2018年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

国際理解, 平和, 人権, 世界遺産・地域の文化財等, グローバル・シチズンシップ教育(GCED)

本校は、「国際理解教育」を学校理念として、ESDを持続可能な社会づくりの担い手を育むための教育と捉え、ESDの実践を通して、我が国の文化や伝統などに対する理解を深め、これらを愛する心を育成するとともに、広い視野を持って異文化を理解し、異なる習慣や文化をもった人々とともに生きていくための資質や能力の育成を目標とした。

具体的には、ふるさと学習、国際交流を柱に、①世界遺産や地域の文化財等に関する教育、②国際交流に係わる活動を行った。

①世界遺産や地域の文化財等に関する教育

私たちが住む和歌山県には世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」があり、本校はその一部である高野山のふもとに位置している。空海の開いた高野山は1200年を超える歴史を有し、仏教の聖地として信仰の中心地であるだけでなく、国宝や重要文化財に認定された多くの仏教美術や建築物を保有している。この地域の宝である世界遺産や文化財を学ぶことにより、歴史や文化、伝統などに対する理解を深め、自分たちの地域に誇りを持ち、そのよさを発信し、地域の発展につなげることを目標に取り組んでいる。中学校では、総合的な学習の時間にふるさと学習を行っている。3年間を通して、ふるさとに誇りを持ち、自らが次世代に向けてふるさとのよさを伝える担い手となるよう意識づけをすることを目標としている。1年生は、「わかやま何でも帳」を使って自作のわかやまクイズを作成し、県主催の「わかやまクイズ」に挑戦した。2、3年生は町石道を、地域で活躍している世界遺産マスターの方々のガイドで歩き、学んだことをスライドにまとめた。また、全学年で「わかやまふるさと検定」を受検した。高校では、1年生のロングホームルームの時間に、「ユネスコLHR」を実施している。今年度は、ASPUuniNetの事務局長に講演に来ていただき、ユネスコスクールとESDについての理解を深め、グループでの調べ学習を中心に、地域のよさや課題を発見し、持続可能な地域の発展を目指して、自分たちの考えをポスターにまとめ、ポスターセッションという形で情報を共有した。

②国際交流に係わる活動

本校は中国山東省の姉妹校と、隔年で学校訪問による交流を行っている。今年度は10月に5名の高校生が中国を訪問した。姉妹校での交流やホームステイを通して、生活習慣や高校生活を体験した。また、世界遺産である万里の長城や故宮などの建造物を見学し、中国の歴史や伝統に対する理解を深めた。また英語の語学研修と異文化理解を目的として、昨年度に引き続き3月に短期海外研修を実施する。ホームステイや現地の生徒と交流を通して、語学力の向上とともに、異なる習慣や文化を持った人々とともに生きていくための資質やコミュニケーション能力の向上を目指している。

来年度の活動計画

➀中学校では今年度に引き続き、3学年とも「ふるさと学習」を総合的な学習の時間の中心として取り組む予定である。世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」について、世界遺産マスターに指導を受けながら、1年は学習、2、3年は現地学習と発表を実施する予定である。3年生は台湾修学旅行で現地の中学生に、「ふるさと学習」の成果を英語で紹介し、SDGsの調べ学習と発表も行う。高校では引き続き、1年生全員がロングホームルームの時間を使って、地域のよさをみつけて、ポスターセッションによる発表を行う予定である。持続可能な地域の発展のために、ユネスコスクールの生徒としてどのように地域活性化に関わっていけるのか、学びと話し合いを通して、考える力をつけたい。また、地域の団体や住民との交流も検討していきたい。

②国際交流事業では、平成31年度は中国の姉妹校の生徒の来校、また3月のオーストラリア短期海外研修を通して、異文化理解と、語学力、コミュニケーション力を向上させる機会としたい。また、「ふるさと学習」での発表や「ユネスコLHR」でのポスターセッションの経験を生かして、日本の魅力を現地で発信できるよう、英語でのプレゼンを行う予定である。