2021年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

減災・防災, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 平和

本校は,今年度,「地域文化の伝承と創造」,「防災・減災」をテーマに活動を行った。また,コロナ禍で修学旅行の行き先の変更などがあったこともあり,地域学習の一環として,平和学習の取組を始めた。これらの学習において,SDGsを考慮しつつ,ESDを持続可能な地域・社会の構築について考える教育と捉え,ESDの実践を通して,教科での学習を基に持続可能な社会を実現するために自分たちに何ができるか主体的に判断・行動する力の育成を目標とした。

具体的には総合的な学習の時間,社会科,理科,技術家庭科(技術分野),特別の教科道徳の時間を柱に,①組曲や職場体験,筆づくりなど地域の伝統文化・産業を体験する活動,②防災・減災を視点とした,地域の今後の発展に関わる活動,③平和学習を行った。

①地域の伝統文化・産業を体験する活動

総合的な学習の時間を使って「地域文化の伝承と創造」をテーマにして,毎年,「組曲・筆の都くまの」の製作に全校で取り組んでいる。これは,町内に現存する「筆まつり唄」や「筆踊り」を発展させ,和太鼓,篠笛等の和楽器を取り入れて創作したもので,約15分間,全校生徒が演じる。和楽器などのパートの他に,踊りのパート,書道部のパートに分かれて活動を行い,これまで学校の体育祭や文化祭に地域に向けても披露してきた。

今年度はコロナ禍の影響を鑑み,組曲のみの発表会を実施した。例年であれば,全校での取り組みになるが,1年生だけは,上級生の練習などを参観したり,今までの取り組みを学習したりと違う形での地域学習を行い,「地域文化の伝承と創造」の学習を継続させた。

また,今年度も職場体験学習も中止となり,熊野町の伝統産業である筆産業に関わる機会がとれなかった。

②防災・減災を視点とした,地域の発展に係わる教育

平成30年に西日本豪雨災害で大きな被害を受けたこともあり,防災・減災を視点とした教育活動を実施した。今年度は,1学年では自助の視点,2学年では共助の視点,3学年では公助の視点での学習を行った。1年生では防災マップと実際の土砂崩れの現場を見比べて,効果的に防災マップを読み取る技能の育成を行った。2学年では地域の自主防災組織の代表者をゲストティーチャーとして招き,共助のあり方について地域への提案を行う予定である。3学年では地域の防災センターと連携を図り,避難所のあり方について地域へ提案を行った。また,教科だけでなく生徒会活動においても健康美化委員会が自然災害時の対応や防災カレンダーの掲示を通して,災害への備えの啓発を行った。

③平和学習

修学旅行で鹿児島・知覧を訪問するにあたり,広島の原爆の被害についての学習を行った。また,知覧特攻平和会館での講話や事前・事後学習を通して,修学旅行新聞など,平和について学習した内容を校内で発信した。

来年度の活動計画

引き続き「地域文化の伝承と創造」をテーマに,熊野町の伝統文化である「筆」を題材とした,「組曲 筆の都くまの」の第20代目の発表に向けて取り組む。

防災・減災を視点とした,地域の発展に係わる教育においては,学年ごとに「自助」「共助」「公助」を視点とした学習を行い,さらにその成果を地域に発信できるような取組を行う。

平和学習では,広島と修学旅行先の事前学習から,現代の世界において平和に向けて課題をベースとしているSDGsを踏まえた社会科などの学習を行う機会を保障する。