2018年度活動報告
本年度の活動内容
環境, 国際理解, 平和, 人権, 福祉, 持続可能な生産と消費, 減災・防災, 世界遺産・地域の文化財等, 健康, 貧困
本校は、「社会に奉仕するための資質を養う」を学校理念の1つとしている。その理念に基づいた教育活動を行う上で、ESD(持続可能な開発のための教育)を重要な学びと考えている。ESDを本校における課題解決型探究学習の核と捉え、地域や国際社会の課題を自分のこととして考え、ESDの実践を行う中で、自分で考え、周りと協働し、主体的に行動することを通して、課題を解決に導く力を育成し、広く社会に奉仕する担い手を育むことを目標としている。具体的には、「社会とのかかわり・人とのつながり」を柱に、①地域の課題解決に係わる活動、②国際交流・異文化理解に係わる学習、③伝統文化に係わる学習を行った。
①地域の課題解決に係わる活動
(1)フードドライブの実施
文化祭において、3年生のクラス企画としてフードドライブを実施した。生徒、保護者、近隣の住民などから総件数1,129点、総重量242kgもの食料を寄贈していただいた。クラスでのおにぎり販売収益7,752円とともにフードバンク信州へ届ける活動を行った。まだ安全に食べられるにもかかわらず、捨てられてしまう食料を集め、支援を必要としている方に提供するフードバンク活動に参加することで、「持続可能な生産と消費」、「貧困」、「人権・平和」等を考えるとともに、共生社会の必要性についても認識することができた。
(2)地域と連携した活動
・スポーツレストラン
スポーツレストランとは、体育の受講生徒が店員となり、様々なニュースポーツをメニューとして、地域の皆様にスポーツを楽しんでいただけるように公開している授業。今年度は毎回10~20人の高齢者、女性など、いろいろな年齢層の方々が集まり、生徒とともにニュースポーツを行った。メニューはソフトバレーボール・ボーリング・ペタンク・ターゲットバードゴルフ・ピックルボール・バドミントン・卓球などである。
・地域の方々と一緒に行う防災訓練
全校で防災訓練を実施するとともに、避難所となっている本校周辺に住む方々にも避難訓練に参加していただき、有事の際の行動の参考にしていただいた。
・ボランティア活動
本校は長野県の中でも北に位置し、降雪・積雪も多い。また、坂道のある高台に校舎があり、積雪時は自動車運行も苦慮する。積雪の際には、運動系クラブの生徒や職員が中心となって、近所の坂道や通学路で雪かき作業を行い、地域に貢献する活動を行っている。
開かれた学校づくりを行うとともに、地域について学び、地域が必要としていることを考え、行動に移すことで、社会に奉仕する心の育成につながっている。
②国際交流・異文化理解に係わる学習
・長野マラソン国際交流ブースボランティア
国際教養科1年生全員が、長野県観光部国際課のスタッフの皆さんとともに、ブース運営のボランティアに参加した。アメリカ、イギリス、オーストラリア、ベトナム、中国、韓国のブースで、各国のゲームや作業体験の手伝いを行った。来場者の子ども達や、長野県国際化協会のサンタ・プロジェクトの外国籍児童就学支援募金活動の参加など、多くの方々と交流した。
③伝統文化に係わる学習
・信州学による課題解決型探究学習
信州(長野県)の歴史、文化、伝統、地域のすがたや課題を再発見し、それらをさらに深く追及し、自らの知識で何ができるのか、地域とどう関わっていくのかを学ぶ活動を実践し1学年全体発表会を行う。SDGsに関連した発表を行った1グループは、信州ESDコンソーシアム成果発表会において、プレゼンテーションを行う。
来年度の活動計画
ユネスコスクール認定2年目となる今年度は、本校における課題解決型探究学習の核となるESDの構築に向けて、ユネスコスクール委員会を中心に、ESD推進ネットワーク全国フォーラム2018やユネスコスクール全国大会に参加し、本校におけるESDのあり方について検討してきた。
2018年3月、本校2年生が第8回ユネスコスクール国際交流プログラムに参加させていただき、その成果発表・報告会を全校生徒が聞くことで、生徒のユネスコスクールへの認識が高まり、自分たちに何ができるかを考え行動を始めている。
国際教養科を中心とした国際交流事業や、校内ですでに実施している様々な活動がESDであることを認識し、それらを有機的に結び付け、地域や様々な組織と連携しつつ、学校全体として組織的にESDの活動を実践していくことが平成31年度の活動計画である。