2021年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

海洋, 減災・防災, 気候変動, 環境, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 福祉, 持続可能な生産と消費, 食育

本校は、「自分と地域の人や自然環境,歴史,産業との関わりや繋がりを通して,よりよい社会を共に創造していこうとする児童の育成」を理念とし,生活科・総合的な学習の時間を中核に据え,ESDに取り組み,SDGs17の目標を指針として,時代の大きな変化の理解と柔軟な対応力の素地を養う学習として成立させている。
具体的には,海洋(含防災),地域・環境,福祉を三本柱として,①海洋に係わる活動(SDGs14・13・12・9)②防災に係わる活動(SDGs13・14・7)③住みよい暮らしに係わる活動(SDGs11・17)を行った。特に重点化した海洋学習について表記する。
海洋教育からみた持続可能社会の創造について
・2年生および3年生は,海に親しむ活動を遠足の際に実施。気仙沼大島および志津川湾を学習場所として,化石の採集や海辺の生き物の観察を楽しんだ。また,見学の各所に専門家においでいただき,児童と対話をしながら,学習活動を実施した。
   
・4年生は,6月~12月の期間「海洋プラスチックゴミ」について学習した。学習には,プラスチックゴミを削減することを呼び掛けている地域の方,市の担当者,プラスチック削減に貢献する企業の方の話を伺ったり,東京海洋大学学術研究院海洋資源エネルギー学部門准教授の内田圭一先生に直接講話を頂戴したりした。更に,児童自身がプラスチックゴミ調査を行い,その多さを実感した。豊富なステークホルダーを準備したり,調査を行ったりしたことで,児童の海洋ゴミに対する関心が高まると共に,自分自身にできることを振り返ったり,「プラスチックゴミ削減」のポスターを作成し,地域や商店,公民館,各種学校に掲示をお願いしたりした。また,震災についての学習も行った。
   
・5年生は,「森と海の繋がり」「海と生きる~ぼくたちは気仙沼の海大使~」の単元を学習した。「森と海の繋がり」では,宮城県気仙沼水産試験場や舞根森里海研究所,松岩浅海漁業研究所,松岩愛林公益会の協力を得て,プランクトンの観察,養殖場の見学と体験,植林体験などを行い,人と環境の関わりを実感する学習を行った。「海と生きる」の単元では,人々と産業にスポットをあて,気仙沼市魚市場,水産加工会社,終末処理場の見学,伝統的な漁法とこれからの漁業の在り方についての講話を伺う機会をつくった。以上の価値ある体験を基盤に据え,探究型学習を進めた。
   
・6年生は,海洋からみた地球温暖化について学習を深めた。日本キリバス協会代表理事のケンタロ・オノさんの講話や水産試験場,自然環境活用センターの専門家との対話を通して,自分達の生活と海洋にもたらされる気候温暖化による影響について探究すると共に,自分達にできる行動変容の在り方について考え,校内児童や地域の方に提案を行い,実践化を図った。
   

来年度の活動計画

海洋教育的な視点に立った学習のプログラム整備を2021年には行うことができた。次年度は,地域遺産学習の展開を考え,本学区に点在する地域遺産や伝承芸能について調べる学習を計画している。また福祉についての視点にも重きを置き,高齢化社会及び多様な社会に生きる力を育むことが出来るよう,多様な人々とコミュニケーションを図り,お互いを認め合う学習プログラムの構成を深める。
過去2年間はコロナ禍のため「人との繋がり」について実感できる学習がストップしていた。そうした学習を復活させながら,上記の2点にフォーカスし,「共生する社会」について考えさせるプログラムを再構成していく。