2018年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

環境, 国際理解, 平和, 人権

 本校の教育目標は「深く考え,ともに向上を目指す生徒」である。教育目標には,「豊かな人生を切り拓き,持続可能な社会の形成に自ら参画する人間」という生徒に期待する将来像が盛り込まれている。これには,『生徒が深くものごとを考える基盤に「持続可能な社会の形成にかかわる自発的な関わりや在り方」がなければならない』という本校が大切にしているキャリア教育・ESDの視点がある。これからの社会を踏まえて,まずは自分たちの足下(地域)からの第一歩が大切であるという教職員の共通理解のもと,「住みよい社会を目指して(地域の在り方,自らの在り方の探究)」をテーマとして活動を展開した。
スタート1年目の今年度は,1年生が主として係わる活動を対象とし,環境教育,人権・平和を柱に、①総合的な学習の時間(ナカノマ探)に係わる活動,②地域活性化活動,③人権に関わる学習・活動を行った。
①総合的な学習の時間(ナカノマ探)に関わる活動
城北中学校区にある中ノ俣地区は,平均年齢が75歳を超え,高齢化率も80%を超える集落である。自然の材と生活の知恵を生かした相互扶助的な生活を営んでいる。1年生が総合的な学習の時間で訪れ,地域の方々との交流を通して,自然との関わり,地域コミュニティの在り方,地域の持続可能性などについて考えを深めた。
②地域活性化活動
「参加から参画へ」を合い言葉に,生徒同士で町内イベントを企画した。生徒は町内会長に企画のねらいや企画の内容についてプレゼンを行い,地域の大人の協力を得ながら,大人から子どもまで参加してもらう活動を展開した。主な内容としては町内の整美活動や祭りの屋台,子ども会のイベントなどであった。
③人権に関わる学習・活動
人権教育,同和教育に関する授業公開・協議会を年間3回行っている。「まずは,教師が学ぶ」を合い言葉に,差別の実態を学ぶ現地学習会を行っている。生徒会活動では,単にいじめや差別について考えるだけではなく,専門委員会単位で何ができるか企画し,活動している。例えば,生活委員会では心の居場所を作る「あいさつ強調習慣」,音楽委員会では「いじめ見逃しゼロコンサート」を実施した。

来年度の活動計画

 来年度は,全校体制で更に組織的,計画的に活動を進めていく。新1年生は,今年度と同様の活動を行うとともに,新2年生と総合的な学習の時間の内容に関する意見交流を年度当初に位置付け,引き継ぎを行う。新2年生は,地域活性化の視点で5日間の職場体験活動と修学旅行(京都・奈良方面)を実施する。特に修学旅行では,上越市の課題(少子高齢化問題,観光に関する課題,財政の問題,外国人人口の増加と対応)と,同様の課題がありながらも改善へと向かった修学旅行先の地域との比較,インタビュー活動などを通して,今後の地域の在り方,自らのあり方について具体案を出していく。新3年生では,さらなる地域への参画と各企業,行政への提案,持続可能な地域に向けた意見交流やパネルディスカッションなどを行う。また,留学生との交流などを行い,国際理解教育を一歩前に進める。