2019年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 気候変動, 環境, 文化多様性, 平和, 福祉, 持続可能な生産と消費

本校は、「一人一人が輝く永田台」を学校理念としている。本校のESDの特色は、ホールスクールアプローチである。ESDを教科のみに取り入れるのではなく、学校全体の教育活動における持続可能な教育への挑戦をしている。「大人も子どもも元気に」が合言葉だ。学校にとどまらず、保護者・地域の人々全てが子どもたちの成長に主体的に関わっている。最近では、高齢化が進み、未来に向けた新たなまちづくりを考え始めた。地域と行政と学校が一体となって、活性化を図るための取組を始めている。

具体的には、夢中になって学び続ける、関わり続けるという子どもの主体性を大切にし、①地域の持続可能性に係わる活動、②国際デーに係わる教育、③対話的な校内教職員研修を行った。

①地域の持続可能性に係わる活動
○永田みなみ台「ほっとサライ」プロジェクト〜地域の人の笑顔のために〜(SDGs8働きがいも経済成長も、SDGs11住み続けられるまちづくりを)
 本校近隣にある「南永田団地」は、高齢化や商店街の空き店舗増加による課題を抱えている。平成27年から「NPO法人永田みなみ台ほっとサライ」が開設され、開設当初から本校は関わりをもち、教職員だけでなく、子ども、PTAも会議に参加をしてきた。今年度は、空き店舗を利用した「カフェサロン」をオープンし、ランチやカフェタイムに営業をし、地域の憩いの場となった。本校では、6年生が地域の方と共にこの「ほっとサライ」の運営に携わっている。「ほっとサライ」で実際に働いたり、看板作りに取り組んだりしてきた。自分たちで大根を育て収穫、販売をし、その売り上げを「ほっとサライ」に寄付もしてきた。地域の人も子どもたちとの関わりで笑顔が増えた。一方で子どもたちにも充実感や自分が必要とされている自己肯定感の高まりも見られるようになった。この取り組みは、表彰されることにもなった。(主催:よこはま団地再生コンソーシアム)
○道の愛称プロジェクト(SDGs11住み続けられるまちづくりを、SDGs15陸の豊かさも守ろう)
 地域のつながりを大事にし、まちに愛着をもち続けるまちづくりのために、道の愛称プロジェクトが地域の力によって立ち上がった。地域、学校、行政が一体となって本プロジェクトに取り組んでいる。本校では、3年生が取り組んだ。社会科と学習をつなげ、地域の特性、地域の昔のくらしで学んだことを道の名前決定に役立てた。また、地域の会議にも参加をし、プレゼンを行った。地域を大事にする気持ちは高まり、地域の清掃活動にも取り組み、地球環境への影響についても考えるきっかけとなった。地域行事にも積極的に参加をする児童が増えている。学校の中のみならず、地域との関わりを実生活の中でももつことができるようになってきたことは、地域の持続可能性への一歩であると考える。
② 国際デーに係わる教育
 国際デーを通して、世界の現状や取り組みについて、分かりやすく掲示をして伝えながら、自分たちが身の回りでまずできることは何かを全校に問い続けてきた。司書教諭とも連携を取りながら関連する本を置き、立ち読みできるコーナーを作った。この取り組みから、ユネスコ給食委員会では、「食品フードロス」、ユネスコ運営委員会では、「ストローゼロ運動」「ハガキ寺子屋運動」の取組を行った。
③ 対話的な校内教職員研修
対話をすることの安心感は、子どもだけではなく、まずは大人から大切にしていく必要がある。校内研修では、テーマ(子どもの変容を中心)をもとに、具体的な子どもたちの姿で語り合うことを大切にしてきた。日頃の職員室の中でも、笑顔で子どもの姿を語り合う教職員は多い。

来年度の活動計画

○学校が子どもだけではなく、共同的な大人の学びの場の実現へ
 本校では、SDGsを教育課程の中に位置付けながらホールスクールアプローチの取組を目指している。そのためには、実際にはSDGsの取り組みがすでに、学校教育活動の中にあると気付くこと、さらに別のゴールのつながりや可能性を見出そうとすることである。意識を教師がもつことが大切であると考える。「問い」や対話を大切にしたワークショップで校内研修を重ねることで、共同的な大人の学びの場を実現し、そのような場から持続可能な学校づくりのアイデアが生まれてくることも期待したい。教師の変容が子どもへ、子どもの変容が身近な大人の変容へとつながっていくことが望まれる。