2019年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, エネルギー, 環境, 国際理解, 平和, 人権, その他の関連分野

本校は、「つながる」を活動テーマとして、ESDを生きる力と捉え、ESDの実践を通して創造的なコミュニケーション能力の育成を目標とした。
具体的には、環境、GCED(人権・平和)、国際理解を柱に、①国際理解に係わる活動、②人権・平和に係わる教育、③地域と環境に係わる学習、④ホタルに係わる活動を行った。

① 国際理解に係わる活動

国際問題や環境問題に関心をもち、世界の人々の幸せのために、まずは身近な人の幸せを考え行動できるようになろうという目標のもと、学年全体でSDGsの目標の確認、「世界がもし100人の村だったら」を用いての授業、世界の国調べ(世界各国の子どもの生活について)など、世界の現状にも目を向ける学習を行った。次に各学級で討議をもとに取り組んだことは、「学級意見箱」「よいところカード」「いい人グラフ」「よい人総選挙」「課題見つけ」である。毎週学級討議を取り入れたり、活動結果を報告したりするなど、よりよい集団作りを目指して活動を続けた。11月には、各学級で実践した内容の中間報告を文化祭で発表し、学級や学年集会で振り返りを行い、レポートにまとめた。このような活動を通して、一人一人の生徒が互いのいいところや課題を認め合い支え合いながら、よりよい集団を形成していこうと意識した行動が増えてきた。

② 人権・平和に係わる教育

これからの多様化する社会において主体的に活動する市民を育成する教育を意識して、各学級で「学級ESD」の取組を行っている。具体的には、第1学年は人間関係、第2学年は環境、第3学年は地域と未来をテーマに各学級で自分たちが実行できることを考え、意見を出し合う。そのまとまった内容を1学期の生徒総会で、2学期には実践した内容の中間報告を文化祭で発表し、3学期は1年間の取り組んだ成果と課題を学年集会やレポートにまとめ、校内に掲示する活動を通して、これからの地域や環境、自分自身の生き方を意識して行動できるようになるための教育を行っている。

③ 地域と環境に係わる学習

2050年の大人づくりを目指して、各仕事とつながる社会における課題として「環境」と「未来」をテーマとし、事前学習で環境問題や企業の環境への取組について学習した後、学級ごとにエネルギーパークや環境ミュージアム等の施設訪問などで公害問題、エネルギー問題を学習する。その後「住み続けられるまちづくり」「安全な水とトイレを世界中に」などの啓発ポスター制作と学校・地域へのポスター掲示を行った。また、農村民泊体験学習で仕事を体験する。各家庭では、体験活動だけでなく、環境に対する取組についてのインタビューを通して、それぞれの考えや苦労を知る。このような取組を共有した上で、この先、人間が地球と共存していくために今できることは何かを話し合い、自分たちが継続して取り組むことは何が必要かを考え、自分たちや地域でできることを話し合い、地域や企業への提案を考える。

④ ホタルに係わる活動

本校前を流れる撥川を地域の人々や団体が保全し、環境のシンボルであるホタルが、なぜ飛ぶようになったのか。環境の変化と地域の努力について学習し、自然環境の大切さとこれから、自分たちができることを考える。その中で、地域団体であるラブリバー撥川ネットワークの方々をゲストティーチャ-として、エコ・ガーデニング部のホタルの飼育活動との交流や全校生徒による撥川地域清掃を通して、環境保全や地域との連携の重要性、生態系における連携性を考える。

来年度の活動計画

 令和2年度も、①国際理解に係わる活動、②人権・平和に係わる教育、③地域と環境に係わる学習、④ホタルに係わる活動を中心に活動していく予定である。①③については、来年度もユニクロなどの企業やJICAなどの組織と連携し、エネルギーパークや環境ミュージアムなどの施設訪問を行い、国際問題や環境問題についての学習を進めていく。また、②についても、人権・平和のために必要なスキルや態度をさらに育成していきたいと考えている。④のホタルについては、校内の水環境を整え、取組開始後2年間成功しなかったヘイケボタルを飛ばす計画を進めていく予定である。