2025年度活動報告
本年度の活動内容
世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 国際理解, 平和, 人権
本校の方針
本校は学校方針として、「多様な変化に富んだ社会や、変容する国際社会においても、自らの考えで行動し、活躍・貢献できる人材の育成」「常に主体的で挑戦心や探究心を持ち、思いやりや気配りができる生徒の育成」を掲げています。ESD(持続可能な開発のための教育)の学習や実践を通じて、学校目標である国際理解の推進に取り組んでいます。 共学化による新体制2年目を迎え、幅広い課題に取り組むべく活動してまいりました。 具体的には「国際理解・人権教育・伝統文化」を柱とし、以下の3点について学習を展開しました。
①国際理解に関わる教育
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香港の中学生との交流
香港から中学生が来校し、看護体験や授業体験を行いました。昼食を本校の生徒と共に取る時間も設けました。短時間で打ち解け、和気あいあいとコミュニケーションを取る姿が印象的でした。自分たちの文化について話し、共通点や相違点があるとよりいっそう打ち解けられたようで、短い時間でしたが、よい機会になったかと思います。
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台湾・新北市立正徳中学校との交流
高校見学として本校を訪れた台湾の新北市立正徳中学校のみなさんと、互いの言語で挨拶を交わし親睦を深めました。日常生活や趣味について自分たちなりに伝え合い、楽しい時間を過ごしました。この交流を経て、2年生の授業にて、正徳中学校の皆さんと「AI」をテーマとした議論を行うことになりました。教室内にとどまらない、積極的な学びの機会となりました。
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台湾・国立政治大学 教育訪問団の来校
国立政治大学の教育訪問団が来校されました。本校の教育システムに関心を寄せられ、活発な意見交換が行われました。本校教員にとっても、他国の教育事情を学ぶ貴重な機会となりました。世界が広がったように感じ、良い時間を持つことができました。
2026年3月には台湾への研修も実施予定にしています。この機会にもっと世界へ目を向けられるような人材が育てばいいなと期待しています。
②人権教育に関わる教育
身近なことから人権問題について考えることを目的とし、以下の活動を行いました。
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人権啓発キャッチコピーへの応募
1年次の短歌の授業にて、大阪市主催の「人権啓発キャッチコピー」へ作品を応募しました。生徒が自らの視点で様々な人権課題を考える契機となり、その結果、受賞者14名のうち本校から9名が選出されました。
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拉致問題について考える会(生徒会主催)
北朝鮮による拉致問題の現状について学びました。ボランティアとして拉致被害者・曽我ひとみさんの講演会運営に携わった教員の体験談も紹介しました。生徒にとっては遠い出来事のように感じられがちな問題ですが、今回の会を通じて、自分たちと地続きの問題として捉え直す機会となりました。

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日本赤十字社 献血セミナー
看護メディカルコース(1・2年)の生徒が受講しました。献血の基礎知識や必要性を知り、命を救うことの重みを考えました。この講座をきっかけに献血呼びかけボランティアに参加するなど、生徒の活動の幅が広がっています。
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地域ボランティアへの参加
「文の里ハロウィンイベント」や「阿倍野カーニバル」等に本校の生徒がお手伝いとして参加しました。地域連携を目的とし、地域の方に本校のことを知っていただき、生徒にもたくさんの人と関わることについて考えてもらうために実施しました。たくさんの人との関わりを経て、充実感を持って取り組み、地域社会への貢献を実感する時間となりました。
③伝統文化に関わる教育
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和歌・短歌・俳句の創作
1年次より継続して実施しています。季節の変化や友人関係、部活動などを詠むことで、感性を磨くとともに物事を客観的に捉える力を養っています。コンクール等で好成績を収める生徒も輩出しています。
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日本の食文化の学習
総合キャリアコース・クッキング専攻(2・3年)では、餅つきや「だし」の文化など、和食の本質を学ぶ機会を設けています。
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伝統行事(家隆忌・芭蕉忌・和歌披講会)の継承 本校には代々引き継がれている独自の伝統行事があります。
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家隆忌(6月): 歌人・藤原家隆卿の遺徳を偲び、夕陽丘家隆塚にて生徒会を中心に献歌・献茶を行いました。
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芭蕉忌(11月): 松尾芭蕉を偲び、普通科の生徒が俳句を詠みます。優秀作品は「秀句」として発表されます。
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新年和歌披講会(2月): 藤原定家の血脈を引く京都冷泉家によるご指導のもと、今回で90回目を迎えました。天皇陛下の大御歌(おおみうた)とともに、今年は「夢」というお題で詠まれた生徒の秀歌が披講されました。生徒自身の手でこの厳かな伝統を次世代へと繋いでいます。
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振り返り
今年度は特に「人権教育」と「国際交流」に注力した一年でした。共学化により活動の幅がさらに広がり、生徒一人ひとりが多様な価値観に触れる有意義な教育活動を展開することができました。
来年度の活動計画
来年度に向けた展望
1. 全体方針:活動の「深化」と「主体性」の向上
これまで行ってきた行事は継続し、そのうえで内容をもっと深いものにできるように「深化」できるようにしたいです。
生徒による活動を充実させ、より良い活動にで切るようにしていきたいと考えています。
2. 重点的な取り組み事項
① 国際理解:交流から「共創」へ
単なる相互訪問や文化紹介に留まらず、共通の社会課題をテーマとした共同プロジェクトを推進したいと考えています。
- ICTの活用: オンラインツールを常態的に活用し、物理的な距離を超えた継続的な対話・協働学習の場を創出する事を目標としています。
② 人権教育:当事者意識の醸成と発信
人権問題を「知る」段階から、地域や社会へ「働きかける」段階へとステップアップを図りたいと考えています。
- ボランティアの自律化: 献血ボランティアや地域イベントへの参加を通じ、生徒自らが新たな地域課題を発見し、解決に向けたボランティア活動を自発的に企画する文化を作っていきたいです。
③ 伝統文化:伝統と「持続可能性(SDGs)」の融合
本校が長年守り続けてきた伝統行事に、現代的な「持続可能性」の視点を加え、多角的な理解を深めていきたいです。
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伝統の再定義: 和歌や和食文化の中に潜む「自然との共生」や「精神的豊かさ」を再発見し、ESD(持続可能な開発のための教育)の視点からその価値を整理したいです。
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文化のグローバル発信: 90回を数える「新年和歌披講会」などの稀少な伝統文化を、多言語で世界へ発信。異文化理解のツールとして伝統を活用していきたいと考えています。
3. 活動の評価と可視化
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ESDカレンダーの運用: 年間の活動がSDGsのどの目標(17のゴール)に該当するかを可視化し、生徒一人ひとりが自分の活動の社会的意義を実感できる仕組みを整えていきたいです。
まとめ:次年度への期待
共学化3年目を迎えるにあたり、多様な視点が混じり合う本校の強みを最大限に活かします。「地域で学び、世界とつながり、伝統を未来へ運ぶ」ユネスコスクールとして、生徒たちがより広い視野で社会に貢献できる教育活動を展開していく予定にしています。


