2020年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

環境, 世界遺産・地域の文化財等

本校ではESDの教育資源として地域の環境や社会・文化等を活用し、地域を支える人材、ひいては持続可能な社会の担い手の育成を目指している。具体的には、地域の魅力を再発見し持続的な発展の方策を探る「地域の課題の解決に係る探究活動」を中心に、その成果を行動につなげた「地域の環境に係る活動」、「地域文化の継承・創造に係る活動」等を行った。上記の目標や地域の特性から、SDGsの目標11「住み続けられるまちづくりを」、目標15「陸の豊かさも守ろう」に関連する取組みが中心となっている。

(1)地域の課題解決に係る探究活動
地域の課題と解決策についてグループで主体的に探究活動を行うことで、思考力・判断力・表現力を育成するとともに、郷土愛を醸成し、将来の地域を支える人材を育成することを目標としている。
普通科では「豊後大野市課題解決・魅力発見プロジェクト」として2年生が、それぞれの興味・関心によって《観光》《保育》《医療》《スポーツ》《自然・山》《歴史》《経済》《地域創生》《科学体験》の9グループに分かれ、課題の設定から解決方策まで探究活動を行った。生物環境科(農業系)では3年生が草花、野菜、食品製造の3類型14グループで課題研究を行った。またメディア科学科の3年生も「地域の交通問題」「商品開発」等に大学、行政機関、企業と連携した研究に取り組んだ。特に地域の交通問題を研究したグループは、地元中心街の再開発における駅前通りのデザインについて、地域の行事の中で実証実験を行い、市民の意見を踏まえた提言を市に対して行った。
また、これらの成果は三科合同学習成果発表会において、全校生徒で共有するとともに地域へと発信している。

(2)地域の環境に係る活動
地域の自然や環境について主体的に学び、地域の自然保持の大切さを理解することを目的とする。本地域は「おおいた豊後大野ジオパーク」に指定されており、本校科学部は阿蘇溶結凝灰岩をテーマの中心に据え、様々な角度から研究を継続している。また、(1)の生物環境科の研究では、草花類型のグループが、絶滅危惧種の植物「オキナグサ」の増殖に、バイオテクノロジーの学習成果を応用して取組んだ。

(3)地域文化の継承・創造に係る活動
本校の神楽部は地域に伝わる浅草流岩戸神楽を地域の人から学び、自ら演じる活動をとおして、地域の伝統文化を将来に継承する活動に取り組んでいる。地域の有志による「三重総合高校の演劇を観る会」の支援を受け、市民向けの公演を開催した演劇部や少年野球教室の開催した野球部など、地域の文化・スポーツの振興に資する活動も行っている。

 

来年度の活動計画

地域の課題解決に係る探究活動「豊後大野市課題解決・魅力発見プロジェクト」や課題研究については、資料やデータ分析の力のレベルアップを図り、問題解決能力の向上に重点を置いて取組んでいく。「具体的な行動」につなぐ取組においても、地域住民や関係機関との連携を大切にしながら、一層の充実を図っていく。