2019年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

減災・防災, 福祉

本校は,「時代の変化に対応できる力と豊かな心を持ち,たくましく未来を拓く生徒の育成」を学校教育目標として,ESDを変化の激しい未来に向けて自らの進むべき道を切り拓くことができる力と心を育む教育と捉え,ESDの実践を通して未来を拓く力の育成を目標とした。
具体的には,東日本大震災とその教訓を学び,復興を支援し、自らの地域の防災・減災を担い,そして地域に貢献する活動を柱に,①中学生が主導する住民参加型の地域防災訓練に係わる防災教育 ②中学生による地域貢献に係わる活動 ③いじめ抑止教育とマインドフルネスに係わる学習を継続的に行った。
①中学生が主導する住民参加型の地域防災訓練に係わる防災教育
早朝の地震発生を想定し,各地区の一時避難所へ避難をした。その後,中学校に集合し,避難所開設訓練や災害時のサバイバル生活体験を行った。避難所開設訓練では,情報の掲示板作成や名簿作り,食料物資の配給なども体験した。これらの体験活動により,防災・減災の知識やスキル,非常時に求められる行動をシミュレーションすることができた。このような学習を通して,生徒は支えられる人から支える人,支え合う人へと変容している。
②中学生による地域貢献に係わる活動
今年度も8月末の日曜日に全校生徒がそれぞれの地区に分かれ,住民や小学生と一緒に学区内地域清掃を行った。吹奏楽部は,市民センターなどで積極的に演奏を披露し,家庭部は幼児向け講座「つくって遊ぼう」,「つくって食べよう」,科学部は小学生向け「科学教室」,美術部は作品展示だけでなく,児童館まつりでのボランティアなどを市民センターや児童館で年に数回実施した。さらに本校学区内の3つの小学校が開催するPTA行事や運動会などの学校行事などで自主的かつ積極的に奉仕活動を行った。
③いじめ抑止教育とマインドフルネスに関わる学習
ここ数年仙台市内で自死事案が相次ぎ,本校においてもいじめ問題は最重要課題となっている。このため本校では数年前からいじめ抑止教育と心の育成を図るマインドフルネスを実践研究している。今年度も,平成帝京大学から中村先生をお招きして,いじめ防止プログラムであるロールプレイングの実践を1・2年生で行った。授業準備のための教職員を対象とした講話と授業実践,最後に指導・助言を頂き,大変有意義な研修であった。本校では,この共同実践を通して,いじめ発生自体を抑止する教育と,苦悩・苦難を耐え抜く心を培う教育を実践している。

来年度の活動計画

令和2年度の活動計画は,本校での中学生が積極的に参加する地域防災訓練を,引き続き実践したり,生徒会による防災教育や講演会を開催したりする。さらに生徒や教師が「学習成果を発信」し,ボランティアスピリットやESD大賞に応募したり,ジャパンレジリエンスアワードに応募したりするなど,積極的に外部への発信とその評価を受ける予定である。

また,「実践を評価する」においては,実践後のアンケート調査を行ったり,大学等の専門的立場の方々から評価を受けたりするなど,実践内容とその方法等の改善と工夫を生徒と教員が共に考えていきたい。