2022年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等

本校は、「地域の文化・自然や人との絆」をテーマに、地域の素材・題材を開発・教材化し、体験学習を取り入れた学びのプロセスを重視した持続発展教育の実践に取り組んでいる。金沢の伝統産業に携わる人との出会いから、職人さんの技を実際に見て、誇りをもって生きる姿に触れ、さらに、後継者不足などの厳しい現状を知ることで、「自分たちが今、できることは何か」と探求的な学びへとつなぎ、金沢の伝統産業を大切に思い、「地域の文化や人との絆」を意識できる子どもの姿をはぐくむことをねらいとした。具体的には、①和菓子に係る活動、②金箔に係る活動、③加賀野菜に係る活動、④加賀友禅に係る活動に取り組んだ。

3年「金沢の和菓子について調べよう」

金沢が和菓子で有名なことを知り、和菓子には人々の思いや願いが込められていることに気づき、お茶文化などの情緒豊かな生活風習の良さをこれからも大切に受け継いでいきたいと思う心を育むことを視点とした。秋には自分で作ったお茶碗を使って、お茶会を学校で行った。

4年「金沢箔について調べよう」

自分たちが知りたい・見たい・したいなど希望したことをもとに調べ始めた。地域の金箔職人さんが、お皿の箔貼りを優しく教えてくださり、子供たちは職人さんの箔の扱い方のすごさを感じていた。また、地域の金箔の工場や箔に関わるお店を見学することで、金箔・箔品を作るこだわりを知り、金沢箔を広めたいと話し合い、発信することができた。

5年「加賀野菜について調べよう」

加賀野菜の歴史やそれを守る人々の努力を調べた。自分たちの住む地域特有の野菜に親しむことで、金沢の野菜のすばらしさを感じることができた。給食の加賀野菜を使用したメニューに関心を持ち、加賀野菜をおいしくいただいた。加賀太れんこんを一人ずつもらい、家で加賀太れんこんを使用した料理を作ったり、食べたりした。学習で学んだことを新聞にまとめ、金沢のものを大切にしようとする気持ちを高めることができた。

6年「思いを込めた加賀友禅 卒業証書台紙づくり」

本校では、20年以上6年生が加賀友禅の卒業証書台紙づくりに取り組んでいる。卒業式には、自分の加賀友禅の作品をもち、中学校への決意や将来の夢を語る。全工程のうち、青花下絵、糊置き、彩色、友禅流しの4つを友禅の職人さん方に教えていただきながら、実際に体験した。作業は細かく集中力が必要であることから、職人さんの苦労に気づいたり、加賀友禅の仕事に誇りをもつ作家の生き方に触れたりすることができた。

来年度も、森山の地域にある伝統産業や地域文化を教材化し、他教科との関連を図り、「知る」「関わる」「考え行動する」「広める」の4つの段階を大切にした探求的な学習を進めていきたい。

来年度の活動計画

3年生は「和菓子」、4年生は「金沢箔」、5年生は「加賀野菜」、6年生は「加賀友禅の卒業証書台紙づくり」を行う予定である。