2018年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

エネルギー, 環境, 国際理解, 平和, 人権, 減災・防災, 世界遺産・地域の文化財等, 貧困

本校は、「自由と規律」「知性と創造」「参加と協力」を校是とし、これをもとに「21世紀を自分で歩く国際人」を育成するという教育理念を掲げている。

本年度は普通科一年次の総合的な学習の時間の内容を刷新し、校内自作テキストの導入を行った。ESDに関して、個別の事例の学習を到達目標とするのではなく、持続可能な社会の担い手として多岐にわたる諸課題に立ち向かえるように、ESDを通して論理的に文章を書く力や議論する力、交渉力、課題設定・解決能力といった汎用的な能力を育成することを目標とした。

具体的には、総合的な学習の時間を柱に、①国際理解・文化交流に係わる活動、②環境・エネルギー教育、③持続可能な未来に係わる学習、④世界遺産・地域遺産学習など幅広く取り入れた教育活動を行った。

 

 ①国際理解・文化交流に係わる活動

普通科一年次の総合的な学習の時間においては、「世界一大きな授業」という単元で世界の教育問題を扱った他、「モラルジレンマ」という単元で自国と他国の間に生じる倫理上の葛藤を疑似体験した。また、模擬国連においても核軍縮の問題をとりあげ、国益と国際益との関係について学んだ。こうした学びをもとに、学年末ではマレーシア研修を行い、フィールドワークを行う予定である。

本校独自の専門学科アカデミア科では、一年学年末にオーストラリア研修を予定しており、それに向けてホームステイ先に日本文化を紹介する冊子を作り、予行演習として英語で日本文化をALTに紹介したり、日本文化体験を通して交流を進めたりした。研修直前にはオーストラリアの自然や文化、社会も学習する。

 ②環境・エネルギーに係わる教育

普通科一年の総合的な学習の時間で、原子力発電の是非をめぐってディベートを行ったほか、核廃棄物の処理に関する教員研修を実施した。

 ③持続可能な未来に係わる学習

普通科一年の総合的な学習の時間で、日本の政治や教育の在り方について小論文を書く授業を行った他、二年の総合的な学習の時間では2050年の未来を予測し、その視点から2018年を振り返って提言を行う、という活動に取り組んでいる。

 ④世界遺産・地域遺産学習

普通科一年の総合的な学習の時間における「モラルジレンマ」という単元で

世界遺産をめぐる葛藤について取り上げた。さらに、フィールドワークの手法を学ぶ場として、本校近辺を使用したほか、二年生でも地域の史跡や文化財を知る活動を行った。

来年度の活動計画

 本年度普通科一年の総合的な学習の時間を改編したので、総合的な探究の時間の施行開始に合わせてアカデミア科一年、普通科二年の内容の改編を進める。

ESDで「何を学ぶか」ではなく「何ができるようになるか」を意識して、アカデミア科一年においても普通科同様に、地球上の幅広い諸課題に対応できるよう基礎的・汎用的な能力の育成を目指すカリキュラムを構築する。

 普通科二年においては、高校教員の講義や高大連携講座によってSDGs17項目および169のターゲットをめぐる具体的な課題に注目し、自分の興味・関心に従って、その解決に寄与する企画を立案・発表するという新しい活動を導入する。

 また、これまで英語学習という面が強かったアカデミア科の海外研修についても、SDをめぐる探究活動の一環として位置付け、旅程や活動内容について再検討する予定である。