2022年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

海洋, 環境, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 持続可能な生産と消費, ジオパーク, その他の関連分野

本校では「地域の環境や社会・文化等」をESDの教育資源として活用し、地域を愛し、支える人材、ひいては持続可能な社会の創り手の育成を目指している。具体的には、「地域理解・地域貢献」をテーマに、地域住民や関係機関からの連携・協力を得ながら、(1)地域の課題解決に係る探究活動、(2)地域の環境に係る活動、(3)地域文化の継承・創造に係る活動等を行った。

(1)地域の課題解決に係る探究活動
普通科2年生の探究活動では、SDGs9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に関連し、「豊後大野市の産業廃棄物から地域産業を構想する」をテーマに、不要な竹材を商品化し、特産品として売り出すために、多角的な視点から考察を重ねたグループがあった。生物環境科3年生の課題研究では、SDGs12「つくる責任、つかう責任」に関連し、生徒自身が食品加工で作ったいちごジャムを、賞味期限切れで廃棄される前にクッキーに再利用することでフードロスを防ぐ研究を行ったグループがあった。メディア科学科3年生の課題研究では、地域経済を盛り上げるために、地元パン屋と連携して商品開発を行ったり、SDGs14「海の豊かさを守ろう」に関連し、授業で学習した内容をもとに「経営学とSDGsを学ぶ」をテーマとし、豊後大野市にはない海を取り上げ、環境保全に向けた研究を行ったりしたグループがあった。

(2)地域の環境に係る活動
本地域は「おおいた豊後大野ジオパーク」に指定されており、本校自然科学部は昨年度まで阿蘇溶結凝灰岩をテーマの中心に据え研究を行ってきたが、本年度からは、白亜紀の化石である「アンモナイト」と「イノセラムス」の発掘と研究に着手した。

(3)地域文化の継承・創造に係る活動
本校の神楽部は豊後大野に伝わる浅草流岩戸神楽を地域の人から学び、自ら演じる活動をとおして、地域の伝統文化を将来に継承する活動に取り組んでいる。校内の行事はもとより、地域の祭やイベント等で数多くの公演を行った。また、演劇部は、地域の有志による「三重総合高校の演劇を観る会」の支援を受け、市民向けの公演を開催したり、地元の小学校へのボランティア公演をしたりするなど、地域文化の振興に資する活動も行った。

来年度の活動計画

地域課題の解決に係る探究活動や課題研究について、豊後大野市長や地域活性化に尽力している方との交流の機会を増やし、より実装性のある活動を行うことにしている。また、精度の高い研究にするために必要な資料収集、データ分析力及び考察力のレベルアップについては外部機関の協力を得ながら進めていく。一方、自然科学部の研究は、この地域にしかない自然や環境について主体的に学び、地域の自然保持の大切さを実感できる活動としていきたい。そして、神楽部や演劇部等を中心に、伝統文化の継承と新たな文化の創造を発信していきたい。