2018年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 環境, 国際理解, 貧困, グローバル・シチズンシップ教育(GCED)

本校は、「つながる」を活動テーマとして、ESDを生きる力と捉え、ESDの実践を通して創造的なコミュニケーション能力の育成を目標とした。

具体的には、環境、GCED、国際理解を柱に、①国際理解に係わる活動、②GCEDに係わる教育、③地域と環境に係わる学習、④ホタルに係わる活動を行った。

① 国際理解に係わる活動

国際問題や環境問題に関心をもち、自分たちにもできる社会貢献を実感させるため、難民問題を自分のこととして捉える学習を行った後、ユニクロによる難民の現状を題材とした学習を通じて、身近な国際協力“届けよう服のチカラ”プロジェクトに参加した。なかなか服が集まらず、近隣の3小学校にも実行委員の生徒がポスターを描いて呼びかけを行うなど、協力を依頼する場を設定した。その後、順調に古着が回収され、UNHCRを経由して世界各地の本当に服を必要としている方々に送られた。3学期は“届けよう、服のチカラ”プロジェクトの成果について、各学級で振り返りを行う予定である。

② GCEDに係わる教育

これからの多様化する社会において主体的に活動する市民を育成する教育を意識して、各学級で「学級ESD」の取組を行っている。具体的には、第1学年は地域、第2学年は環境、第3学年は地域と未来をテーマに各学級で自分たちが実行できることを考え、意見を出し合う。そのまとまった内容を1学期の生徒総会で、2学期には実践した内容の中間報告を文化発表会で発表し、3学期は1年間の取り組んだ成果と課題を学年集会やレポートにまとめ、校内に掲示する活動を通して、これからの地域や環境、自分自身の生き方を意識して行動できるようになるための教育を行っている。

③ 地域と環境に係わる学習

2050年の大人づくりを目指して、各仕事とつながる社会における課題として「環境」と「未来」をテーマとし、事前学習で環境問題や企業の環境への取組について学習した後、各職場で仕事を体験する。各職場では、体験活動だけでなく、環境に対する取組についてのインタビューを通して、それぞれの考えや苦労を知る。体験後には、各職場の取組を共有した上で、この先、訪問した職場が継続してために何が必要かを考え、自分たちや地域でできることを話し合い、地域や職場への提案を考える。

④ ホタルに係わる活動

本校前を流れる撥川を地域の人々や団体が保全し、環境のシンボルであるホタルが、なぜ飛ぶようになったのか。環境の変化と地域の努力について学習し、自然環境の大切さとこれから、自分たちができることを考える。その中で、地域団体であるラブリバー撥川ネットワークの方々をゲストティーチャ-として、エコ・ガーデニング部のホタルの飼育活動との交流や全校生徒による撥川地域清掃を通して、環境保全や地域との連携の重要性、生態系における連携性を考える。

来年度の活動計画

平成31年度も、①国際理解に係わる活動、②GCEDに係わる教育、③地域と環境に係わる学習、④ホタルに係わる活動を中心に活動していく予定である。①については、来年度もユニクロなどの企業やJICAなどの組織と連携して、国際問題や環境問題についての学習を進めていく。また、②についても、GCEDのために必要なスキルや態度をさらに育成していきたいと考えている。④のホタルについては、校内の水環境を整え、今年度成功しなかったヘイケボタルを飛ばす計画を進めていく予定である。