2020年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 減災・防災, 気候変動, エネルギー, 環境, 文化多様性, 世界遺産・地域の文化財等, 国際理解, 平和, 人権, ジェンダー平等, 持続可能な生産と消費, 貧困

本校は、6年間中高一貫教育の中で、「持続可能な明るい社会を担うグローバルエリートの育成」を目標に掲げ、SDGsについての理解を毎日の学校生活で深めながら、グローバルリーダーに必要な意識の醸成を図っている。今年度はコロナ禍により例年通りの国際教育とはいかなかったものの、学校内外でのさまざまな活動を行うことができた。

具体的には、本校の教育方針の三本柱である、「人間教育」「科学教育」「国際教育」を中心に、①国際理解に係わる活動、②日本、世界の文化理解に係わる教育、③SDGsの理解に係わる学習、④ジェンダー平等に係わる活動を行った。

① 国際理解に係わる活動

初の試みとして、ニュージーランドの短期留学交流校に、一年間の長期留学生を送る事業を始めた。本校4年次生(高校1年生)の3名が、2020年1月から1年間の留学を終え帰国した。慣れない異国での生活の中、新型コロナウイルスによるロックダウンを乗り越え、英語の習得だけでなく、未知の文化に対する理解も深めた。4年次生は、毎年ニュージーランドでの2週間の海外語学研修を行っているが、今年度はコロナ禍のため実施することができなかった。このような生徒たちにとって彼らの経験はとても貴重であり、よい効果を生み出している。

また、12月にアメリカからの留学生を迎えた。本来なら4月から来日予定だったが、新型コロナウイルスの影響で来日が延期になり、11月末に来日、AFS日本協会による2週間の隔離を終え、陰性を確認後、日本での留学生活をスタートさせた。

コロナ禍により例年通りの国際理解教育が実施できない中、生徒に多大な波及効果が見られた。

② 日本、世界の文化理解に係わる教育

中学2年次生は、福島県のブリティッシュヒルズで国内語学研修を行った。中世イギリス風の建築物に囲まれながら、日本語禁止の環境の中、ネイティブ講師によるさまざまなワークショップに参加するとともに、イギリス風の生活体験をし、貴重な学習と体験の機会を満喫して、楽しみながら英語を学ぶことができた。

中学3年次生の修学旅行では、宮城・岩手へ行き、東北震災研修を行った。「震災復興祈念公園」を訪れ、被災地の現実とそこに住む方々の思いに触れる貴重な体験をすることができた。平和と日ごろからの防災に対する備えの大切さを知る機会を震災体験から学ぶとともに、欧州においては歴史と伝統を守っていくことの大切さを学ぶことができた。

③ SDGsの理解に係わる学習

本校は各クラスにSDGsの17のゴール一覧と各ゴールのパネルを両面日英版で設置してある。総合的な学習の時間では、探究学習の一環として「30年後の未来を創る」というテーマのもと、各目標をもとに考える授業を行った。このほか、社会科、英語科などの授業においても日常的にSDGsと結び付けて授業を行うことで生徒も常に意識することができている。

④ ジェンダー平等に係わる活動

日本が世界で最も遅れを取っている「ジェンダー平等」について、生徒たちの中に受け入れる教育環境を整えることが目標である。そのための一つとして、本校では制服についての選択権があり、自然な形で生徒たちに受け入れる環境が整いつつある。

来年度の活動計画

① 国際教育の最先端を行く本校として、これまでさまざまな異文化体験の機会を設けてきたが、今年度はコロナ禍の影響で実施できなかった活動も多くあった。ニュージーランドの姉妹校・交流校、地元の企業や大学との連携や、本校の整備されたICT環境、SSH指定校といったさまざまな強みを生かし、異文化理解学習をさらに進めていきたい。

② 本校の後期生(高校生)は、「課題探究」を3年間行い、「1人1探究」をテーマに研究論文作成、校内発表会(ポスター発表)を実施している。週1回のゼミ活動の中に、SDGsの達成目標を融合させることで生徒の意識を高めていきたい。