2019年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

減災・防災, 平和, 人権

 本校は、目指す生徒像を「新たな世界を創り出す子供」とし、ものごとの意味や本質を問い、納得解・最適解を求め続ける力を育むことを重視している。変化の激しい社会において、価値観の相違や利害の対立がもつ意味を問い直したり、起こっている問題の本質は何かを見極めたりする力が必要であり、このような力をESDを通して育成することを目標としている。

具体的には、文部科学省の研究開発学校指定を受けて設置した新領域「いのち」の中で、「生命」とその基盤となる「安全」を柱に、①地域の水害や震災等に関する防災学習、②地元長岡市と唯一地上戦が行われた沖縄を題材とした平和学習、③SDGsについての理解を深める学習を行った。

① 地域の水害や震災等に関する防災学習
 第1学年では防災学習を通して主に「安全」について学んだ。どのようにすれば災害による生命を脅かすリスクを軽減できるか、ウェブサイトや外部講師による講話、福島県を訪れての研修などを通して考えた。これらを通して「安全」を確保することが「生命」を守ることにつながることを学習した。

② 地元長岡と唯一地上戦が行われた沖縄を題材とした平和学習
 当校では第2学年に修学旅行で沖縄に行く。また地元長岡は長岡空襲を起源とした長岡花火でも有名である。そこで、第2学年で平和について学習し、平和に関する知見をどのように将来につないでいくかについて学習した。長岡空襲と沖縄戦について外部講師による講話や調べ学習とグループでの話し合い活動などを通して平和な世界についての思いを高めた。

③ SDGsついての理解を深める学習
 第3学年ではSDGsについてこれまで「いのち」で学習したことと関連付けて考えることから始め、SDGsにおける17の目標の中から特に興味があるものを選び、調べ学習を行った。また、SDGsについての取組を行っている企業を調べ、電話や電子メールのやり取りや企業訪問を行った。そしてこれまでの学習成果をまとめ、小学6年生に対してプレゼンテーションによる発表を行った。学習を通してSDGsについての理解を深めた。

来年度の活動計画

 新領域「いのち」の学習で「生命」とその基盤となる「安全」についての学習を深める。現在は「生命」か「安全」かのどちらか一方を学ぶ構成になっている単元が多いため、「生命」と「安全」をつなぐ単元構成の開発をしていく。また、生徒がより自分事として学習内容に対して切実感をもつことができるような指導の工夫を引き続き研究していく。以上の視点から単元構成や年間指導計画を見直し、反映させる。年間を通じて当該学年の生徒の問題意識がつながるよう配慮し、中学校3年間を見通した年間指導計画を完成させる。