2020年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

世界遺産・地域の文化財等, 福祉

本校は、「金沢の魅力~人とのつながりを大切にして~」を活動テーマとして、ESDを関わり・つながりを通して進んで課題の解決に取り組む態度を養う教育と捉え、ESDの実践を通して自ら求める子、自ら感謝する子、自ら行動する子の育成を目標とした。具体的には、地域、福祉・人権、国際交流を柱に、①地域の文化財に係わる学習、②福祉に係わる学習を行った。

  • 地域の文化財に係わる活動

3年「金沢の和菓子文化について学ぼう」

金沢の和菓子消費量が日本一であることから、「なぜ日本一なのかな」という学習課題を持った。和菓子職人さんに質問したり、職人さんに教わりながら自分で実際に練り切りを作る体験をしたりと主体的に学んでいった。これらの体験を通して、子どもたちは、職人さんの巧みな技だけでなく、職人さんが季節感やお客さんを大切にしていること、日々創意工夫を重ねていること、金沢ではお茶文化とともに和菓子文化が愛され、伝承されてきたことに気付くことができた。

6年「金沢の歴史や伝統を調べ、知り、発信しよう」

近年の金沢への観光客増加について触れ、なぜ観光客が増えているのかを考えさせた。たくさんの観光客が来る自分たちのふるさと金沢についてもっとよく知り、調べ、「自分の言葉で金沢の魅力を発信できるようにしよう」というめあてのもと学習を進めた。まず、インターネットで調べ、実際に自分の目で確かめる「金沢歴史探訪」を行った。見学先でのお話や、同行してくださったまいどさんからのお話、実際に歩きながら感じた金沢の町並みをふりかえり、『金沢の魅力』をパンフレットにまとめ、5年生に発信した。調べる、体験する、発信するという学習活動を通して、金沢の魅力を一人一人が自分の言葉で語ることができた。また、自分でまとめたり友達の発表を聞いたりすることを通して、金沢の魅力は、過去から受け継がれてきたものであるとともに、自分たちも大切にし、次の世代に引き継いでいきたいという思いを持つ児童も見られた。

  • 福祉に係わる学習

5年 「共に生きる」

高齢者疑似体験や校区にある特別養護老人ホームのお年寄りとふれ合う活動等を通して、相手の立場になって考える力や相手を思いやる心を育むことを目標に計画を立てた。今年度は新型コロナ感染症への対策として、リモートでの交流会を開催した。企画・運営、仲間との協力を経験する中で、子どもたちが地域の中の自分を意識し、人と人とのつながりを学び、地域の未来をつくるために自分からできることを考えて行動するようになることをねらいとした。高齢者疑似体験では、普段の自分の感覚との違いからお年寄りの大変さを実感し、身近なお年寄りについて関心を広げていた。リモート交流では、スライドを用いた学校紹介クイズや手遊びでの交流、ZOOMを用いたリモートでの会話などで、ホームのお年寄りの方と交流した。これらのことを通して、子ども達はお年寄りの笑顔に喜びを感じ、お年寄りそれぞれの様子から、それぞれ自分たちにできることは何かについて考えていた。ここでの学びが、今後の子ども達の人生の中で、相手のことを思いながら生きる力につながることを願っている。

来年度の活動計画

今年度同様、総合的な学習の時間を柱として「金沢の魅力~人とのつながりを大切にして~」を活動テーマとする。テーマに関わる講師を迎えて話を聞くこと、実際に体験することを取り入れ、主体的な課題解決を図り、自ら求める子、自ら思いやる子、自ら行動する子の育成をめざしていきたい。課題となっている学んだことや考えたことを発信する力について、全校や地域に向けて発信する機会をもうけ、発信する相手や目的を意識し、情報を収集する力、表現・発信する力をつけていきたい。