- にんていこどもえんななつまつようちえん
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認定こども園七松幼稚園
- Nanatsumatsu Youchien (Integrated Centers for Early Childhood Education and Care)
- 種別幼稚園または幼保連携型認定こども園 地区近畿地区
- 主な活動分野平和, グローバル・シチズンシップ教育(GCED)
所在地 | 〒660-0052 尼崎市七松町2-27-20 |
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電話番号 | 06-6418-6732 |
ホームページ | http://nanatsumatsu.com/ |
加盟年 | - |
2024年度活動報告
生物多様性, 減災・防災, 環境, 文化多様性, 国際理解, 平和, 人権, 福祉, 持続可能な生産と消費, 健康, 食育
本園では、「出会いに感謝し、笑顔で『和』を広げる」を法人基本理念として、ユネスコスクールSDGsアシストプロジェクトを活用し、大阪・関西万博「TEAM EXPO2025」共創チャレンジの取り組みを通して、本園が重点的に取り組む以下の4つの分野を通して、ひと、もの、ことを大切にするという力の育成を目標とした。また、大阪・関西ASPnetに参加して情報交換をしている。
他にも、昨年度の本園での取り組みを第15回幼児教育実践学会、「第6回ひょうごユースecoフォーラム」にてポスター展示発表、ひょうごSDGsスクールアワード2024では優秀賞を受賞、環境省「令和6年度環境教育・ESD実践動画100選」の選出を受けた。これらの内容については、HP上に掲載され、情報発信している。
・ひょうごSDGsスクールアワード2024
・環境省「令和6年度環境教育・ESD実践動画100選」
http://eco.env.go.jp/jissendoga/kokai/
①「異文化学習および文化の多様性」の国際デーの取り組み
国際デーの中で『世界環境デー・国際防災デー・国際寛容デー』への取り組みを行った。それぞれの記念日で子ども達と何が出来るかを考え、意見を出し合ったり他学年との交流を行ったりしながら世界平和や人権への意識を持つきっかけに繋がった。
・世界環境デー
保育者が地球に優しい取り組みとはどのようなことか、子ども達に劇を通して伝え、子ども達同士で考える機会を設けた。
・国際防災デー
5歳児の子ども達がクラスのみんなで防災について話し合い、他のクラスや保護者の人に知ってもらう為に、国際防災デーポスターを作り、園内に掲示した。自信や火災になどの自然災害がなぜ起きるのか、自然災害が起きないために、起きたときはどうすればいいのかを話し合った。
・国際寛容デー
保育者や友達と手を繫ぎ、フォークダンスを通して世界のダンスや音楽に親しみ、他国への文化を受け止めるきっかけとなった。
第15期ユネスコスクールSDGsアシストプロジェクトの実施内容
②【食育活動】
5月、枝豆を育てる事になり、枝豆の苗を植えた。初めは、保育者の声掛けのもと、観察をしていた子ども達だが、次第に枝豆の成長に興味を持ち始め、進んで水やりをしたり、観察をしたりする姿が見られるようになってきた。また、子ども達から枝豆の観察記録を作りたいという声があがり、毎週決まった曜日に写真を撮り、記録を書いていた。その中で、子ども達から「葉っぱが破れてる」という気付きがあった。原因を話し合うと、幼稚園で飼っているニワトリが、葉っぱを食べているということが分かった。そこで、さらに話し合いをすると、「網があったら食べないよね」という意見があがり、網を付ける事になった。網を付けたことで、葉っぱを食べられることがなくなり、順調に成長した。その後、沢山の枝豆が実り、張り切って収穫することが出来た。収穫した枝豆を塩ゆでにして食べたが、いつもは野菜に苦手意識がある子どもも、自分達で育てた事で、「おいしい!」と進んで食べる姿が見られた。
