2022年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

減災・防災, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 国際理解

本校の立地する周辺には、世界遺産熊野古道、紀伊山地の霊場とその参詣道、具体的には松本峠、浜街道、鬼ヶ城がある。その世界遺産の保全および古道ガイドの育成(熊野古道プロジェクト)と、南海トラフで発生するプレート型巨大地震および津波に備え、防災・減災教育を推し進める(防災プロジェクト)ことが、本校の活動目的である。今年度も昨年度に引き続き、新型コロナウイルス感染症の予防および拡大防止に配慮しながら、計画していた活動のうち可能なものを実施した。
①熊野古道プロジェクトについて
熊野古道プロジェクトは、熊野古道松本峠および浜街道の清掃活動と保全、および古道ガイドの育成である。熊野古道には現在も国内外から根強い人気があり、高齢化の進む本地域では若者におけるガイド育成は重要な課題である。毎年12月に同じユネスコスクールである三重大学と共同で熊野古道ツアーを開催している。日本語でおもに日本人大学生に対して説明をするグループと英語でおもに留学生に対して説明をするグループに分かれ、生徒主導のもと熊野古道のガイドを実施した。

また5年前より三重県地域連携部 南部地域活性化局 東紀州振興課 事業推進班の事業である
『~知って、守って、つなぐ~ SDGs in 熊野古道』に参加し、11月には熊野古道馬越峠を地元の語り部さんと一緒に歩き、熊野古道についての知識を深めるフィールドワークを行い、12月には熊野古道 二木島峠と逢神ボランティアにボランティア活動を行った。

部活動の一環として野球部も熊野古道の保全活動を行っている。

②防災プロジェクト
学校時および登校時を想定して避難訓練を行った。学校時においては、屋上および4階への避難訓練を行っている。また、登校時を想定して街歩きを行いながら通学路から避難できる避難場所を、実際に足を運びながら探し、また災害時の危険箇所を撮影した。後日ホームルームで避難経路の是非を討議し、危険箇所を共有しながら災害時の行動について検討した。
③熊野地域学
三重県熊野農林事務所と協力して、ふるさとを知り将来地域に貢献できる人材づくりを目的とした熊野地域学講座を設定している。また、三重大学による東紀州サテライトを活用して同様の講座を実施している。ただし、今年度も新型コロナウィルス感染症予防および拡大防止のため三重県熊野農林事務所の口座は実施できなかった。いずれも、東紀州の再発見、地域の産業や文化・歴史を知る、地域で活躍する人を知るという内容である。

来年度の活動計画

本校は世界遺産熊野古道に隣接すると同時に、熊野灘・七里御浜まで数百m、海抜6.7mに学校が建っているため、巨大地震における津波や集中豪雨などの災害が身近に起こる環境下にある。また少子高齢化の進む中、ふるさとに生きる喜びと誇りを持つ若者の育成が必要と考える。2022年度も引き続き、熊野古道・防災プロジェクトおよび国際交流をテーマとして同様の活動を進めていく。防災プロジェクトでは、避難経路の把握や検討だけでなく、防災マップの見直し、地域住民と一緒になって行う防災ワークショップの開催等を来年度の活動に加えたいと考える。