2019年度活動報告
本年度の活動内容
生物多様性, 減災・防災, 気候変動, エネルギー, 環境, 文化多様性, 国際理解, 人権, ジェンダー平等
本校は「ものづくりは人づくり」をテーマに掲げ、ものづくりを通じて、あるいは働くことを通じて社会に貢献することを大切にしています。そうした中で、ESDおよびSDGsに関する取り組みを意識的に日ごろの授業実践で行っています。SDGsのロゴを教員間で共有し、授業で使用するプリントや黒板に提示し、学校での学びが社会の課題解決につながっていることを伝えています。
その一方で外部講師を招聘したり、校外学習を活用したりするなどして、日ごろの学びを深めるための取り組みを行っています。以下に、2019年度の取組みの一部を紹介します。
【家庭科 ライフデザイン】
高齢者交流授業や赤ちゃん交流授業を毎年行い、異世代との出会いの場を提供しています。生徒は、これらの体験を通じて、自らのライフプランを過去・現在・未来の時間軸の中で、より具体的に思い描くようになっていきます。
【機械科】
社会貢献活動として、福祉協議会の車いすを定期的に無償で点検する活動を行っています。また、高齢化社会への理解を深めるために認知症をテーマに外部講師を招き、講演を行っていただいています。
【電子機械科 航空宇宙】
航空機産業で活躍してきた講師を外部よりお招きし、航空宇宙産業の最先端について学ぶ授業を行っています。また、校外学習として、航空機の工場見学や加工技術体験も行いました。産業の基盤と技術を学ぶことを大切にしている本校ならではの学校設定科目です。
【機械・電子機械・情報技術科 カウントダウンボード制作】
愛知県労働局産業人材育成課より技能五輪・アビリンピックで使用するカウントダウンボードの制作を依頼されました。三つの学科が協力して、デザイン・設計・制作までを行い、カウントダウンボードを完成させることができました。
【自動車科 デザインコース】
貧困や環境問題などの世界の課題解決を自動車のデザインから考えました。生徒それぞれが、解決したい課題を念頭に置きつつ、自動車のデザインを考えていく中で、社会と自分の好きなことが結びついていく経験をすることができました。
【社会科 時事問題研究】
毎時間、SDGsを問題設定の視点に据え、現代社会の多様な問題を生徒自身が考え、意見交換をする授業を行っています。また、実際にSDGsの活動に取り組んでいる企業人や若手議員をお招きしての意見交換も行いました。また、生徒自身が制服リユースプロジェクトを提案し、実施するにいたっています。
【社会科 地域研究】
名古屋都市センターや大学と提携して、地域の中小企業を訪問し、聞き書きとしてまとめました。生徒は地域とともに働く現場の経営者の話を直接聞くことにより、人とともに働くということが社会の課題解決への最初の一歩であることを理解しました。
【環境技術科 藤前干潟・南陽工場見学】
ユネスコスクールからの助成金を受けて、名古屋最後の干潟である藤前干潟と最新の技術を活用したゴミ処理場を訪問し、校外学習活動を行いました。名古屋の都市問題の現場の一つを訪れることによって、生徒は視野を広げることができました。
【電気科 発電所見学】
発電所の現場を見ることによって、東海地区の大工場地帯を支える電力供給のあり方について考える機会を設けています。電気の仕事に携わるということが、社会を支えるための責任ある仕事であることを生徒は理解していきます。
【電子機械科 医工連携】
藤田医科大学医療科学部臨床工学科の山崎氏と提携し、センサを用いた測定器具の制作を「課題研究」として行いました。
【環境技術科 保育園出前授業】
地域の保育園を訪問し、保育園児と一緒に牛乳パックから作る紙漉きや廃油を活用したキャンドル制作を行いました。本校の生徒たちは、好奇心いっぱいの子どもたちと上手にコミュニケーションをとりながら、ものづくりの楽しさを伝えようと頑張ってくれました。
上記以外にも校外学習や外部講師をお招きしたり、中学校や地域との交流の取り組みを積極的に行ったりすることで、ESDやSDGsの理念を体現できる「人づくり」をめざしています。
来年度の活動計画
今年度の取り組みを踏襲しつつ、授業実践の中でESDやSDGSの理念の実現を追求してい予定である。大まかな活動計画は以下の通りである。
4月 始業式講話 (ユネスコスクールの理念と本校の取組の紹介)
それぞれの授業でSDGsの紹介
5月 玉川まつり(地域行事に参加し、自らのものづくりと人とのかかわりを学ぶ)
6月 防災訓練と講話(防災教育の一環として3.11や南海トラフ地震への理解を深める)
7月 清掃ボランティア活動(学校周辺の清掃活動を行う)
サマースクールの実施(中学生を招き、本校のものづくりを生徒自身が紹介する)
8月 ドイツ派遣事業(ドイツの工業高校や工場見学、強制収容所やベルリンの壁などの見学を通じて、世界とものづくりへの知見を広げる)
9月 学校祭 (ものづくりの技術をいかして、地域の人と交流する)
10月 中学生体験入学(中学生を招き、生徒自身がものづくりを紹介する)
中川区民祭り(ものづくりを通じて地域との交流を深める)
11月 人権講話(デートDVなど年度によってテーマは異なるが人権に関するテーマで外部講師を招き、講演会を行う)
清掃ボランティア(学校周辺地域の清掃を行う)
12月 ドイツ派遣報告会(ドイツ派遣への参加者が学んだことを全校生徒へ還元する)
1月~3月 各学科まとめ 各学科報告会など
※以上の年間計画とは別に、各教科の教員が授業内容を工夫し、SDGsの理念に合わせて外部講師を招聘したり、校外学習を随時行う予定。