2019年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

世界遺産・地域の文化財等, 国際理解, 平和, 人権

本校は、北連携型小中一貫校(藤岡北中学校、藤岡第二小学校、神流小学校)として「あふれる知性、豊かな心、たくましい気力・体力を持つ子ども」を教育目標にESDを「人と人とをつなぎ、力を合わせてよりよい未来を自分達の手で創りあげていく活動」ととらえ、実践を行っている。「他者と協力する態度」「つながりを尊重する態度」「進んで参加する態度」「自分で感じ考える力」「気持ちや考えを自分から表現する力」の育成を目標とし、地域や他校・企業と協力しながら全ての子供達に日々質の高い教育を行っていくことを目指している。
 具体的には、国語科、音楽科、体育科、道徳、総合的な学習の時間を関連させ、①世界遺産「高山社」・地域のよさに係わる学習、②「服のチカラプロジェクト」を通した国際理解・難民・貧困問題に係わる学習、③合唱部による地域貢献に係わる活動を行った。
①世界遺産「高山社」・地域のよさに関わる学習
 世界遺産「富岡製糸場と絹産業遺産群」の中の高山社跡を有する藤岡市の学校として、高山社を中心とした歴史と伝統文化について、全学年で系統的に学習を進めた。1年生は、紙芝居を通してカイコの飼育法を広めるための高山社の役割やカイコを育てるための様々な飼育方法を研究した高山長五郎の業績について学び、2年生は、3年生が育てているカイコの観察を行い、3年生は、理科学習においてモンシロチョウとともにカイコを飼育し、季節ごとの成長を観察した。また、群馬県企画部世界遺産課の協力を得て、群馬県に伝統的に伝わる「上州座繰り」の体験や自分達で育てた繭から校旗をつくる活動を行った。4年生は、社会「地域の人々の生活」において、地域の発展に尽くした先人の具体的事例として高山長五郎や高山社について学習し、世界遺産「高山社」を見学し、その先哲の思いなど偉大さを肌で感じてきた。5年生は、資料「苦心の末の大きなまゆ」をもとにした授業実践。神流地区の養蚕の歴史と高山社との関係についての地域学習を行い、6年生は、社会科の学習で富岡製糸場の学習の際に、高山社の果たした業績を合わせて学習した。

②「服のチカラプロジェクト」を通した国際理解・難民・貧困問題に関わる学習
 先輩達の活動を引き継ぎ3年目となるユニクロが企画する「服のチカラプロジェクト」活動を、今年も4年生が取り組んだ。この活動は、高学年ではなく、4年生が学校の中心となって始めたことにより、中学年からのリーダー性の育成と、卒業までの3年間で自分達の実行力を基に「他者と協力する態度」「つながりを尊重する態度」「進んで参加する態度」等を身につけて欲しいとの願いを込めた。自分達で広告を描き、他学年・他小学校・幼稚園・保護者・地域の方々へ趣旨を説明し、協力を仰ぎ、最終的に、学校や地域を越えて、5000枚以上の洋服やズボンを集めることができた。活動を通して紛争や難民問題など国際社会への関心とともにSDGsへの関心も高めることができた。

③全校合唱及び合唱部による地域貢献に係わる活動
 「音楽は人々を結びつけ、相互理解を生み出す巨大な力を持つ。それは普遍的な平和の言葉」という国連事務総長の言葉通り、音楽は身近な仲間や地域のみならず、他校や遠く離れた地域とのつながりも築いている。仲間とともに合唱をつくり上げ、それを通して会場の方々とつながりを持ち、視野を広げていく活動は、将来子供達が広い世界で活動を始めた時に、国や宗教、民族を越えて良好な関係を築いていく基礎となる力として少しずつ身に付いてきている。

来年度の活動計画

来年度は、小学校の学習指導要領が全面実施となる。「前文」の中には、自分自身の豊かな人生だけではなく、多様な他者と力を合わせて「持続可能な社会の創り手となる」ことが強く求められている。来年度は、現在行っている活動分野を個別に扱うだけではなく、「持続可能な社会づくり」という視点で、ESDカレンダーと単元配列表の関連を図り、また、現在行っている活動をSDGs17の目標と照らし合わせ、現在の子供達の課題や子供達が生きていく時代を踏まえ、地域の方々との協働も深めた活動を教科横断的に行っていく。また、継続的な活動となった”服のチカラプロジェクト”にも続けて取り組み、今年度大きく地域や他校へと広がった活動を、より計画的、協働的に行っていく計画である。