2019年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, エネルギー, 環境, 平和, 持続可能な生産と消費

本学園は「点数によらない評価、競争を廃した教育」を掲げ、それを求めて県内・県外を問わず様々な地域から生徒が通っているが、学園が立地する「飯能」の里山・森林地域の文化と環境に関わることで、自分の住む地域社会の持続可能なあり方、更には国際社会全体の持続可能性を考え、自立して行動する認識と姿勢を育てることを目標としている。

①中学では総合学習の時間に「森の時間」という名前を冠し、飯能地域全体を学ぶ場として様々な活動的な授業を行い、②高校では3年間で誰もが選択できる選択授業としてESDに係る授業を多く開講している。③また、学内の食堂は、徹底した手作り、安全な食材の使用、地域の食材の使用にこだわっており、自分達の口に入るものがどう作られているかを知ることがESDの役目を果たしている。
https://jiyunomori-nikki.blogspot.com/search/label/ESD

① 中学総合学習「森の時間」の活動

「地域のフィールドワーク ~そしてナイトウォークへ」

1年次には、地域の山々、その山を切り開いて出来た工業団地、地域の神社(朝鮮半島からの渡来人を祀った『高麗神社』)などをすべて自分達の足で歩き、また学園に隣接した人工林で間伐体験も行った。その中で「日本の林業の存続」「日本の文化と渡来人との関係」「現代における日本と朝鮮半島の関係修復」「自然環境と工業地帯の共生の難しさ」などの問題に出会う。

2年次には、江戸時代に木材を筏で流した川沿いを学校をスタートして上流に向かって歩く6時間のナイトウォークを行った。これは筏で下った職人が帰りに実際に歩いた道のりの追体験でもあり、夜間に歩くことで蛍や鹿など、山間地域ならではの野生生物に出会える体験でもあった。
https://jiyunomori-nikki.blogspot.com/search/label/ESD%20中学森の時間

② 高校での選択授業の活動

小岩井生態学(理科)

理科的な視点で、飯能地域の森林、農地、市街地を含む空間の生態系を調査、データ収集を行った。自然環境の再生や保全、生物多様性、外来生物、持続的な資源管理について学び、発信することを目指す。
https://jiyunomori-nikki.blogspot.com/search/label/ESD%20小岩井生態学%EF%BC%88地域生態学%EF%BC%89

林業講座(総合)

学園周辺の民有林を借りて間伐などの作業を中心に、森林とその生態系、産業としての林業に関する諸問題を学ぶ講座である。自然科学、社会科学、労働、地域という4つの視角で森林を考えることを目指した。
https://jiyunomori-nikki.blogspot.com/search/label/ESD%20林業講座

選択講座「自然」(理科)

学内のビオトープのデザインと修復作業、学園の自然マップの作成、学校林の管理とシイタケ栽培、ミツバチの飼育と観察などを行い、「自然と人間」について考える講座である。

環境学(公民科)

小川町風土活用センター生ごみ資源化バイオマスプラント、西川地域木質資源活用センター(ペレット燃料工場)、群馬県上野村バイオマス発電所などを訪問し、エネルギーの観点から、日本と世界の環境について学ぶ講座である。
http://jiyunomori-nikki.blogspot.com/2018/11/blog-post_29.html

飯能地域研究(公民科)

飯能市を調査し、更にそれを外部に向かって発信することを目標とする講座。今年度は『ロゲイニング』というゲーム形式を用いたツアーを生徒が企画し、子供から大人までを招いて飯能の町を知ってもらう機会とした。
https://jiyunomori-nikki.blogspot.com/2019/01/blog-post_69.html

福祉の現場へ(公民)

福祉施設でのボランティア活動や岩手県釜石市の仮設住宅へのボランティアツアーへの参加を行った。
https://jiyunomori-nikki.blogspot.com/search?q=%E7%A6%8F%E7%A5%89%E3%81%AE%E7%8F%BE%E5%A0%B4

タネ(理科)
近年出回っている「F1品種」と「固定種」の違いを学び、「固定種」の種から大根、ナス、トマトなどを育てる。固定種からは継続的に種が収穫でき、その種が次年度の講座の教材となる。
https://jiyunomori-nikki.blogspot.com/search/label/ESD%20タネ

ワールドピースラボ(地理、現代社会)

ワークショップを通して世界の現状を知り考える講座。これまで外部ファシリテーターを呼び、SDGsカードゲームや100人村の世界、ワールドピースゲームといった疑似体験授業を行い、地球に生きることの意義を考えることを狙いとしている。

③ 学内食堂の活動

パンは小麦粉を捏ねて食堂内で焼くほど、すべての食事を徹底して手作りしている。減農薬の野菜、抗生物質を使用しない食肉の使用、地域の食材の使用にもこだわり、また生ごみは敷地内のコンポテストで完全処理している。
https://jiyunomori-nikki.blogspot.com/search?q=%E9%A3%9F%E5%A0%82

来年度の活動計画

中学において今年度は、ESDの活動を始めてから入学した最初の1年生が3年間の総合学習のカリキュラムを終えた年となった。ESDを軸とした総合学習が教員が代替わりしても継承されていくかどうかが今後の課題である。
高校については、同じユネスコスクール加盟のマレーシアの学校との交流の準備を進めており、本校の生徒をマレーシアを訪問できるようにしたい。