2022年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

海洋, 減災・防災, 気候変動, 環境, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 福祉, 持続可能な生産と消費, 食育

本校では「自分と地域の人や自然環境、歴史、産業との関わりやつながりを通して,よりよい社会を創造していこうとする児童の育成」を理念とし,ユネスコスクールが重点的に取り組む3つの分野のうち,②③を通して「時代の大きな変化への理解と柔軟な対応力の素地」の育成を目標とした。具体的には,海洋(含防災),地域・環境,福祉を三本柱とした。ここでは,特に重点的に取り組んだ海洋学習について表記する。
・第1学年では,国語「いろいろなふね(東京書籍)」の学習後の発展的な学習として,気仙沼市にある造船所やマグロ延縄船の見学を通して,深い学びにつなげた。


・第2学年および第3学年は,海に親しむ活動を遠足の際に実施。気仙沼大島および志津川湾を学習場所として,化石の採集や海辺の生き物の観察に取り組んだ。また,見学場所に専門家を招聘し,児童と対話を通して学習活動を充実させた。
・第4学年では,総合的な学習の時間に「海洋プラスチックごみ」について学習した。気仙沼大島の田中浜で「プラごみ調査」を実施し,マイクロプラスチックごみが多くあることに気付いた。また,ごみ削減のために活動している地域の方や,探究学習コーディネーターを招いて講話を聞いた。さらに,発信するためのポスター作りに取り組み,地域にある大型商業施設や美術館,公民館などに掲示してもらった。また,震災に関する記録資料の展示を見学したり,防災士の講話を聞いたりするなど,防災に関する学習にも取り組んだ。
・第5学年では「森と海のつながり」「海と生きる~わたしたちは気仙沼の海大使~」のテーマで学習した。「森と海のつながり」の学習では,松岩浅海漁業研究, 松岩愛林公益会の協力を得て,ワカメの養殖体験や植林体験を行ったり,磯の生物調査を行ったりした。「海と生きる」の学習では,社会科の学習と関連付け「気仙沼の水産業」について探究学習を展開した。魚市場見学を通して,気仙沼の水産業を支える様々な仕事をする人の工夫や苦労,思いに触れ,学んだことを長崎県対馬市の学校とオンライン交流することで学びを深めた。

・第6学年では,海洋の視点で地球温暖化について学習した。自分たちにできることを考え,行動し,発信することを通して学びを深めた。地域の文化や歴史,震災からの復興について学び,国語の「町の幸福論(東京書籍)」の学習と関連付けながら,未来の町づくりについて考えた。

来年度の活動計画

海洋教育の視点から,学年間の内容や学習方法の系統性を意識しながら活動することができた。次年度も,海洋((含防災),地域・環境,福祉を三本柱とし,地域との協働を推進しながら,地域の中の一人として「どのように生きていくのか」といった自分の生き方・在り方につながるような展開を工夫していく。これまで実践してきている「探究学習」についても,様々な体験活動を通して自らの「問い」をもち,主体的に解決できるような力をつけさせていく。そのためにも,身に付けさせたい力を共有しながら,教職員が「探究学習」「教科横断的」な学習が展開できるように研修を深めていく。