2022年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

海洋, 気候変動, エネルギー, 環境, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 国際理解, 福祉

本校は,「かかわり,つながり」を活動テーマとして,ESDを「人間性を育むとともに,人との関係性,社会との関係性,自然環境との関係性を認識する教育」と捉え,ユネスコスクールが重点的に取り組む3つの分野のうち持続可能な開発および持続可能なライフスタイルについての実践を通して,「体系的な思考力」「持続可能な発展に関する価値観」「コミュニケーション能力」の育成を目標とした。
具体的には,エネルギー環境教育,国際理解教育を柱に,「地域のひとや環境に係わる活動」「エネルギー環境に関する課題に係わる教育」「外国語活動,外国語科の学習と関連させた国際理解に係わる学習」を行った。

① エネルギー環境に係わる教育(SDGs7・SDGs11)
エネルギーの消費と環境への影響,環境保全のための取組などについて,生活科や総合的な学習の時間を中心に「エネルギー環境教育」を教育課程に位置づけた学習を行った。各学年の発達段階を踏まえ,低学年では,自然への親しみとエネルギーを大切にする心情を,中学年では身近なエネルギーと環境問題についての理解を,高学年では地域や大牟田市へと意識を広げながら「省エネ・省資源」「自然環境の保持・美化」への実践と発信を目標に設定し,体験的な活動を通しながら系統立てた指導を行った。そして,自分事としてエネルギー環境についての課題を捉えさせ,校内や家庭,地域へ向けて発信や実践を行った。
具体的に1年生では,あさがおを育て,緑のカーテンづくりをしてエアコンを使わなくても涼しくなることを体感した。3年生では,ソーラークッカーでエコクッキングを体験し,クリーンエネルギーについて考え,自分達にも実践できることを考えた。5年生では,校区の川に住んでいる生き物や水質を調査し,家庭排水が主な原因であることを知り,川の清掃活動に取り組んだ。考えたことを他校(5校)の児童と交流し,自分達が実践していくだけではなく,多くの人に知ってもらい,実践を広げていくことが大切なことを共通理解し,それぞれで発信していくことを決めた。脱炭素チャレンジカップ2023では,ファイナリストに選出された。6年生では,石炭産業と共に発展してきた市の歴史と公害,生活環境に配慮したまちづくりを進めている現在の市の施策について考えることで,エネルギーミックスの考えや未来の大牟田について自分達にできることを考えた。

③ 相手意識・目的意識をもって主体的にコミュニケーションを図る国際理解教育
外国語科,外国語活動,英語活動の学習と関連させ,学級の友達だけではなく,異学年や家庭,教師と積極的にコミュニケーションを図ることができるような目的,場面・状況等を設定した。1年生は,生活科遠足でお世話になった2年生へフルーツケーキカードを贈るためにインタビューしたり,5年生は,委員会やクラブでお世話になった先生にオリジナルランチメニューを考え,英語でおすすめポイントを紹介したりする活動を行った。実際に知りたいことを尋ねたり,自分の思いを伝えたりする経験をすることで,日本語でも相手意識・目的意識をもちコミュニケーションを図れるようになってきた。

来年度の活動計画

令和5年度も,ESDにおいては,エネルギー環境教育,国際理解教育を柱とした体験的活動や探究活動を充実させていきたい。そのために,
1.全教科・全領域にまたがるESDの実践を通して.PDCAサイクルを確立させながら,令和4年度の実践をさらに高めていく。
2.ESDでねらう資質・能力の系統性を意識して,取組を見直し,継続していく。
3.身近な「ひと・もの・こと」を最大限活用できるよう,教師の活用力・指導力のブラッシュアップを図っていく。
4.SDG7・11の実現に向けて実践していることを全児童に意識させ,発信する場や方法を提案し,活動を広げていくことができるようにする。