2020年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

世界遺産・地域の文化財等

本校は、「地域の文化・自然や人との絆」をテーマに、地域の素材・題材を開発・教材化し、体験学習を取り入れた学びのプロセスを重視した持続発展教育の実践に取り組んでいる。金沢の伝統産業に携わる人との出会いから、職人さんの技を実際に見て、誇りをもって生きる姿に触れ、さらに、後継者不足などの厳しい現状を知ることで、「自分たちが今、できることは何か」と探求的な学びへとつなぎ、金沢の伝統産業を大切に思い、「地域の文化や人との絆」を意識できる子どもの姿をはぐくむことをねらいとした。

 

具体的には、①和菓子に係る活動、②金箔に係る活動、③和太鼓に係る活動、④加賀友禅に係る活動に取り組んだ。

 

① 3年「発見 和菓子のひみつ」

 

金沢が和菓子で有名なことを知り、和菓子には人々の思いや願いが込められていることに気づき、お茶文化などの情緒豊かな生活風習の良さをこれからも大切に受け継いでいきたいと思う心を育むことをESDの視点とした。また、秋には自分で作ったお茶碗を使って、お茶会を学校で行った。

 

②   4年「金沢箔」

 

金箔押し体験を通して職人さんの技や、「金沢箔」のすばらしさを実感した。そして、学校の近くの箔屋さんに見学に行き、金箔を作る工程を見たり、職人さんのお話を聞いたりすることができた。こうした体験、見学を通して、「金沢箔」という伝統文化を大切にしたい、森山校下を誇りに思うという感想をもつ子どもたちの姿が多く見られた。

 

③ 5年「もりやまっ子太鼓をつくろう」

 

地域の和太鼓グループに講師を依頼し、和太鼓の基礎を教わった。講師の方から太鼓にかける情熱や太鼓の歴史を学びながら、太鼓をたたくことへの関心も高まっていった。6年生を送る会では、豆絞りを頭に巻き、気合のこもった表情でもみじ舞を演奏した。この会を通して、全校に取り組んできたことの成果と和太鼓の良さを伝えることができた。

 

④ 6年「思いを込めた加賀友禅 卒業証書台紙づくり」

 

本校では、20年以上6年生が加賀友禅の卒業証書台紙づくりに取り組んでいる。卒業式には、自分の加賀友禅の作品をもち、中学校への決意や将来の夢を語る。全工程のうち、青花下絵、糊置き、彩色、友禅流しの4つを友禅の職人さん方に教えていただきながら、実際に体験した。作業は細かく集中力が必要であることから、職人さんの苦労に気づいたり、加賀友禅の仕事に誇りをもつ作家の生き方に触れたりすることができた。

来年度の活動計画

来年度も、森山の地域にある伝統産業や地域文化を教材化し、他教科との関連を図り、「知る」「関わる」「考え行動する」「広める」の4つの段階を大切にした探求的な学習を進めていきたい。

3年生は「和菓子のひみつ」、4年生は「金沢箔」、5年生は「和太鼓もみじ舞」、6年生は「加賀友禅の卒業台紙づくり」を行う予定である。