2020年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 海洋, 減災・防災, 環境, 世界遺産・地域の文化財等, 国際理解, 人権, 福祉, 持続可能な生産と消費, 食育

 

本校は、「自分と地域の人や自然環境,歴史,産業との関わりや繋がりを通して,よりよい社会を共に創造していこうとする児童の育成」を理念とし,生活科・総合的な学習の時間を中核に据え,ESDに取り組み,SDGs17の目標を指針として,時代の大きな変化の理解と柔軟な対応力の素地を養う学習として成立させている。具体的には,海洋(含防災),地域・環境,福祉を三本柱として,①海洋に係わる活動(SDGs14・13・12・9)②防災に係わる活動(SDGs13・14・7)③住みよい暮らしに係わる活動(SDGs11・17)を行った。

ア 海洋に係わる活動

 

・4年生は,6月~12月の期間「海洋プラスチックゴミ」について学習した。学習には,地域ダイバーの方,プラスチックゴミを削減することを呼び掛けている地域の方,市の担当者,プラスチック削減に貢献する企業の方の話を伺う機会を得た。また,東京海洋大学の准教授から直接講話をいただく機会をつくった。更に,児童自身がプラスチックゴミ調査を行い,その多さを実感した。豊富なステークホルダーを準備したり,調査を行ったりしたことで,児童の海洋ゴミに対する関心が高まると共に,自分自身にできることを振り返ったり,「プラスチックゴミ削減」のポスターを作成し,地域や商店,公民館,各種学校に掲示をお願いしたりした。

 

 

 

 

 

・5年生は,「森と海の繋がり」「海と生きる~ぼくたちは気仙沼の海大使~」の単元を学習した。「森と海の繋がり」では,宮城県気仙沼水産試験場や舞根森里海研究所,松岩浅海漁業研究所,松岩愛林公益会の協力を得て,プランクトンの観察,養殖場の見学と体験,植林体験などを行い,人と環境の関わりを実感する学習を行った。「海と生きる」の単元では,人々と産業にスポットをあて,気仙沼市魚市場,水産加工会社,終末処理場の見学,伝統的な漁法とこれからの漁業の在り方についての講話を伺う機会をつくった。以上の価値ある体験を基盤に据え,探究型学習を進めた。

 

イ 防災に係わる活動

・4年生は,「守ろう!私たちの命」の単元では,震災の年に生まれた子ども達に,東日本大震災について伝える活動から学習を展開した。地域の避難所となった公民館を見学し,その当時から勤務していた職員から講話をもらう。また県防災指導員の方をGTとして招き,大震災当時の気仙沼の様子や「自助」として,4年生ができることを教えていただく機会をつくった。

 

ウ 住みよい暮らしに係わる活動

・1年生,2年生は,生活科の地域探検を通して,学校の近くの公的な場所や地域の人と触れ合う活動を行い,地域の人が自分達を支えてくれていることを理解できた。

・3年生は,「地域の人たちと交流しよう」の単元を学習し,「地域の人との共生」をフォーカスした学習を展開した。また,支援学校との絵画交流も行い,多様性を認め尊重する心の素地を養った。

・6年生は,「気仙沼の食」について学習し,気仙沼の食の豊かさを学習すると共に,特産物を広告塔に据え,未来の気仙沼を観光都市として蘇らせることを目的に活動を行った。また,この学習を通し,フードロスについても考えることができた。

来年度の活動計画

「海洋」のプログラムのブラッシュアップを行う。今年度,4,5年生が主体となった海洋であったが,6年生では,「未来の松岩を描こう」という6年間の総合学習の総まとめの学習が設定されている。その学習の中で,海洋の視点も盛り込んだ小学生による「松岩都市構想計画」を立てさせたい。そのために,「気候変動」や「エネルギー」,「スマートシティ構想」「地域創生」「人権」などについても,より深く理解させ,学習を展開していく。