2022年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 海洋, 減災・防災, 気候変動, 環境, 国際理解, 平和, 人権, 福祉, 持続可能な生産と消費

本校は、「共に夢を拓くみなとっ子」を学校理念として、ユネスコスクールが重点的に取り組む3つの分野や学校の教育活動全体を通じて、人格の発達や自立心、判断力、責任感などの人間性を育むとともに、他者との関係性、社会との関係性、自然環境との関係性を認識し、「かかわり」「つながり」を尊重する活動と捉え、実践を通して人間関係形成能力、意思決定能力、情報活用能力、将来設計能力の育成を目標としている。

具体的には、海洋教育、防災教育を柱に、世界遺産三池港を中心とした大牟田の町の持続発展に係わる学習、気象に関わる学習や、地域の防災対策について学習を行った。

①世界遺産「三池港」を中心とした大牟田のまちの持続発展に係わる学習(SDGs14)

校区にある明治日本の近代化遺産「三池港」を軸に据え、総合的な学習の時間を中心に「海洋教育」を教育課程に位置づけた学習を行った。今年度もコロナ禍でかなり活動に制限があったが、「海に親しむ」「海を知る」「海を守る」「海を活用する」の4つのキーワードを系統的・段階的に設定し、有明海の生物や三池港と周辺施設の魅力、他の近代化遺産との関わり等を学び、「海と人との共生」を考えた。そして、大牟田市の持続発展とSDG14「海の豊かさを守ろう」のために、自分たちには何ができるかを考え、校内や地域に向けた発信や実践を行った。

具体的には3年では、海の時間に「有明海の生き物を調べよう」をテーマに、広大な干拓を有する有明海の雄大さに触れたり、干拓に棲む様々な生き物の様子について海の生き物に詳しいGTをお招きして調べたりしたことを基に、生物多様性や自然保護について考え、オンラインで他校と交流する活動を行った。 4年では、海の時間に「三池港・有明海の環境を調べよう」をテーマに、元三池海水浴場に落ちたり漂着したりしているゴミの様子を調べ、ゴミの内容や原因について考えたことを基に、ゴミを無くすための取組について考え地域に呼びかける活動を行った。 5年では、「有明海と人の生活を調べよう」をテーマに、海は人間生活に密接に関わっていることを理解するため、令和2年7月豪雨の被災の経験を踏まえ、津波や海洋の温暖化に起因する問題に着目し、命を守る減災教育に取り組んだ。 危険箇所を調べたり、防災バッグの中身を考えたりすることで、自助、共助の意識が高まった。 6年では、海の時間に「有明海とともに生きるために」をテーマに、これまで学習してきた海洋教育の内容を総合し、観光や経済の面から「海の利用」や「人と海との共生」について考え、これからのまちづくりについて発信する活動を行った。 さらに、市内の海洋教育推進校としての学習交流会や合同三池港見学、子どもテレビ会議や海洋教育子どもサミット等の実施も行った。 海洋教育は海の環境を守る、海と関わる産業を考える、地域の未来を考えるという学習であり「海を通したESD」といえる。

来年度の活動計画

令和5年度は、ESDにおいてさらに、海洋教育を柱とした体験活動や探究活動を充実させたい。 特に学校全体で目指す資質・能力を明らかにしながら、各学年のねらいを明確にし、系統的なカリキュラムになるように見直しを図っていく。 さらに全教科・全領域にまたがるESDの実践を通して、PDCAサイクルを確立させながら、令和4年度までの実践を高めていく。 身近な「ひと・もの・こと」も最大限活用できるように、活用力・指導力の向上も図っていく。