2021年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 海洋, 減災・防災, 気候変動, エネルギー, 環境, 文化多様性, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 国際理解, 平和, 人権, ジェンダー平等, 福祉, 持続可能な生産と消費, 健康, 食育, 貧困

「地域歴史文化理解と異文化理解」を活動のテーマに設定し、ESDを「地域や世界の人々が抱える問題や生き方を知り、自ら解決策を考え、自分ができることを積極的に行動に移すことのできる活動」と捉え、ESDの実践を通して未来に生きる想像力豊かな人間性の育成を目標として活動した。以下はその概要である。

① 天拝山登山(年2回実施)

天拝山は筑紫野市の市街地にある標高が258mの小規模な山ではある。照葉樹林に覆われた自然豊かな山であり、地域住民からこよなく愛されている山でもある。本校からは、往復で2時間程度で登山することが可能で、地域理解を深めるために実施している。天拝山は地域の歴史的価値も高く、「菅原道真」が連日登山したことでも有名な山である。この登山は本校が開学以降続けている伝統行事でもあり、学校文化としても大変重要視している行事の一つである。この登山を通して、生徒は心身の鍛錬を行い、地域の歴史文化への理解と四季の自然への感受性を高めながら親睦を図ることを目的とした。

② ユネスコスクール講演会(年2回実施)

毎年1回、国際的に活躍している著名な方を招聘した講演会を実施している。国際理解、地域歴史文化理解をテーマとし、本年度も識者による講演会を開催した。

③ 海外派遣研修(年2回実施)

昨年度に引き続き、新型コロナ感染症拡大のため本年度も全ての事業を中止した。従来なら夏期休暇中にオーストラリア研修、冬期休暇中にタイ王国研修を実施している

④ 体地域にある天拝小学校との交流事業(年2回実施)

新型コロナ感染症拡大のため本年度は合同挨拶運動のみ実施し、合同天拝山登山、サマースクールは中止とした。サマースクールは本校生徒が小学生の勉強を支援する取り組みである。

⑤ 服のチカラプロジェクトへの参加(年1回実施)

ユニクロ主催の「“届けよう、服のチカラ”プロジェクト」への参加を通じて、「環境教育」および「国際理解教育」に資することを目的として実施した。子供服の回収活動を積極的に行った。

⑥ ユネスコ世界寺子屋運動への参加(年1回実施)

日本ユネスコ協会連盟主催の「寺子屋リーフレット制作プロジェクト」への参加を通じて、「環境教育」および「国際理解教育」に資することを目的として実施した。寺子屋リーフレットの作成や校内寺子屋リーフレット・コンテストを実施した。

⑦ ユネスコスクール全国大会への参加(年1回実施)

リモートにて参加した。

⑧ 中国高校生との短期交流事業(年1回実施)

新型コロナ感染症拡大のため本年度は中止した。

⑨ 課題研究(通年実施)

第1学年、第2学年を対象とし、課題研究を実施した。生徒は自らの進路やSDGsをテーマにした内容を発表した。

⑩ カンボジアオンラインスタディーツアー(年1回実施)

日本ユネスコ協会連盟の主催の「カンボジアオンラインスタディーツアー」への参加を通じて、「国際理解教育」に資することを目的として実施した。海外派遣事業中止に伴う代替事業として実施した。

⑪ 地域歴史研究(年1回実施)

第1学年を対象とし、地域歴史研究の一環として「四王寺山史跡巡り」を実施した。この事業を通して、生徒は地域の歴史文化への理解と四季の自然への感受性を高めることを目的とした。

来年度の活動計画

これまでの取組を整理しつつ本校の特色化を図るため、グランドデザインを作成し、教育活動の中心としてユネスコスクール活動を位置付けながら、育成したい資質能力の一つに「持続可能な開発に関する価値観」を掲げている。次年度も生徒への意識付けを深化させるような事業を実施していきたい。また、「総合的な探究の時間」も活用しながら地域歴史文化理解、異文化理解をさらに深めるよう、各活動内容の充実を図りたい。さらに、17の持続可能な開発目標のうち、特に4つを重点目標とする。

具体的には「4.質の高い教育をみんなに」と「16.平和と公正をすべての人に」の目標については、「服のチカラプロジェクトによる子供服の回収を通じた難民支援活動」や「書き損じはがきの回収や世界寺子屋運動のリーフレット作成を通じた発展途上国への支援活動」「ペットボトルキャップの回収を通じたワクチン普及活動の推進」等への参加を通じて、生徒の国際社会への知見を広めることを目指したい。「5.ジェンダー平等を実現しよう」については、男女共同参画社会の実現並びにあらゆる差別の解消に向け、人権意識の向上を全教科・全領域で積極的に展開していきたい。「11.住み続けられるまちづくりを」では、地域歴史文化教育事業の充実や地域社会との連携および協働を目指し、近隣校や地域団体との連携を図りながら事業を推進していきたい。これらの活動を通して生徒個人個人が各課題に取り組むため、課題研究を推進し、自らの進路意識や地域への課題等については、生徒間の共有化を図りたい。事業の推進母体については、部活動としてはユネスコ部、生徒会としては、委員会活動の中のユネスコ委員会を中心に計画立案しながら、事業を展開していきたいと考えている。