2022年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 減災・防災, 環境, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 国際理解, 平和, 健康

 

本校ではユネスコスクール活動を「地域や世界の人々が抱える問題や生き方を知り、自ら解決策を考え、自分ができることを積極的に行動に移すための活動」と捉え、ユネスコスクール活動の実践を通した「未来に生きる創造力豊かな人間性を持ち、勤労を重んじ、家族・社会を愛し、人類の平和と文化の発展に寄与する国民」の育成を目標としている。具体的には「国際理解教育と地域歴史文化教育」を柱として、総合的な探究の時間や委員会活動において、ユネスコが特に重視している3つの分野について学習を行った。

①地球市民教育、平和と非暴力の文化
全学年対象のユネスコ講演会では、施光恒氏(九州大学教授)からグローバル化を背景とした各国の政治及び経済の変遷について学び、国際理解について視座を高めることができた。2年生の総合的な探究の時間では、井本勝幸氏(日本経済大学教授、タイ在住)によるオンライン講演会を実施し、軍事政権下のミャンマーの現状について学んだ。日本経済大学とはその後も連携を重ね、国際政治学に関する特別講義にも課外活動として参加した。

②持続可能な開発と持続可能なライフスタイル
1年生の総合的な探究の時間では、防災をテーマに探究学習を行い、非常時における地域共同体の重要性を学んだ。2年生の総合的な探究の時間では、ワンヘルス(人の健康に関する課題を身近な生態系やマクロな地球システムとの相互作用として捉える考え方)をテーマに探究学習を行い、自然共生社会の実現に向けた具体的な行動目標を策定することができた。

③異文化学習、文化多様性及び文化遺産の理解・尊重
委員会活動では、リンデンホールスクール(太宰府市)主催の「ウクライナ平和サミット」に参加し、ウクライナ人の留学生と文化交流を行った。本校創立以来の伝統行事である天拝山登山では、登山を通して地域の文化遺産や自然への愛着を深めることができた。1年生の行事である太宰府研修では、古くから日本の外交・国防の要であった大宰府政庁の史跡や九州国立博物館を訪問し、多様な文化が交流する「アジアの玄関口・福岡」の歴史を学び、国際社会での日本人の在り方を考えることができた。

来年度の活動計画

令和5年度はユネスコスクール活動の様々な取り組みを、特に総合的な探究の時間を中心として再構成する。地域歴史文化教育・国際理解教育で学んだことを生かして、地域の課題解決や自己の進路実現のための具体的な行動に繋げられるよう、各ユネスコスクール活動の内容の充実と構造化を図りたい。実施に当たっては、地域社会や大学とのさらなる連携を強化し、「地域とともにある学校」の実現に努める。また、新型コロナウイルスの影響により中止していた海外派遣研修や学校間交流の再開に向けて、持続可能な社会の構築のための開かれたネットワークを構築していくことも課題である。