2019年度活動報告

本年度の活動内容

当校は、「自ら学び・考え・行動し、人とつながる力を持った子どもの育成」を学校教育目標として、ＥＳＤを地域の人、地域の自然との「かかわり」「つながり」の核と捉え、ＥＳＤの実践を通して思考力・判断力・発信力の育成を目標とした。具体的には、「つながりの中で七里に愛着を持ち、夢を持とう」を活動テーマに、①食に係わる学習、②環境に係わる学習、③福祉に係わる学習、④防災に係わる学習を行った。
①　食に係わる活動
栄養教諭による食育の授業や、日々の給食指導に合わせての食育指導などを行ってきた。また、学校農園での栽培活動やコンテナを利用した生姜づくりも実施した。食育の授業においては、自分たちが生きるための食物が、他の命をいただいていることなどを学習してきた。また、地域の食生活改善グループの方たちの協力を得て、朝食作りの体験活動を通して、食の大切さなどを学んだ。
②　環境に係わる活動
2・3年生が、生活科及び総合的な学習の時間において「田んぼの生きもの調査」の学習を行い、身近な自然環境の中に多様な生物が生きていることを学び、自分たちもその中で生きていることを学んだ。４年生では、総合的な学習の時間において、四万十川財団の協力による四万十川の水生生物調査、トンボ自然公園の協力によるメダカビオトープ作りを行い、自然環境の保全について学習してきた。また、環境委員会を中心に年間を通じて地域の協力を得てアルミ缶回収を行った。
③　福祉に係わる活動
５年生の総合的な学習の時間では、「福祉」をテーマに取り組んだ。高齢者疑似体験や車いす体験、高齢者との交流を行った。これらの体験学習を通して、高齢化が進む地域において何ができるか、誰もが豊かな暮らしを送るためには何が必要かなどを学習した。さらに、アルミ缶回収での収益をもとに、七里地区自主防災組織に災害時利用のための車いすを1台寄贈した。
④　防災に係わる活動
6年生は、「命・防災」をテーマに取り組んだ。七里地区の過去の災害について地域への聞き取りをしたり、地域の方から戦争体験を伺ったりして地域の状況を知るよい学習となった。また、町内で津波に備えた学習に力を入れている小学校と「海・山の防災交流学習会」を2回実施した。3学期には、自主防災組織と連携した登校時避難訓練を実施する予定である。
⑤　その他
高知大学の国際協力を目指す学生サークル「国際茶屋」と共催した国際交流地区民運動会や「世界の料理教室」（5月）、「スポーツ交流会」（12月）を通して外国の文化に触れ、交流・体験を深めることができた。

来年度の活動計画

4月に年間計画、ＥＳＤカレンダーを作成し、ゲストティーチャーの依頼、具体的取組、まとめ・発信の方法、評価について決定する。
「食育」については、芋の栽培、コンテナ生姜づくり、収穫祭を活動の柱とする。「環境」については、田んぼや川の生きもの調査、四万十川に関する学習を柱とし、お米作りを行う。「福祉」については、高齢者体験や社会福祉施設訪問を柱とし、地域に呼びかけてアルミ缶回収を行う。「防災」については、地震、土砂災害の学習を柱とする。また、自主防組織と連携した避難所運営についても、自分たちにできることを体験する学習も進める。
学習したことについては、学習発表会や「学校だより」を通じて地域へ発信する予定である。