2022年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 福祉, 持続可能な生産と消費

本校は、「ふるさとを愛し、心豊かにたくましく生きる子供の育成」を学校教育目標としている。地域の伝統文化を受け継ぐ人たちからの学び、五箇山地方の豊かな自然における学び、地域の高齢者との関わりにおける学び、地域産物の持続的な活用についての学び等のESDに関わる学びを通して、目標に向け取り組んできた。

 

①地域の伝統文化の継承を図る取組

全校児童が地域に伝わる民謡を受け継いでいる。校区には国の無形文化財に選定されている「こきりこ」「麦屋節」等30曲もの民謡が伝承されている。各民謡保存会の協力を得て、子供たちは演奏や踊りについて指導を受け、運動会や学習発表会において発表を行った。民謡の伝承活動によって、伝統芸能を継承してきた地域の方々に対する敬意、ふるさとへの愛着をより高めた。

②地域の自然環境について理解を深める取組

中学年は、総合的な学習の時間において「五箇山の自然のじまん」について知る活動を行った。子供たちは校区を流れる庄川と、周囲の森林を「じまん」と捉え、地域の方を講師に招いて話を聞いたり谷川や森で生物観察をしたりしながら、「他の地域の森や川との違いは何か」「何をもって『じまん』とするか」を根拠と共に考えた。自分たちの住む自然環境の豊かさ、それが育む生物の多様さについて様々な視点から捉える機会となった。

 

③地域の高齢者との交流から共生社会について考える取組

6年生は、総合的な学習の時間において「共に生きる」をテーマに地域で生きる自分のあり方について考える学習に取り組んだ。校区にあるデイサービスセンターの高齢者との交流を何度も重ねることを通して、「共に生きる」とは相手の気持ちを理解することやお互いに尊重することの大切さであると考え始めた。また、7回の交流を通して「共に生きる」ことについて繰り返し考え、まとめ、友達と交流する活動を行ったことで自分の生き方をしっかり見つけることができた。

 

④地域産業の持続可能な活用について知る取組

5年生は、総合的な学習の時間において地域に根付く産業を取材した。①イワナの養殖業では庄川水系の清浄さの維持や放流による個体数の管理が不可欠なこと、②酒造業では販売によって利益を挙げなければ地域で受け継がれる産業を守れないこと、③和紙工業では毎年刈り取ることができるコウゾを原料とすることが安定した製造と自然の保全につながること、①②③を通して地域産業が将来を見据えた持続性を意識していることを深く学んだ。

来年度の活動計画

本校はいくつかの教科でA年度・B年度の内容を設定し、低・中・高で多様な分野の学習に取り組んでいる。来年度は以下の内容を中心に、ESDに関わる学びを続けていく。

低学年 植物の観察や栽培についての学習

地域の人やものと関わる学習

中学年 地域の昔の生活についての学習

民謡の継承

高学年 地域の活性化に関わる取組についての学習

地域の食文化についての学習

民謡の継承

また、11月には研究発表会を開催し、南砺市内及び近隣の小・中・義務教育学校に本校の取組を紹介し、交流を図ることも予定している。