこうという思いをもつことができた活動になった。

6年生は、鳴鹿SDGs大作戦のテーマのもと、未来の鳴鹿を構想し、地域と共に鳴鹿の未来について考えた。平成時代に考えられた構想図をもとに児童が話合い、アンケートを実施し、アイデアを固めていった。自分たちの好きな町が未来に残っていくためには何が必要かを考えることで、より地域への愛着と関心をもついい機会となった。

来年度の活動計画

次年度もESDをスクールプラン(学校経営方針)に位置づけ、ESDカレンダーに基づき、保護者や地域の協力を得ながら次のような活動を行う。

①「まほろば学習」(生活科および総合的な学習の時間)を中心にESDに取り組む。その際、ビオトープを含めた周辺環境を活用する。

②環境教育を推進し、体験活動を通して環境問題を自分の問題としてとらえ、環境保全意識を高める。

③地域学習を通して、地域への関心を高め、自分たちの住む地域に誇りをもつとともによりよくしていこうとする気持ちを育てる。