2018年度活動報告
本年度の活動内容
環境, 国際理解, 平和, 人権, 減災・防災, 世界遺産・地域の文化財等, 貧困
本校では、「地域歴史文化理解と異文化理解」を活動テーマとして、ESDを「地域や世界の人々が抱える問題や生き方を知り、自ら解決策を考え、自分ができることを積極的に行動に移すという3つの資質を身につける活動」と捉え、ESDの実践を通して未来に生きる想像力豊かな人間性の育成を目標とした。
具体的には、地域歴史文化理解、異文化理解を柱に、①天拝山登山、②ユネスコスクール講演会、③海外派遣研修、④地域歴史文化事業、⑤天拝小学校との交流事業、⑥ユニクロ主催「服のチカラプロジェクト」への参加、⑦ユネスコ協会連盟「世界寺子屋運動」への参加、⑧第10回ユネスコスクール全国大会 持続可能な開発のための教育(ESD)研究大会への参加、⑨海外修学旅行実施、⑩中国高校生との短期交流事業といった活動・学習を行った。
① 天拝山登山(4月1回、10月1回、3月1回 計3回実施)
10月は天拝小学校(5、6年生)と合同登山
天拝山は標高258m、照葉樹林に覆われた自然豊かな地域の里山である。また、地域の歴史・文化に関わりの深い「菅原道真」公ゆかりの山である。定期的に継続実施することで、心身を鍛錬するとともに、地域の歴史文化と四季の自然の美しさに親しむことを目的としている。
② ユネスコスクール講演会(7月、11月、3月 計3回実施)
本校では、ユネスコスクールに加盟して以降、各学期に1回の計3回のユネスコスクール講演会を実施している。国際理解、地域歴史文化理解、ユネスコ活動理解の3テーマで構成され、識者による校内講演会を開催することでユネスコスクール活動に対する生徒および職員の理解を深めることを目的としている。
第25回 演題:「災害派遣等における自衛隊の活動について」
講師:自衛隊小郡駐屯地第5施設団本部第1科長 畑生 幸信 氏
第26回 演題:「武蔵台生に望むこと~これからの時代に求められる資質・能力~」
講師:株式会社ウテナ事業開発部長 廣津 誠 氏
第27回 演題:「筑紫野地域および天拝山の歴史を考察する」
講師:日本経済大学経済学部経済学科 教授 竹川 克幸 氏
③ 海外派遣研修(7月~8月)
期日:平成30年7月26日(土)~8月10日(金)(16日間)
参加生徒数:8名 1年生6名(男子3名、女子3名)2年生2名(男子1名、女子1名
引率者:1名
英語圏の国でホームステイ並びに現地の学校に通学をすることによって異文化を体験し、また日本文化の紹介を通して、国際理解教育の推進を図ることを目的として実施した。今年度はオーストラリアの西オーストラリア州パース近郊を研修地として、16日間の日程で研修を行った。
④ 地域歴史文化事業(11月)
古代から宰都として地域の歴史と文化の中心地であった太宰府周辺で、歴史や文化を体験的に学習し、アジアに開かれた国際色豊かな地域の特徴を理解することで、郷土を愛する心を養うことを目的として実施した
期日:平成30年11月6日(火)
場所:太宰府市(大宰府政庁跡、戒壇院、観世音寺、太宰府天満宮、九州国立博物館)
⑤地域にある天拝小学校との交流事業
4月、9月、2月 合同挨拶運動
10月 合同天拝山登山
7月 サマースクール
⑥ユニクロ主催「服のチカラプロジェクト」への参加
ユニクロが行っている発展途上国への衣服の寄贈活動「“届けよう、服のチカラ”プロジェクト」への参加を通じて、ESDの基本的な考え方の「環境教育」および「国際理解教育」に資することを目的として実施した。1、2年生のユネスコ委員40名が全校生徒および保護者に古着の回収を呼びかけるポスターを制作し、6月の文化祭期間中および7月に回収活動を行った。
⑦ユネスコ協会連盟「ユネスコ世界寺子屋運動」への参加
公益社団法人日本ユネスコ協会連盟の主催する「寺子屋リーフレット制作プロジェクト」への参加を通じて、ESDの基本的な考え方「環境教育」および「国際理解教育」に資することを目的として実施した。1、2年生のユネスコ委員が寺子屋リーフレットの作成を行い、2学期末に全校生徒および保護者を対象として校内寺子屋リーフレット・コンテストを実施した。
⑧第10回ユネスコスクール全国大会 持続可能な開発のための教育(ESD)研究大会への参加
教員1名が参加
⑨海外修学旅行の実施
平成31年1月27日~1月31日、研修先:シンガポール、マレーシ
参加人数 2年生 19名
現地高校生との学校交流、ホームビジット体験、現地大学生との異文化交流、班別自主研修などを通して、協調性・協働性やコミュニケーション力を養うとともに、多様化・多極化が進む世界が抱える課題や地球人としての生き方を地球規模で考える機会とした。
⑩中国高校生との短期交流事業
平成30年12月10日に中国の江西省より高校生30名が来校した。本校の1、2年生との歓迎行事、生徒会やユネスコ委員との交流会、日本文化体験などを実施した。
来年度の活動計画
本校では、これまでの取組を整理して本校の特色化を図るために、平成30年度よりグランドデザイン(ブランドイメージ)を作成し、教育活動の中心としてユネスコスクール活動を位置付け、育成したい資質能力の一つに「持続可能な開発に関する価値観」を掲げている。次年度に向けては、その活動を精査し生徒への意識付けを深化させるよう計画を行う。また、平成31年度から実施される「総合的な探究の時間」を軸として地域歴史文化理解、異文化理解をさらに深めるよう、各活動内容の充実を図る。
さらに、17の持続可能な開発目標(SDGs)のうち、特に4つの視点の取組を本校のユネスコスクール活動の重点目標として継続させる。具体的には「4.質の高い教育をみんなに」、「16.平和と公正をすべての人に」については、服のチカラプロジェクトおよび、世界寺子屋運動への参加と活動内容の充実を通じての生徒の知見を広めることを目指す。「5.ジェンダー平等を実現しよう」については、平成30年度より男女混合名簿を導入しており、男女共同参画社会に向けた意識の向上を目指していく。「11.住み続けられるまちづくりを」では、地域歴史文化教育事業の充実、天拝小学校や地域の様々な行事等への参加を通して地域社会との連携および協働を目指す。