2018年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

減災・防災, 環境, 国際理解

本校での学びが気仙沼市内小中学校で取り組んできた「地域と連携したESD」の最終段階となることを意識し,下記の活動を軸としてグローバルリテラシー(思考力,コミュニケーション力,多様性・協働性・行動力)を育成し,自らの進路を探求的に学習する「志教育」へと結びつけることで,持続可能な社会を創造する志と実践力を兼ね備えた人材の育成に取り組んだ。
1)探究型学習
 学校設定科目の1学年全員が履修する「地域社会研究」,2学年創造類型「課題研究Ⅰ」,今年度から実施した3学年創造類型「課題研究Ⅱ」を中心に探究型学習に取り組んだ。テーマ設定ではSDGs17目標との関連を意識させ,学年進行で地域課題研究から世界課題研究へと発展させていくことで,実感を伴った「Think GloballyAct Locally」に結びつく研究活動とした。また,教員の指導力向上を目的とした研修会や授業研究会を実施し,探究型学習とリンクする教科指導マネジメントにも取り組んだ。
2)国際理解学習
気仙沼市の小さな国際大使館と連携した市内外国人による国際理解セミナーや防災フォーラム,技能実習生交流会を実施した。この他,本校独自のC-cube活動,海外の高校生や大学生との交流会,スカイプ交流,海外研修,台湾研修,APU研修などの活動を通して,グローバルな視点で考える資質と英語運用能力の育成に取り組んだ。
3)地域と連携した学習
1年生のフィールドワーク(以下FWと表記)では市役所や地元の企業・NPO法人等を訪問し,地域の現状や課題を学べる体制を整えた。成果発表会にはFW先や市議会議員などを招き,ポスターセッションで議論できる場も設定。この他,FWアドバイザーの委嘱,市や自衛隊と連携した防災学習,小中学生との生徒間交流などESD活動の成果を実践へと繋げるための体制を整えた。気仙沼市が主催する「けせんぬま高校生マイプロジェクトアワード」を活用して研究成果を実践へとつなげる生徒も増えており,地域と連携した取り組みが生徒の行動力の伸張に寄与しているものと考える。

来年度の活動計画

平成28年度にスタートした「グローバルな視点を持って地域社会の創造に貢献する志と実践力を兼ね備えた人材育成」をテーマとしたカリキュラム開発は,グランドデザインに基づいた3年間の第1次実践が完了した。3年間の取組を踏まえ,次年度は以下の2つを充実させたい。まずは,グローバルな視野を広げることを目指し,2学年創造類型全員の台湾研修参加,アジア高校生架け橋プロジェクトを活用した留学生の受け入れ,国外のユネスコスクールとの連携構築に取り組んでいきたい。2つ目は,東日本大震災の経験を活かしたAL型防災学習を発展させ,発災時の自律的思考力・組織的対応力の向上を図るとともに,「防災学習の成果」を国内外に多く発信していきたい。