2018年度活動報告
本年度の活動内容
福祉, 世界遺産・地域の文化財等, 健康, ジオパーク, その他の関連分野
本校は、教育資源としての地域の魅力を再発見し、地域との交流を深めることを通じて、地域を愛し、地域に支えられる学校づくりを目指している(地域理解・地域貢献)。
また、ESDの活動を通して、地域の魅力や郷土愛を熟成し、地域の問題解決に貢献できる人材を育成することを目標とした。
具体的には、「地域理解・地域貢献」を柱に、①地域の環境に係わる活動、②地域の伝統文化の継承に係わる活動、③地域の問題解決に係わる活動を行った。
①地域の環境に係わる活動
地域の自然や環境について主体的に学び、地域の自然保持の大切さを理解することを目的とする。本地域がジオパークに指定されており、多くの石橋が存在している。その石橋は阿蘇溶結凝灰岩で作られている。その阿蘇溶結凝灰岩の特性である水分吸収性による影響を調査し、地域に石橋の安全性等について研究する。
②地域の伝統文化の継承に係わる活動
地域の伝統文化が将来に受け継がれることの大切さを理解し、その保全などの課題に対して他者と共に考え、取り組む態度や価値観の育成を目的として、地域に伝わる神楽を継承するために本校は「神楽部」を設置している。本校は県の教育改革により平成18年度に4校を統合して開校された。その際、「神楽部」を継承しており、本年で創部20年の歴史がある。東九州地方に広く伝わる浅草流岩戸神楽を習得するため、現在部員16名が日々の練習に励んでいる。学校行事を始め福祉施設や地区のお祭り等地元の内外を問わず公演活動を年間30回以上行っている。また、本年は「第33回国民文化祭・おおいた2018、第18回全国障害者芸術・文化祭大分大会」の盛り上げ隊としてPR活動に努めた。
③地域の問題解決に係わる活動
地域の産業や生活環境について主体的に学び、その魅力と課題について総合的に学習することを目的として「豊後大野市課題解決・魅力発見プロジェクト」に取り組んでいる。この取り組みでは、地域に密接したものにするため、市長より地域の抱えている課題を提示され、その課題解決のために、今まで学習した知識・技能を活用して、主体的に取り組むことで、思考力・判断力・表現力を育成し、学習意欲とコミュニケーション能力の向上を図る。同時に、郷土愛を醸成し、将来、地域で活躍できる人材を育成することも目的とする。研究テーマは以下のような4分野15テーマである。
【研究テーマ】
(外部へのPR)インバウンドへの対応の充実について
・豊後大野市立日本語学校
・InstagramとEnglishmapの作成
・ジオパーク、エコパークの外国人向け紹介
(生活・福祉)すべての人が、安心して快適に暮らせる町について
・豊後大野市での野菜生産
・地域からのベンチャー起業
・子育てしやすい街づくり
・障がいからの解放
(魅力)若者の定住促進について
・駅前商店街の活性化
・地域の特産品を生かす
・地域の先哲等の再発見
・ジオパークの現状と活用方法
・道の駅の活用方法
(産業)地域の農業の活性化について
・鳥獣被害の対策
・農業生産物の販路拡大
・農業生産物のブランド化
来年度の活動計画
生徒は、本活動を通じて、自分の問題解決能力の乏しさに戸惑っている状況があったが、他者との関わりの中で、より学習を深めようとする取り組みが見られた。そのため、現在取り組んでいる「地域の伝統文化の継承に係わる活動」、「地域の問題解決に係わる活動」については、平成31年度も継続して取り組み、より一層、前年度の検討を踏まえた上での伝統文化の継承と課題解決への取り組みの深化を推進する。「地域の環境に係わる活動」に関しては、研究テーマを変えて継続する。