2020年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

世界遺産・地域の文化財等, 平和, 福祉

本校の活動テーマは「福祉と人権の町づくり」として,SDGsを「いろいろな人とのつながりにより持続可能な社会を実現するための教育」と捉え,SDGsの実践を通して主体的に社会と関わり,いろいろな立場の人と共同して問題解決を図る力を育てたいと考えている。

具体的には,「地域」「平和」「福祉」を柱に,①地域の文化遺産に係わる活動,②平和・人権に係わる活動,③福祉に係わる学習を行った。

 

① 地域の文化遺産に係わる活動

学区には寺社や石碑などの文化財が多いが,現在,学区に住んでいる人の多くが学区外からの転入者であるため,学区の歴史を知らない人が少なくない。

例年,学区全体から参加者を募り,「勤労感謝の日」に「操山史蹟めぐり」を行っている。昨年度は,幼児から高齢者まで約480名の参加があり,地域交流や世代間交流の有意義な場を設定できた。

この活動の中で,中学生は,参加者の受付やボランティアガイド,クイズ・抽選会の司会進行を行ったが,集団や社会における自分の発言や行動に責任を持ち,自分の役割を理解するとともに,ものごとに主体的に参加しようとする態度を育む場となっている。

一方,今年度については,コロナ禍で「操山史蹟めぐり」は中止したが,第1学年生徒が住んでいる地域の歴史を知り,郷土の良さを再発見する活動として「操山史蹟めぐり」に準ずる活動を実施した。

 

② 平和に係わる学習

例年,第2学年の生徒は,広島で「平和研修」を行っている。

平和公園で平和集会を実施するとともに,グループ別自主研修で平和記念資料館や原爆ドーム周辺を散策し,自他の生命を尊重し,平和を願う心を育むことができている。

一方,今年度については,コロナ禍で活動場所を岡山市内とし,岡山空襲にかかわる「戦跡めぐり」を実施した。

 

③ 福祉に係わる学習

障害者や高齢者への理解とその福祉について学習を深めるとともに,誰もが安心して暮らせる地域社会の構築を目指して,今自分自身にできることから取り組んでいくことで「為すことによってより深く学ぶ(Learning by doing)」ことを実践しています。

本校の教育重点目標の一つに,「人権教育の推進」を挙げています。

第1学年「総合的な学習の時間」では学習課題の一つに「福祉」を取り上げ,障害者や高齢者への理解とその福祉について学習を深めています。

このような学習成果を表現し実行する場として様々なボランティア活動を取り入れていますが,その一つが「点字ブロックの啓発活動」「視覚障害者との交流活動」です。

特に視覚障害にスポットを当て学習活動やボランティア活動を実践していますが,障害があるないにかかわらず,すべての人が助け合い共に生きていく地域社会をつくるという意識の醸成とそのことに向けた自発的な活動に繋いでいきたいと考えています。

本校生徒会「ボランティア委員会」は,平成22年4月より毎月「モニュメント」の清掃活動に取り組んだり,定期的に岡山県立盲学校と交流活動を行ったり,毎年3月18日(点字ブロックの日)には岡山駅前での啓発活動に参加したりしています。

誰もが安心して暮らせる地域社会の構築を目指して,引き続き地道な活動を行うとともに,本校からの情報発信に努めていきたいと考えています。

 

来年度の活動計画

本校では,次年度も教育課程内外を通じて,知識の伝達だけに偏らず,学ぶことと社会とのつながりをより意識した教育を推進していくこととしています。

これらの様々な活動の中で,基礎的な知識・技能を習得・習熟したり,実社会や実生活の中でそれらを活用したりしながら,自ら課題を発見し,その解決に向けて主体的・協働的に探究し,学びの成果等を表現し,更に実践に生かしていけるようにするなどのプロセスを通じて,これからの変化が激しい世の中を生き抜く力を子供たちに身に付けさせる場としていきたいと考えています。