また、尼崎市農政課から、尼崎産のサツマイモ(あまいも)の苗をいただき、園内の畑で育て、収穫した。子ども達から、「サツマイモチップスにして食べたい」との声があり、サツマイモチップスにして食べた。
③【蚕との出会い】
5月。蚕が卵から生まれ飼育が始まった。昨年度の年長組の子ども達が蚕を育てている姿を見ていたことから、進級当初から蚕を育てたいという声があり、蚕の卵が届いた時には喜ぶ姿が見られた。その日から、毎朝登園すると蚕を観察し興味を持つ姿が見られた。初めは、蚕が食べる桑の葉を保育者が用意していたが、子ども達は自分達で桑の葉を取りに行き、世話をするようになった。蚕が成長し少しずつ大きくなると蚕に話しかけるようになったり触ったりし、愛でるようになる。
【蚕の病院】
世話をする中で、病気になってしまう蚕や、葉を上手に食べることができず他の蚕よりも小さい蚕を見つけると、「かいこのびょういん」を作り、子ども達が蚕の病院で別に世話をするようになった。
ある朝、いつものように新しい桑の葉を入れ替え世話をしていると、病気の蚕が死んでいることに気付く。子ども達は、小さなカップにティッシュを入れて、その中に死んでしまった蚕をおいた。その日、クラスの子ども達が全員登園してから園庭の花壇へ埋めに行きお墓を作った。その日から、定期的に子ども達は蚕のお墓に手を合わせに行くようになった。
【蚕の繭作り】
子ども達は蚕の世話を続けているうちに変化に気づきだす。「あ、蚕糸はいてるわ。そろそろ繭作り出すで」と友達同士で会話をしていた。子ども達は、3歳児から蚕に触れあっていたことと、蚕の図鑑で蚕のことを調べていたので、蚕のことをよく理解しており、蚕の変化に慌てる様子はなかった。
蚕が繭を作り出すようになると、触らずじっと見守るようになる。年下の子どもにも、「糸はきだしたらもう触ったらあかんで」と優しく教えてあげる姿が見られた。
全ての蚕が繭を作り、しばらくすると、繭から蚕蛾が生まれた。子ども達は、蚕が蛾になったことを喜び、蚕蛾が生んだ卵からまた新たに蚕が生まれてくる日を楽しみに待っている。
【蚕の繭で布団作り】
だんだん寒くなってきた頃、6月に尼崎市環境部の木育事業として、木の人形をいただいた。子ども達は木の人形「モーリー」を可愛がっている。そこで、モーリーの布団がいるという意見があった。繭から糸ができることを蚕の図鑑を見て知っていた子ども達は、蚕の繭でモーリーの布団を作ってあげよう!と言い、蚕の繭で布団作りをした。
色水遊びをしている際に、タオルにも色がつくことに気付いた子ども達は、蚕の繭にも色を付けると染まるのではないかと考えた。そこで、色水で蚕の繭を染めた。
【蚕のお墓参り】
蚕の繭を使って布団作りをしていると、繭から死んでいる蛹の蚕が出てくると、それが蛹になった蚕で、もう死んでしまっていることを知ると、蚕のお墓に一緒に埋めてあげようと言い、蚕のお墓に埋めた。その日から、毎日繭から蛹が出てくると、埋めに行きお墓に手を合わせている。
④【地域の人への恩返し活動へ発展】
地域の方から、七夕飾りの笹をいただきに行ったり、どんぐりを譲っていただいたりする中で、子ども達はお礼の手紙を書き、感謝の気持ちを伝える姿が多く見られるようになった。食育活動を行う中で、沢山の量があることから「地域の方におすそ分けをして、恩返しをしたらいいんちゃう?」という子どもの声があった。しかし、食品は衛生上心配なことがあった為、今回は取り組みが難しかった。来年度の課題として、引き続き挑戦していきたい。
来年度の活動計画
今年度の活動をより深く、次年度へと繋げていきたいと思っている。
【生命の尊さを知る】
・蚕の飼育、繭から糸繰りをし、また植栽体験と繋げて物作りへと発展する過程の中で、蚕や植物の命をいただいて様々な物ができていることを知り、物を大切に扱うことの大切さを学ぶ。
【地域とのパートナーシップ】
・子ども達自身が、地域の方との交流をする中で、支えられていることを知り、感謝の気持ちを持ち伝えようとする。子ども達にとって地域の方々が身近な存在であると気づく。