| 所在地 | 〒464-8533 名古屋市千種区北千種3-1-37 |
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| 電話番号 | 052-721-0161 |
| ホームページ | https://ichimura.ed.jp/ |
| 加盟年 | 2022 |
2025年度活動報告
世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 国際理解, 平和, 人権, ジェンダー平等, 貧困, グローバル・シチズンシップ教育(GCED)
本校は、建学の精神である「一に人物,二に伎倆」を体得するために,文部科学省の学習指導要領が示す「主体的・対話的で深い学び」および「持続可能な社会の創り手の育成」の理念、ユネスコ憲章の理念を踏まえ,ユネスコスクールが重点的に取り組む3つの分野(①地球市民および平和と非暴力の文化,②持続可能な開発および持続可能なライフスタイル,③異文化学習および文化の多様性と文化遺産の尊重)を学校経営計画に掲げ,教育活動を実践している。
教育課程においては,公民科「公共」を中核に,学習指導要領に示された「現代社会の諸課題を自らの課題として捉え,解決に向けて考察・判断・表現する力」の育成を目的として,学校設定科目「ユネスコゼミ(高2および高3設定科目)」を開講している。
また,校務分掌としてユネスコ平和教育推進部を配置するとともに,教員による「ユネスコスクール委員会」および生徒主体の「ユネスコ委員会」を設置し,学校全体でESDを推進する体制を構築している。
生徒ユネスコ委員会およびSDGs有志活動のメンバーは,企業,国際機関(UNHCR・UNRWA),現地NPO,専門家などから現地の状況や課題について学び,「公正でより平和な社会の実現にむけて」変容を促す課題解決型の体験活動を通して、多様な文化や価値観を尊重(多様性)する視点、一人ひとりを大切にし、世代間や地域間の平等を実現(公平性)する視点、将来世代にわたる責任を持って行動(責任性)する視点を養うプログラムを継続的に実施している。
これらの活動は,学習指導要領に基づく探究的な学習および社会参画を重視した学びと一致しており,生徒の学びが教室内にとどまらず,社会に開かれた学習として展開されている点に特徴がある。また,生徒たちの活動は国境を越え,国内外の高校とパートナーシップ協定を結んだ協働活動へと広がっている。
本年度は,地球市民活動として,以下を実施した。
①-1 戦争や紛争から自国を逃れた難民女性の経済的自立を助ける活動
①-2 戦争や紛争を起因としているカンボジアの貧困地域の子どもたちを支援する活動
①-3 難民の子どもたちへ服を届ける活動
②-1 ヨルダンのシリア・パレスチナ難民女性とのフェアトレード活動
②-2 JICA国際協力エッセイコンテスト
③-1 台湾の高校生とのオンライン交流会および対面による共創国際支援活動報告会
③-2 国内外の学校とパートナーシップ協定を結び、国際貢献活動を実施
特に支援活動にあたっては,「現地の状況を知ること」を最重点とし,企業,国際機関,現地NPOなどの専門家によるオンライン学習会を実施した。これら一連の活動を「平和の架け橋プロジェクト」と名付けて実施し,本校の取り組みは,ユネスコ/日本ESD賞(国内選考案件),文部科学省EDU-PORTニッポン応援プロジェクト、ESD大賞優秀賞(団体・個人)に選出された。
①-1戦争や紛争から自国を逃れた難民(女性および子どもたち)について学び、助ける活動
2023年11月以降のガザ情勢を含め,これまでの紛争によって自国を追われたパレスチナ難民の状況を学ぶため,次の活動を行った。
1.「世界難民の日」の活動として,国連UNHCR協会および企業関係者から,難民の現状や国際社会における課題について,オンラインおよび対面による学習会を実施した。
2.ガザ地区および周辺地域で活動する国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の関係者から,UNRWAが運営する難民学校における教育の状況や子どもたちの生活についてオンラインで話を伺った。教育を継続することの重要性と難民学校支援の意義について学んだ。あわせて,募金活動や啓発活動を通じたUNRWA難民学校支援を実施した。
3.ヨルダンに逃れているガザ出身の学生たちとオンライン交流を行い,紛争下においても学び続けることの意味や教育の果たす役割について意見を交わした。
4.ヨルダンに逃れているパレスチナ難民キャンプを表敬訪問し、学生たちからのけん玉をプレゼントし、対談と文化交流会を実施した。
5.10月に開催されたSDGs Aichi Expo 2025では,UNRWA難民学校支援を含む難民支援の現状を広く伝えるためにブースを出展し,高校生が来場者に対して,難民学校支援の必要性や自らの学びについて説明した。

