2018年度活動報告
本年度の活動内容
環境, 国際理解, 平和, 人権, 持続可能な生産と消費, 減災・防災, 世界遺産・地域の文化財等, 食育
本校は2014年度まで「ESDの理念に基づく学校づくり」を研究テーマとして、ESDを本校の教育の重要な理念と捉え、ESDの実践を通して、持続可能な社会作りのための担い手の育成を目標とした。以降、学校の研究主題は変遷しているものの、すべての教育を有機的につなぐ「ホールスクールアプローチ」を基本に全教科・領域にわたる取組をすることについては継続している。ここではその中から、主な取組について紹介する。
①人権・平和に係わる教育
1987年、生徒会の発案で生徒会主催の取組として始まった「平和のつどい」は、本校ESDの中核をなす学習活動の一つとして生徒主体で取り組んでいる。本年度は、「人と出会い、人から学ぶ」ことをテーマに取り組んだ3年生の沖縄修学旅行での学びを深化させ、さらに次年度につないでいくため、2月に沖縄の平和運動に関わり、本校の修学旅行づくりを支援していただいてきた北上田源氏を招聘して講演会を開催する予定である。
②地域の伝統文化(世界遺産)に係わる教育
本校では、半世紀前から奈良の文化財を巡るフィールドワーク(「奈良めぐり」と称する)を行ってきた。見学を重ねてきた寺社や史跡はのち世界文化遺産に登録され、「奈良めぐり」の取り組みも世界遺産学習として実践している。本年度は1年生がグループに分かれ、奈良公園・興福寺や奈良町・元興寺、東大寺、多聞城跡などの地域遺産を事前学習し、当日は地域の識者やNPOの方々のご助力をいただきながら、生徒が互いにチューターになって学び合う取り組みを行った。今後も奈良県下にある身近な世界遺産について学び、世界遺産から地域の未来のあり方について考える学習を進めていきたいと考えている。
③各教科の学習
各教科において意図的にESDに関わる学習を組み込んでいる。例えば、ESDとの親和性が高い理社科はもちろん、たとえば家庭科ではエシカル消費を意識した食育やジェンダーに基づいた学習が展開されている。このように、教科をベースとして、各学年の総合的な学習につないでいくのが、本校ESDの学びの基本となっており、それらを総合的な学習の時間などで教科横断的な取り組みに拡張するため、ESDカレンダーを作成している。また、それらの活動の一端を毎年教育研究会で授業公開している。
来年度の活動計画
新年度もESDカレンダーに沿って、学校カリキュラム全体でESDに取り組むホールスクールアプローチを進めていきたいと考えているが、働き方改革の流れを受け、行事の精選や内容のスリム化も視野に入れて、従前のESDカレンダーの改定を急ぎたい。またSDGsの啓発的な取り組みだけでなく、その実現に向けた本校なりの取り組みを模索したいと考えている。