2020年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, エネルギー, 環境, 国際理解, 平和, 人権, 健康, グローバル・シチズンシップ教育(GCED), その他の関連分野

本校は、「つながる」を活動テーマとして、ESDを生きる力と捉え、ESDの実践を通して創造的なコミュニケーション能力の育成を目標とした。

具体的には、環境、GCED(人権・平和)、国際理解を柱に、①国際理解に係わる活動、②人権・平和に係わる教育、③地域と環境に係わる学習、④ホタルに係わる活動を行った。

 

① 国際理解に係わる活動

1年生では、国際問題や環境問題に関心をもち、世界の人々の幸せのために、SDGsについて知ることで、自分たちにできることを考えるという目標のもと、学年全体でSDGsの目標の確認、「世界がもし100人の村だったら」を用いての授業、世界の国調べ(世界各国の子どもの生活について)など、世界の現状にも目を向ける学習を行った。次に、SDGsや世界の国について2回にわたり、調べてレポートを作成した。また、12月には、中間発表として感想のシェアや掲示を行った。このような活動を通して、一人一人の生徒が世界の人々の幸せのために自分たちにできることは何かと意識を高めることができた。

② 人権・平和に係わる教育

これからの多様化する社会において主体的に活動する市民を育成する教育を意識して、3年間を通して学ぶ、「学年ESD」の取組を行っている。具体的には、第1学年はSDGsについて「知る」、第2学年は自分たちにできるSDGsと環境を「深める」、第3学年はSDGsとコロナウイルス感染症と社会の関係性を「広げる」をテーマに各学年で自分たちが実行できることを考え、3年間を見通したSDGsの活動に向けて意見を出し合った。今年度はコロナウィルス感染症予防対策のため、例年通りの全体での集会形式での報告会の実施が難しかったため、前期にはサミット形式での取り組み内容の共有を実施した。また、12月には掲示物による中間報告、後期には1年間の取り組んだ成果と課題、来年度の取組についてSDGsサミットでの報告会を行った。このような活動を通して、これからの地域や環境、自分自身の生き方を意識して行動できるようになるための教育を行っている。

③ 地域と環境に係わる学習

2年生では、2050年の大人づくりを目指して、各仕事とつながる社会における課題として「環境」をテーマとし、事前学習ではSDGsの目標をより自分事にする「黒崎中学校版SDGsの目標とアクションプラン」を作成した。その中で、日本や北九州、企業のSDGsの取組について学習した後、北九州市環境局からゲストティーチャーを招き、北九州市のSDGsの取組や公害問題、エネルギー問題について学習した。その後、学年で未来のエネルギーや、環境問題について調べて新聞等を作成した後、北九州市環境首都検定の受検することで学びの深化を図った。また、「食品ロスへの協力(給食の残食ゼロ運動)」や「住み続けられる街づくり(ゴミゼロ運動等)」などの啓発ポスター制作と学校・地域へのポスター掲示、ペットボトルキャップの回収を行った。このような取組を共有した上で、この先、人間が地球と共存していくために今できることや、自分たちが継続して取り組むことや地域でできることを話し合い、地域や企業への提案を考える。

④ ホタルに係わる活動

本校前を流れる撥川を地域の人々や団体が保全し、環境のシンボルであるホタルが、なぜ飛ぶようになったのか。環境の変化と地域の努力について学習し、自然環境の大切さとこれから、自分たちができることを考える。その中で、地域団体であるラブリバー撥川ネットワークの方々をゲストティーチャ-として、エコ・ガーデニング部のホタルの飼育活動との交流や全校生徒による撥川地域清掃を通して、環境保全や地域との連携の重要性、生態系における連携性を考える。

来年度の活動計画

令和3年度も、①国際理解に係わる活動、②人権・平和に係わる教育、③地域と環境に係わる学習、④ホタルに係わる活動を中心に活動していく予定である。①③については、来年度はユニクロなどの企業やJICAなどの組織と連携し、エネルギーパークや環境ミュージアムなどの施設訪問を行い、国際問題や環境問題についての学習を進めていく。また、②についても、人権・平和のために必要なスキルや態度をさらに育成していきたいと考えている。④のホタルについては、校内の水環境を整え、取組開始後3年間成功しなかったヘイケボタルを飛ばす計画を進めていく予定である。