野口昇先生を講師に迎えてユネスコスクール全国大会で「ユネスコって何?」を開催
①-2戦争や紛争を起因としているカンボジア貧困地域の子どもたちを支援する活動
現地NPOおよびJICAカンボジア協力隊員と協力し,カンボジアの幼稚園および小学校における教育環境と衛生環境の改善を目的とした活動を行った。
本校の生徒に呼びかけ,使用していない文房具や子ども服を集めて現地へ寄贈したほか,遊具が設置されていない小学校のために,文化祭や地域行事においてチャリティ活動を実施した。
1.チャリティ活動(綿菓子販売・茶菓子販売)を4月・7月・9月・10月・11月に実施し,その収益金を支援団体へ寄贈した。
2.昨年度の収益金はカンボジアのNPOへ寄付し,今年度の収益金は来年度の支援活動に活用する予定である。
3.カンボジアの歴史と現状を学ぶため,トゥールスレン虐殺博物館を教員が訪問し、現地と連携したオンライン学習会を実施した。

日本とカンボジアを結んだ中継学習会
①-3難民のこどもへ服を届ける活動
難民支援に取り組む国連UNHCR企業と協力し,子ども服を集める活動を実施した。本校の国内外のパートナー協定校も参加する特別プロジェクトとして実施し、台湾と共同実施した。
ユネスコ委員会が中心となり,校内放送やポスター作成,文化祭を活用して全校に呼びかけ,段ボール15箱分の子ども服を集める活動を通して、ユネスコ憲章の理念「心の中に平和の砦を築く」国際支援実践教育活動に取り組んだ。
1.難民の子どもたちの状況について,企業と協力した学習会を実施した。
2.各クラスのユネスコ委員がポスターを作成し,教室で呼びかけを行った。
3.約60種類のポスターを文化祭企画として掲示した。
②-1ヨルダンのシリア難民女性とのフェアトレード活動
ヨルダンの難民キャンプで難民女性を支援しているJICA関係者やNGOと協働し,フェアトレード活動を実施した。難民女性の持続可能な経済的自立を目指し,難民女性が制作した製品を正当な価格で販売できるよう,校内およびSDGs EXPO Aichiにおいてチャリティ販売を行った。2025年度は約50万円分(昨年度もほぼ同額)の購入実績があり,難民女性の経済的自立支援につなげる活動を通して、国内外の心をつなぐ活動を通して、学習者の心を育むことができた。
②-2 JICA国際協力エッセイコンテスト
JICA国際協力エッセイコンテストを,公民科「公共」,「時事問題」,学校設定科目「市邨ゼミ(ユネスコ)」において実施し,高校生約500名が国際課題について考え,文章にまとめた。
1.特別学校賞および個人賞(JICA中部センター所長賞・佳作)を受賞した。
③-1台湾の高校生とのオンライン交流会および対面による活動報告会
海外の高校生との交流会を実施し,互いの文化や学びを共有することを通して,かけがえのない地球に生きる「地球市民」としての意識を育むことを目的とした。
1.昨年度末(3月)に台湾のパートナー校を訪問し,共創国際支援活動報告会,文化交流会,地域探究活動,フィールドワークなどを実施した。
2.8月には越谷北高校と協働し,難民問題やカンボジアの歴史を学ぶ学習会を共同開催した。
3.3月中旬に再度台湾を訪問し,姉妹校提携の調印式および共創国際支援活動報告会,探究活動ポスターセッション,文化交流会,フィールドワークを実施する。
4.来年度(6月)には,台湾の高校生が来日し,共創国際支援活動報告会および文化交流会,フィールドワークを実施する。

台湾の高校生と高雄湾をクルーズ
③-2国内外の学校とパートナーシップ協定を結び、国際貢献活動を実施
埼玉県および台湾の高校とパートナーシップ協定を締結し,「心の中に平和のとりで」を築くことを目標に,協力して国際貢献活動を実施した。今年度は,新たに韓国の学校とも連携し,国境を越えた協働によるESDを推進した。
来年度の活動計画
来年度も引き続き,以下の活動を実施する予定である。
① 戦争や紛争,貧困で苦しんでいる子ども支援(カンボジア・パレスチナ学校支援)
② 戦争や紛争を起因とした貧困に苦しんでいる人々の支援(シリア・パレスチナ難民女性支援)
③ 海外の高校生との国際交流
④ 専門家や現地在住者等から、パートナーシップで現地の状況を学ぶ探究活動
⑤ より多くの学校と協力関係を築き,国際平和貢献活動を実施する。
