2020年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

世界遺産・地域の文化財等

2020年度活動報告
活動分野:世界遺産・地域の文化財等
本校は、世界遺産学習を教育課程に位置付け、低学年より系統的な学習を積み重ねてきた。本校の近隣には、世界遺産「古都奈良の文化財」に含まれる元興寺や興福寺がある。それを活かし、地域に残る「人・もの・こと」を題材として生活科や総合的な学習の時間を中心に世界遺産学習を展開した。
1・2年生の生活科において、済美のまちのよさを感じ、そこに住む人たちのやさしさに触れることで『済美のまちに親しむ』。さらに、3年生では、校区の様子や奈良町について学習をし、4年生では、四季を通じて、『済美のまち・奈良のまちを見つめる』。そして、5年生では、世界遺産見学や世界遺産を守るためにできることを考える学習を行い、6年生で歴史学習をふまえた地域の遺産を探る学習などを通して『済美のまち・奈良のまちについて考える』。
このように、低学年から、空間も内容も同心円的な広がりをもって地域について学び続けるカリキュラムをつくっている。
1.『済美のまちに親しむ』学習
1年生では、校内や校庭を散歩して「わたしの学校」のよさを感じとった。奈良公園へ行き、大仏殿を見学し、「わたしのなら」のすばらしさに気付き、「なかよしさんぽ」を積み重ねていく中で、子どもたちは、『ひと・もの・しぜん』となかよくなって、自分の生活を楽しくしていく力を付けてきている。
2年生になると、身近な「せいびの町のすてきなところ」を町探検をした。場所を見るだけでなく、「人」に意識を向けインタビューをした。これらの活動を通して、せいびの町にはすばらしい場所やすてきな人がいっぱいいることを知り、せいびの町をより好きになった。
2.『済美のまち・奈良のまちを見つめる』。
3年生の社会科の学習で済美の校区探検をし、せいびの町と奈良市の他の地域との歴史を比較し、せいびの町の歴史的価値について考えた。おん祭りの学習では、ゲストティーチャーの話を聞き、素晴らしい伝統的な祭りであることやこれからも続けてほしいという願いを持つことができた。
4年生では、今年度は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、奈良公園での自然観察が難しいので、ゲストティーチャーにより、自然について写真等を見ながら講義を聞いた。その後、鹿に学習のテーマを絞り、タブレットを用いた調べ学習を行い、交流し合った。秋には奈良公園を訪れ、鹿の様子や人と鹿との関わり方を実際に目にすることができた。鹿に関する学習を通して、鹿も人と変わらずに命があり、昔から大切にされてきたことを知り、鹿だけが我慢することのないように、できることを自分たちで考えて鹿のためにしていきたいという思いを持つことができた。
3.『済美のまち・奈良のまちについて考える』。
5年生の古都奈良の文化財の魅力を伝える学習では、済美小学校の近くにある
「旧JR奈良駅舎」も世界遺産と同じような流れで残った建物だと知り、その歴史や保存に関わった人々について調査活動を行った。次に、身近にある魅力を感じる「奈良のもの」についてプレゼンテーション資料を作成し、感じた魅力を交流した。自分たちが暮らす奈良には素晴らしいものが数多くあることを実感することができた。
6年生では、江戸時代、奈良の観光名所として知られていた南都八景をもとに、未来に残したい美しい奈良の風景として「新南都八景」の選定を行った。自分たちの知っている奈良の名所を選んで調べ、そのよさをプレゼンテーションし合った。様々な人が思う奈良の美しい風景を調べることで、今まで知らなかった新たな魅力を発見することができた。また、プレゼン資料を作ることで、その場所への愛着をより深く持つことができた。

来年度の活動計画

来年度の活動計画
1年なかよしさんぽ(生活科) 隣接する幼稚園とも連携し、校区や奈良公園へ出かけ、四季の移り変わりを感じる。
2年わくわくさんぽ せいびの町(生活科) 身近な地域の施設や店などを探検し、そこで働く人達に話を聞いて地域の人と触れ合う。
3年もっと知ろうよ せいびの町を(社会科・総合) 校区には、多くの観光客が訪れる奈良町があることを知り、それらのよさを理解する。
4年奈良公園のひみつをさぐろう(理科・総合) 四季にわたって奈良公園を訪れ、その自然の不思議さや奈良の鹿について観察や調査をする。
5年奈良の世界遺産を守るということは(総合)世界遺産などの多くの奈良の文化財を次の世代へ残し繋いでいく主体は、自分たちであることに気付く。
6年未来に残したい美しい奈良の風景を見つけよう(社会・総合)江戸時代にあった「南都八景」を調べることから現代の「新南都八景」を選定し広く発信していく。