2021年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

海洋, 減災・防災, 環境, 文化多様性, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 国際理解, 平和, 人権, 福祉, 持続可能な生産と消費, 健康, 食育

本年度ユネスコスクール8年目を迎える本校は、「百道浜小学校の全児童がSDGsのことを知っている」を活動のテーマに設定した。活動設定の理由としては、次の3点である。

  • 世界的流れとして2030年までの達成目標であるSDGsの実現化に向けて様々な分野が動き出しており、トレンドとなっていること。
  • 国単位だけではなく、各企業においても「SDGsのどんな項目に取り組んだ企業」であるかの方針を示さなければ、社会的信用が得られなくなるほど、実社会に浸透していること。
  • 2030年以降の社会をつくっていく子どもたちにとって、SDGsを知ることは、とても価値あること。

このテーマ実現に向け、全職員には以下のことを共通確認した。

  • 教育計画の中の「ESDに関する内容」として、設定されてある学習内容の確認
  • 学習内容をSDGsの達成目標である17項目の中の何に該当するのか関連付ける。
  • 学習を始める前に「SDGsとは何か」を事前学習として取り入れる。

各学年の取り組みは以下の通りである。

第1学年 生活科 「たのしいあき いっぱい」

校庭や校区近辺の公園で秋を見つけ、遊びや遊びに使うものを工夫してつくったり、身近な自然の違いや特徴を見つけたりする学習単元。SDGsについての理解を深め、環境についての関心を持ち、公園でどんぐりや松ぼっくりを拾う時に気を付けることや、自然を守るために大切なことについて考えた後、実際に拾い、おもちゃ作りを行った。

第2学年 生活科 「もっとなかよし まちたんけん」

地域で働いている人たちと自分たちの生活との関わりを見つけ、地域に親しみや愛着をもち、適切に接したり安全に生活したりしようとする学習単元。

まず、SDGSについての理解を深め、住み続けられるまちづくりについて関心を持つ。次に、校区にある様々なお店見学を通して、地域のお店の工夫について調べたいことを考え、実際に見学することで、地域には自分たちの暮らしを豊かにしてくれるため様々な工夫をして働いている人たちがいることに気づかせていった。

第3学年 総合的な学習の時間 「とび出そう アジアの国へ!」

アジアの国々について調べ、国際理解を深める単元である。

東京オリンピック・パラリンピックに参加していたアジアの国々を紹介し、その中から興味のある国について調べ学習を行った。各学級で3カ国程度に絞り、グループごとに言語や伝統服、食べ物など、視点を決めて調べ、模造紙にまとめた。まとめた模造紙を元に学級で発表会を行い、作成した模造紙は学年フロアにある空き教室に掲示して、他の学級も見ることができるようにした。

学習の終末時に、10月に行われた「アジア太平洋都市サミット」の話をし、そこではSDGsについて話し合いがされていること、今回アジアの国々について知ることによって、違いを認めたり、一緒に目標に向けて取り組もうとする意識につながったりするのではないかとまとめた。

第4学年 総合的な学習の時間 「百道浜環境守り隊」

地域環境に目を向ける学習単元である。

SDGsについての理解を深め、環境について関心を持ち、校区内見学を通して地域の環境に疑問を持つ。その素朴な疑問をもとに、GTを迎え、出前授業を実施することで、地域の環境は様々な人の手によって守られていることに気づくことが本単元の学習目標である。加えて、出前授業を通して学んだことを、ICTを活用しデジタル新聞としてまとめ、まとめた内容をもとに報告会を実施した。

第5学年 総合的な学習の時間 「私たちの生活とSDGs」

「SDGs」についての理解を深める単元である。

SDGsが他教科の学習につながる内容であるので、どんなものなのかを知り、さらには、これまでの児童の生活や学習とつながる内容だということを調べ、学習を通して確かめたり、これからの生活の中で自分たちにできることを考え、宣言という形で表したりした。

第6学年 総合的な学習の時間 「未来に向かって」

さまざまな職業について興味をもって調べる中で、働くことの大切さややりがいに気づき、将来への希望を持つことをねらいとする単元である。まず、自分の興味のある職業について、本やインターネットを使って調べ学習を行った。その後、調べて分かったこと(職業の概要・職業に就くまでの道のり・大変なこと・やりがい等)をスライドにまとめ、発表を行った。

来年度の活動計画

実施したアンケート結果から、回答している児童の4分の3にあたる児童がSDGsのことを知っており、かつそのあとの質問項目への回答結果からもSDGsに対して正しく理解していることがわかった。この結果は、今年度、SDGsの周知を図るために、各学習単元の中にSDGsの観点があることを各学年間で意識し、単元計画を見直しながら実践してきた成果の表れである。しかしながら、新型コロナウイルス蔓延により、昨年度に引き続き、行事の縮小や中止を余儀なくされた。本来、百道浜小学校は、「ひと」「もの」「こと」を活用した行事が数多くあるので、2030年以降の社会をつくっていく子どもたちにとって、今後もSDGsについて考え、理解を深めていくことは、大変価値高いことである。来年度は、再度教育計画を見直し、実施できる行事の中からSDGsの視点に立って取り組むことができる行事を精選し、子どもたちが経験を通して主体的・対話的で深い学びが得られるよう工夫していく。