2021年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 減災・防災, 気候変動, エネルギー, 環境, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 国際理解, 持続可能な生産と消費, 健康

本校は、「持続可能な社会の実現に貢献する科学技術人材育成」を活動テーマとして、ESDを持続可能な社会の実現に貢献する人材を育成する教育と捉え、ESDの実践を通して生徒の高い課題解決能力と協同的に学ぶ能力の育成を目標としている。
具体的には、教科横断的で組織的な教員間・生徒間・教員と生徒の協働による授業改善を柱に、①探究活動・対話型学習活動に係る活動、②国際理解・国際交流に係る教育、③世界遺産に係る学習、④ボランティアに係る学習を行う予定であったが、昨年度から続くコロナ禍の影響で、多くの活動を自粛・断念せざるを得なかった。

①探究活動・対話型学習活動の係る活動
本校では、2年次に「ESD探究」という名称で年間35単位時間、生徒全員が文系理系の垣根を越えて課題研究を行う時間を設けている。生徒は「傘」と呼ばれる大グループに分かれ、日常の疑問等から各自が設定した研究テーマについてさらに小グループに分かれて活動している。各「傘」には複数の教員がつき、生徒間・教員間・生徒と教員間の協働で探究活動を進めている。昨年度から「傘」にはSDGs等を参考にした名称を付けている(昨年度は「地域」「表現」「自然」「運動」「福祉」「歴史」「環境」「文化」「情報」「国際」。本年度はEngineering、Education、Mption、Ecoogy、Economy、Life、Culture、Heath)。
3年生は、昨年度の各研究テーマの概要と結果をポスターにまとめ、本年6月に研究発表会を実施した。密を避けて本校体育館および複数の3年教室を会場に、各班5分ずつの発表を実施した。本校生は全員、複数のグループに分かれて発表を聞き、質疑応答等に参加した。発表の一部をZoomによるオンライン配信し、他校教員や保護者が見られるようにした。発表のまとめで、自分たちの研究内容とSGDsとの関連を考察したグループも複数あった。その後、3年生は各自で研究内容を論文にまとめている。

2年生は、「ESD探究」という名称の時間に、昨年度末に決定した「傘」で研究テーマを決め、4月からグループ毎に研究を開始した。10月にはフィールドワークという名称で、仮説検証のための実験や調査を校内外で実施、12月には中間発表会を開催した。来年度の研究発表会・論文作成に向けて研究のまとめを行っている。
1年生は、「ESD探究」の時間に来年度からの課題研究の基礎となる活動を行っている。本校教員が複数のペアになり、SDGsに関連した自分の考えを生徒に語る「クロストーク」や、協力いただいた地域企業等からのテーマに対する生徒の考えをプレゼンテーションする「地域探究活動」などを行った。今年度末には、各生徒が所属予定の「傘」を確定する予定である。

②国際理解・国際交流に係る教育
本校第3学年理数コース生徒と全学年の希望生徒を対象に、外国語講師により英語での講義を毎年実施している。本年度は、九州大学大学院のハザリカ へマンタ教授から「産業福産物由来の材料とそれらの戸建て住宅の地震防災対策への適用」という題で、オンライン講義をいただいた。防災に関する知識を深める有意義な時間となった。
また、国際理解教育の一環として、例年夏季休業期間中に全校生徒から選抜された10名が韓国の釜山長安高校等を訪問し、研修や交流を行ってきたが、昨年度同様、今年度も実施を断念した。

③世界遺産の係る学習
例年、本校SSH事業の一環として、夏季休業期間中に全校生徒から選抜した10名が世界遺産である屋久島を訪問し、自然観察やフィールドワークを行ってきたが、昨年度同様、今年度もコロナ禍の影響で中止を余儀なくされた。

④ボランティアに係る学習
毎年、本校の生徒会組織である「SSHユネスコ委員会:が教員・生徒・保護者等から不用品を提供してもらい、本校文化祭でチャリティバザーを実施していたが、今年度もバザーの開催は自粛した。使い捨てコンタクトレンズの空ケース回収活動は、3年目になるが、今年度も継続して行った。

来年度の活動計画

コロナウィルスの感染状況次第でまだ不確定な点が多いが、例年行ってきた海外の学校を訪問しての国際交流、世界遺産屋久島でのフィールドワーク、文化祭でのチャリティ活動等を復活させたい。「ESD探究」での課題研究は今後も継続して行う予定である。また、他校や他団体とコラボした活動なども模索中である。