2022年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 減災・防災, 気候変動, 環境, 人権, ジェンダー平等, 持続可能な生産と消費, 健康

本校は、平成 31 年度にSSH研究校の指定を受けて以来「地球の未来の先駆者となる科学技術人材」の育成を目的とし、「桑高SGPプログラム(Solution for Global Problems)」の開発を行っている。加えて、ユネスコスクールが重点的に取り組む3つの分野に留意し、①情報を集める力・②課題を見つける力・③論理的に考える力・④批判的に考える力・⑤他者と連携する力・⑥文章で表現する力の育成を目標としている。

 

Ⅰ 総合的な探究の時間における取組

総合的な探究の時間における探究活動に向けて各学年・学科とも4~6名程度の研究班を編制し、各班が独自の研究テーマを設定して探究活動を展開した。

1年生では、2年生で実施する課題研究を見据えて、生徒の知見を広げるためSDGs学習会等を実施した。情報収集や発表スキル等課題研究に必要なリテラシーを習得するとともに、ミニプレゼンを実施した。

2年生では、SDGsを念頭に置いた研究テーマを設定し、その解決に向けて討論や実験など試行錯誤を繰り返し、研究を行った。また、必要に応じて専門機関の方々から直接助言を受けた。さらに、SDGsに関する特別授業では、理数科2年生において大学の先生によるオンライン講義を受講し、身近な四日市公害を入り口に、世界規模の環境問題について学ぶ機会となった。

3年生では、2年生での研究活動を振り返りつつ、自己の興味・関心や特性を意識して進路実現の一助とするための論文を作成した。

 

Ⅱ 人権教育における取組

人権教育での学習分野は、平和、減災・防災、人権、ジェンダー平等であり、主な学習内容は修学旅行に関連した平和学習・新型コロナウイルス感染症にかかる差別問題・『災害と人権』をテーマとする講演会・「性の多様性」を考える学習など多岐にわたって実施した。また、有志の生徒グループが学校生活や社会における性的マイノリティの現状を理解し自分たちにできることを考え実践していこうとする意欲を示し、「性の多様性」をテーマに他校生との交流会を企画・運営した。さらに、アニメ「めぐみ」の鑑賞と意見交換会を実施し、北朝鮮による拉致問題解決に向けて活動することの必要性を学んだ。人権侵害は許されず、社会として取り組まなくてはならないこと等の気づきを作文にまとめた。

来年度の活動計画

1.総合的な探究の時間の活動計画
2022年度の活動を軸に、さらなる改善を加えた取組を進めていく。具体的には以下の3点が挙げられる。1つめは、課題研究において専門機関との連携を強化することで研究の質の向上を図っていきたい。研究の質が向上することで、課題解決に向けた学習意欲も向上し、持続可能な開発につながっていくと考えている。2つめは、今年度は理数科のみであったSDGsに関する特別授業の対象者を普通科まで拡大させ幅広い生徒に、地球規模の課題について考える機会を設定していく。3つめは、海外交流についてこれまでに地球規模の洪水被害のあったタイ王国を訪問し、フィールドワークや現地高校生との交流を通じて、国際性の涵養を促すとともに持続可能な開発に向けて他国の人々と協働する力の育成に取り組んでいく。さらにこの取組がより効果の高いものとなるよう、特別講座を開講するなど事前事後の学習を充実させていきたい。

2.人権教育の計画
【1学年】
4月 ●グループエンカウンター
クラス開きで信頼関係の構築の一助とするオリエンテーション。
11月 ●人権講演会
身近にある差別や命の尊さについて考える機会を設ける。
1月 ●人権ホームルーム

【2学年】
10月 ●修学旅行に関連した平和学習
戦争と平和について考える時間を設ける。
11月 ●人権講演会 (1学年と同じ)
1月 ●人権ホームルーム (1学年と同じ)
【3学年】
6月 ●人権ホームルーム
「統一応募用紙」ができた経緯と背景を理解し、就職差別を許さない・負けない決意を固め、自身の進路や人生について深く考え行動する力を身につけ、自己実現と進路実現を図る力をつける。
11月 ●人権講演会 (1学年と同じ)

【衛生看護専攻科】
通年 ●「就職ガイダンス」をいかし、正しい知識や社会人としての態度を身につける。
「統一応募用紙」ができた経緯や就職差別について認識を深め、あらゆる就職差別を見抜き、周囲の人と協力して差別があった時に対応できる力をつける。
●専門家としての経験を積み、相手の立場に立った考え方を身につける。
専門科目を通して、障がい者、高齢者の理解を深めその自立と支援について考える機会を持つ。
●社会人としての自覚と責任を持ち、社会に貢献できる人物になる授業や実習等を通じて、看護者に必要な倫理的感受性を高め、命の尊さを再認識し、社会人としての心構えを身につける。
11月 ●人権講演会 (1学年と同じ)