2020年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

環境, 文化多様性, 平和, 人権, 福祉, 持続可能な生産と消費, 健康, 食育, その他の関連分野

本校では、平成29年度から新学習指導要領を踏まえ、地球上で起きている様々な課題を解決することの重要性について児童が認識し、主体的・協働的に学び、行動するために必要な資質・能力を育むことをESDの重点として取り組んでいる。持続可能な社会の担い手になるためには、将来に渡って活用できる汎用的な知識・能力が求められる。しかし、個々に知識・能力が備わっていても、社会はチームで課題を解決する場であり、個人の力を結集し、地球全体で解決に向かうべき課題もたくさんあることも、児童はESDを通して知ることになる。こうしてESDを推進することで、自分が身に付けた力が将来的に社会に役立てられるという意欲を高められる上に、他者と協力して活動に取り組む姿勢を身に付けることとなると考えられる。具体的には、1,2年生が生活科、3~6年生が総合的な学習の時間、特別支援学級では生活単元と総合的な学習の時間で協働した学習活動に取り組んでいる。
<1年生>季節遊びを通し、1年間の4つの季節と様々な事象との関連を捉えたりする他に、友達と協働して遊びを工夫することで、友達と学ぶよさが分かり、社会も人との共生の上に成り立つことを理解できるようにした。
<2年生>野菜の栽培活動を通して、植物の成長と自然が関わっていることや、生命として循環していることを概念的な知識として蓄積し、1年生の朝顔と夏野菜、冬野菜の栽培のつながりや3年生からの理科の学習に生かせるようにしたり、植物とそれらを育てる自然環境を尊重して、大切にしたりする態度を育てた。
<3年生>自分たちが住む「町」をテーマに、町の課題であると考えた「コミュニティバス」の本数やルートを調査し、改善案を提案していく活動を行った。町の課題を解決するために行政や地域の人々と協働することができた。
<4年生>障がいのある人との関わりを繰り返し、地域に住む様々な立場の人と隔てなく接することができるようにした。また、自分が暮らす地域には、様々な立場の人の暮らしやすさを考えた工夫や努力があることに気付くとともに、疑問や課題点を見いだせるようになった。
<5年生>地域の「里山」をテーマに、里地里山の荒れが進行している要因を多面的に見てそれらを総合的に捉え、その保全のために何ができるか具体的に考えられた。里地里山の生物の多様性や生態系は保つのが難しく、有限性があることなども、根本的な概念としてもてている。
<6年生>学校林の自然環境を損なわないように開放することをテーマに、「他者との協働」による計画や活動が課題解決に結び付き、「自分一人の考えや力で活動しようとするのではなく、他者と協働すれば課題を解決しやすくできる。」という実感がもて、その結果将来にわたり持続可能な社会を構築できる概念的知識となるように活動を行った。
<特別支援学級>アレルギーをもつクラスメートも食べられるようなパン作りを全学年で行うことを通し、協働することで目標を達成することができるという自覚が生まれ、目標が達成できたことで子供たちが自分の特性を生かして人の役に立てるということを学ぶことができた。そのことで自立への意識が高まり、社会の中で生産的な仕事に関わっていこうとする意欲につながった。

来年度の活動計画

・今年度ESDの推進校として研究・発表をした成果を生かし、「主体性」、「協働的な学び」、「対話的な活動」など、児童に今年度付いた力をより伸ばせるように研究内容を設定する。
・今年度から児童向けにSDGsの17の目標を校内の何箇所かに掲示し、児童集会で「SDGs紹介集会」を行った結果、SDGsに関する理解が教員、児童に深まりつつあるため、それをより推進していくと共に、地域や保護者にとってもSDGsと学校教育のつながりが理解できるような活動を行いたい。